ミュウ
夏用ベッド再び

Jul.29,2001

選挙に行った。あまり暑い日ではなくて助かった。投票所に詰めていた役所の人間も、冷房のない体育館での事だから、今日程度の気温であればそう辛くはなかっただろう。情報公開されて知った事では、民間企業では考えられない位の大変高額な日当が出るらしい。いいなあ、公務員は。

特に個人的に応援している候補者はいないが、大橋巨泉だけは厭な奴だと感じた。随分と顔も悪くなった。昔は嫌いではなかったのだが、今は明確に嫌いだ。不遜な人間がどんどん嫌いになって来ている。多分それは舅の影響だ。不遜で傲慢な顔をしている人間を見ると、顔立ちの違いはあっても、どうしても舅の顔とダブって見える。

その舅・・・今日の午後、またお隣に行ってしまった。お隣の奥さんに話を聞くと、家に誰もいないのでみんな引っ越してしまったらしいと訴えに行ったのだ。その時私達は2階で雑用をしていたし、姑は寝室で休んでいた。徘徊している時のように見当識喪失がある様子ではない。そういう時には、大声で騒ぐのだ。「おーい、おーい」とか「おかあさーん!」「こうちゃん!」と。今日は全く騒がず、ちゃんとスリッパも玄関で脱いで、玄関のドアも閉めて出掛けている。確信犯であろう。誰かに相手をさせる為に嘘をつく。こういう時には、ちゃんとさっさと歩ける。

迎えに行くと、途端に歩けなくなる。家に入りながら大袈裟な口調で「いやあ、驚いた。まったくもって驚いた。」と言う。「何に驚いたんですか?」と私。「軽井沢に引っ越すと言いやがるんだ。」「誰が言うんですか?」「セガレだ」「どこのセガレですか?」「オレのセガレだ。」ここでこうちゃんが「オレがセガレだよ!」すると敵は「そりゃあそうだろう。」・・・・・もう何も言えない。そしていつもの偉い人のフリが始まった。「どうかな?最近は・・・」(どうもこうもないよ!)「やけに元気そうだな!」(元気なのはお前だけだよ!)「まあ座れ」(やなこった!忙しいんだよ!)

姑は、もう1日も一緒に居たくないと言い始めている。今日のデイ・サービスでも、お友達に「ああいうご亭主を預かって貰うところがあるのよ」と吹き込まれたらしい。夜、義姉とその旦那、娘の3人が来て舅の話相手をしてくれていたので、その間に買い物に行って夕飯にする。まだ諦めずに、支払い可能な料金で、しかも預かって貰える施設を探そうと話し合う。みんな鬱状態になっている。姑も自分で「これは気の病よ」と言っていた。そうだ、もう充分あの舅には家族は苦しませられているのだ。鍵のかかる部屋に入れてしまいたい。せめて口がきけなければ、せめて歩き回れなければ・・・と色々思ったが、いずれにせよここまで毒のある人とは接していられない。今日の出来事にしても、とぼけているだけなのだ。少しは呆けているだろうが、こういう時の原動力は嘘つきで自己本位な性格なのだと確信しているから。

一生このままで済むとしたら、不公平過ぎはしないだろうか?他人を振り回すだけの人間、自分の為に犠牲を払わせる事だけが楽しい人間、人の都合は一切考えない人間、人にストレスを与えるだけの人間、そういう人間がもっと寂しい思いをしなければいけないのではないか・・・そう思ってしまう。少し前までは「寂しい寂しい」とよく言っていたが、誰だってみんな寂しいんだよ、男なんだから我慢しろ!と言いたい。毎日、起きている間中、傍に侍らせて話し相手をさせられなければ「寂しい」と言うのは、如何にも都合良すぎるぞ。少しは我慢というものをしてみろ。猫ですら我慢しているんだから!

本当に、猫の方が遙かに心豊かに生きているような気がする。他の猫をいたわり、嫉妬し、しかし許し、分かち合い、四六時中甘えたいけれどお留守番も我慢する。親と猫とどっちが大切なんだ?と尋かれたら、ためらわずに「猫に決まっている」と答えるだろう。そういう境地なんだもの。

TVでは選挙の速報ばかり。アホの坂田にそっくりの鈴木宗男議員が、テリー伊藤にニコニコしながらヒステリックに噛みついていた。小泉さんは同じような質問を繰り返されて、うんざりした顔をしている。聞いているこっちもうんざりして来る。かと思えば金髪のコック見習いの若者が、部屋の壁に浜崎あゆみの写真を剥がして小泉さんのポスターを貼っていた。自民党に投票したと言っていた。理由は、小泉さんを少しでも助けてくれるんじゃないかと期待してという事だった。こんな世代の若者が応援したくなる総理総裁が、果たして過去にいたのかな?


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