ジーコ

無垢

Jun.23,2001

里親募集に掲載したばかりだった保護猫が死んだ。東池袋で虐待されていた3匹のうちの、生き残りの1匹だった。2匹は、既に死亡していたのだという。保護してくれたのは、ここからほど近い横浜市内の女性だ。病院で必死に手当して貰っていた甲斐もなく、今朝亡くなったという。何の為に生まれて来たのだろう。人間に死ぬほど苛められて短い一生を終える為に生まれて来たとは思えない。何かしなくとも野良で生きて行くのは困難な都会で、どうしてわざわざ虐待しなければいけないのか?精神を病んでいる等という免罪を用意する必要はない。命を粗末にして平気な精神は、病んでいるのではなくて「舐めている」だけだ。世の中を、そして命の重さを舐めていた事を、本人に死ぬほど後悔させなければ駄目だと思う。他の命を粗末にするものは、自分の命も同様に粗末にしろ。

今日の午後は、里親候補のご家族と会った。チロちゃんの赤ちゃんを見に連れて行って、仔猫たちの成長ぶりを目の当たりにする。驚いた。自分でウンチもして見せてくれた。みんな元気で仲良しだ。引き離してしまうのが可哀想な位。

里親さんの子供たちは、はにかみやさんで可愛い子達だった。幼稚園児の弟というのが心配だっただが、予想していたよりもずっと大人しかった。笑顔の可愛い、きちんと躾の行き届いた姉弟だと感じた。お母さんもきちんとした謙虚な方だ。あと1週間ほどお待ち頂いて、お渡し出来そうな感じだ。小学校2年生のお姉ちゃんが、とても名残惜しそうにしていた顔が印象に残る。黒猫のココちゃん(仮称)が里子に行く事になっている。

帰り道、明日の搬送用のコンテナを買い込み、帰宅して来客をこなしてから買い物に出る。野菜色々と缶ビール2本だけ、そしてモツ焼きを買い込む。モツ焼き屋のおじさんは、先日もここでちょっと触れた猫好きのおじさんだ。おじさんの実家は広い庭を持つ農家で、そこの藪の中で10数匹の皮を剥がれた猫の死体が見つかった事があると聞かされた。胸がムカムカした。気持ち悪いからではない。三味線の皮にするのだろうと言うが、生きている猫を捕まえて皮を剥げる人間の残酷さにムカムカしていた。

だけど、私もモツ焼きを食べ、おじさんは豚のモツを焼くのだ。おじさんは言っていた。人間は生き物の命を戴いているんだけど、必要な寮だけ殺すなら判る。だけど大量に殺して、その辺のスーパーに大量に並べて、余ったら捨てるなんてぇのは良くないよね・・・と。後ろに別の客が待っていたので、そこで切り上げて帰って来たが、命を戴きます・・・と心の中で言って食べた。冷蔵庫にはまだ、オージービーフもロースハムも入っている。みんな命を戴いたものだ。

暗くなったので、ジーコの天真爛漫な仔猫のような顔を見て頂こうと思う。


inserted by FC2 system