ゴマ

怒った!

Mar.19,2001

春らしい1日だった。今日は今年初めてコートを着て行かなかった。もとよりクルマ通勤だと着るものなど構わないのだが、事地誌は精神的にも時間的にも余裕がない冬だったので、去年まで着ていたコートなどクローゼットから出しもしなかった。以前、電車に乗っていた頃の長いコートなど、多分もう2度と袖を通さないだろう。いっぱいあるのだ。お洒落をしろと言う経営者の下で働いていたものだから、単純な私は色々買っていたのだ。ああ、今となっては勿体無い。オークションで売っちゃえ・・・とアカのヨウコちゃんに言われるのだが、それもなかなか面倒臭い。2度と穿かないだろうハイヒールもスカートも、間違っても着ないだろうスーツ類も、未だ捨てる勇気がない。全部捨てるか人にあげるかすれば良さそうなものだが、昔の服は全て物凄く小さいサイズで、なかなか着られる人がいない。5号サイズのミニのタイトスカートのツーピースなんか、誰か欲しいですか?

今朝会社に行ったら私の加湿器がなかった。別に私のものではないのだが、もう何年も私が独占しているものだ。毎日水を入れ替えてきちんと管理する人などいやしないから、几帳面な私が手元に置いておくのが一番妥当なのだ。なのに突然なくなっていた。夕方近くになって誰が持って行ったか判明して、さっさと取り戻して来た。PCやらプリンタやらコピー機やらが集中している場所なので、静電気が会社中で一番起きるのだ。これからも私のものだ。

今朝はクロヅラ三毛がいた。ああ、生き残っていたんだね、と嬉しかった。土曜日にはハナクソが挨拶だけの為に出て来てくれたし、ほんのちょっとした事で気持ちが明るくなる。・・・つまり、やや気分が低迷しているのだ。陽気のせいか。やたらと他人の言動が気に障る。甲高い声、だらしない処理、強い香水(しつこい)、いい加減な調査、媚びた物言い・・・あれ?こういうものに腹を立てているのはいつもの事じゃん。だけど腹を立てるというのとは少し違って、今は何となくブルーな気分。こういう時は、猫とこうちゃんとゆったり過ごすに限る。残業は少しだけにして早めに上がり、閉店ギリギリのスーパーに飛び込んで夕飯の買い物をして帰る。綺麗に並んだ肉や季節のはしりの野菜を見ていると、頭の中のモードが変っていくのを感じる。

タラの芽を天麩羅にしよう、二人とも好物なのだ。山うどとワカメの酢味噌和えも食べたいな。根三ツ葉とエノキ茸をタラコ和えにしても良さそうだ。マグロのブツとチシャ(予め味噌少々で揉んで水分を絞っておく)を味噌ドレッシングで和えても美味しい。綺麗な蕪が目にとまり、さいの目に切った蕪をとろとろに煮たクリームシチューも食べたくなる。美味しいもののイメージは、いつも私を幸せにする。春らしい野菜を見ていたら、随分と気が晴れた。仕事が全てではないのだ。一番大切なのは家族だ。

早く帰宅すると、こうちゃんとゴマしか出迎えてくれない。あとの3匹は「はーん?」みたいな顔をして各々の寝場所を動かない。くつろぎ始めたゴマを撮影しようとして手を差し出したら、あっと言う間に飛び退いてしまった。背中を丸めて尻尾を振り上げて、まるで怒っているかのような体勢を見せていた。ゴマったら!

こうしている今は大きな大きなミュウが膝に載っている。「来るかい?」と声を掛けただけで抱っこしてしまい、あまりに嬉しそうなものだから降ろせない。もうご飯が炊けるから、そろそろ降りてね。

さっき電話で知ったのだが、実家の父が入院した。昨年に続いて2度目である。母と妹がついていてくれるものの、二人の負担は相当大きいはずだ。妹は勤めもあるし、母は運転が出来ない。病院に通う事すら重労働だ。嫁に行った娘は実家の事にはもう関係ない、と言うのが父の口癖だった。そんな事はない。父の妹たちはそれで済んだかも知れない。母という甲斐甲斐しい嫁がいたから、祖母が寝たきりになった時も、祖父が惚け老人になって寝たきりになった時も、お客さんとして見舞いに来るだけで済んでいた。しかし、未婚の妹と持病のある年老いた母親だけに任せておく事が出来るはずがないではないか。父の為ではなく、母と妹の為に自分が何が出来るのかを、良く考えて実践したい。兎も角、明日にでも一度行って来ようと思う。


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