《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記 1999年9月 >>次月へ

1999年9月22日


車の下からゴマが出てきて「にゃーん」と鳴いて私を見上げた時、まさかと思ったが、やっぱり車の下で産んでいた。あるいはどこかで産んで、雨の中そこまで運んだのかも知れない。



仔猫は3匹、びしょ濡れで冷たかった。

雨の中、アスファルトに這いつくばって、車の下からようやく3匹を引っ張り出した。



家で待っている3匹の純粋培養の猫達と、猫嫌いの舅の顔が浮かんだ。

猫嫌いの舅の家に同居する嫁という立場上、心底困ったけれど、迷っている暇はないとも思った。

去年の二の舞だけはしたくない。



幸い夫と待ち合せていたので彼に運転を頼んで、私は3匹を同時に拭きながら温めた。

ゴマは、後部座席に乗せた箱から飛出して落着かない様子だったが、やがて自発的に私の膝に乗った。

と言うより、仔猫の傍に来たのだろう。

時々奪い返そうとしているのか、仔猫の背中に齧り付く。まるで食べてしまいそうな迫力だった。



冷たくなり掛けている仔猫たちとは違い、ゴマの身体は温かかった。

熱いくらいに。




こんな日に限って道が混み、帰宅に1時間以上かかってしまった。

路上駐車して交通妨害している馬鹿野郎や、いつまでも開かない東横線の踏切りが恨めしかった。こんな僻地に家を買った親も、そんなところに住んでいる自分も馬鹿のように思えた。



やっと辿り着いたら、舅は寝ていた。

良かった、とりあえず騒動は避けられた。今夜だけはキチガイじみた騒ぎは勘弁して欲しかったから、何という好運。



ゴマはその夜、落着いてからあと2匹産んだ。



1999年9月23日


家で生れた2匹の、最初の1匹は死産だった。

出産の途中で連れてきてしまったせいだろうか。仮死状態で出てきたものの、ゴマは3匹のおっぱいをあげるのに精一杯で世話をしようとしない。タオルで羊膜を取り去り、身体を乾かし、必死で蘇生を試みた。

息を吹返してからも、ぐったりしたままだ。少しさすっては、おっぱいをくわえさせてやろうとするのだが、吸い付けない。夫がプラスチック容器にお湯を入れて来てくれ、蓋をした上にハンカチを敷いて乗せ、両手で包んで温めた。

少し温まると、呼吸が早くなる。何度もおっぱいをくわえさせようと努力するが、やはり駄目だ。かすかに息をしているが、苦しそう。まだ生きているのだが、もう駄目だろうとも思う。5時間経っても、8時間経ってもおっぱいが飲めないのだから。



温めた牛乳を少し口元に垂らしてもみた。口は開きっ放し。ダラダラと牛乳が流れ落ちる。せめて母親の懐で息を引取らせてあげた方が良いのかも知れないと考え、ゴマに預けてみた。4匹の間で、全身をくったりさせて横になっている。



向こうの部屋では、家の猫達が不安そうに騒ぎ始めている。帰宅してから、まだ世話もしてあげていないのだ。フードとトイレの掃除に行き、次に戻った時、仔猫は息をしていなかった。



翌日、夫が近くの山に埋めに行ってくれた。助けてやれず、悲しくて泣いた。

本当は庭に埋めたかった。こういう事を自由に出来ないのが無念だ。



1999年9月24日

へんな姿勢で長時間仔猫の介抱をしていたせいか、体中が痛む。

4匹の仔猫と母親猫・・・この先どうしたら良いのだろう。

仔猫達には良い里親を探したい。母猫は一度家を与えておいて再び野良に戻すなど、そんな残酷な事は出来ない。もう覚悟を決めて、うちの3匹と共に世話をしよう。うまく入り込めると良いのだが。



私が勤めていなければ少しは安心なのだが、留守の時間が長くて、ただでさえミュウはナーバスになっているのだ。かなり異質なゴマを見て、ミュウはどう反応するだろう。



ノミや病気の心配も消えない。ノミ取り器を買って来て置いてみた。もう少ししたら、獣医さんに相談して、ノミ駆除と検便・血液検査をして貰おう。



ぼちぼち作ろうと思っていたホームページを、一気に作り上げる。正味2日でやっつけた事になる。未完成の部分があっても、先ずは公開してしまおう。

里親探しと野良猫の世話は、神様が私に与えてくれたライフワークなのだと思う。

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