きららちゃん

Aug. 7,2001

実は昨夜、きららちゃんの保護者の方が夜中に車を飛ばして、家まで写真を届けてくれた。凄い行動力だ。その気持ちを無駄にしないように、その場でスキャナー取り込みしてSOSに掲載しまう。正面から獲ったお顔のアップも掲載したのだが、それがとっても可愛い。既になかなかの美猫である。

お話を色々と伺うと、片手間ではなくて、本当に真剣に保護をしている人だという事が判った。今飼っている3本足の猫ちゃんも、人間にイタズラされて前足にテグスをぐるぐる巻きにされて腐って異臭を放っていたところを何日もかけて探して保護、手術した猫らしい。その足もある病院で肩口から切断されてしまったが、何とか少しでも残してあげられなかったのか・・・今も悔やんでいると言う。こういう施術も、医者によっては意見が様々に分かれるところなのだろうが・・・。

とても若いお母さんで、知的障害を持つお嬢さんの事なども色々とお聞きした。人懐こい明るい子だと言う。彼女の笑顔は生き生きと美しかった。そのお父さんは、こうちゃんより2つ年上なだけだ。こうちゃんには、こんな大きな娘がいてもおかしくないんだよ!と言ってやる。ま、私も大差ないが(笑)。

きららちゃんの足には、赤い肉が露出していた。足先の骨は粉々だったと言うが、少しでも血管や神経組織が生きていれば、何とか足を残せるように努力してみたいと獣医さんが言ってくれているようだ。今飼っている3本足の猫も、この先生に診て貰っていたら一体どうだったろう・・・と言っていた。それにしても、何が原因で後ろ足を潰されたりしたのだろう?車に轢かれてこんなf場所が潰れるものだろうか?しかしとても可愛い顔をしている。お母さん猫は綺麗な三毛猫だ。母猫や姉妹猫たちも、順番に避妊してあげたいと言っていた。その時は、《猫の手倶楽部》でお手伝いしたいと思う。

そして今夜は、飼い猫のミーちゃんに逃げられてしまった金子さんからの連絡で、捕獲器をお貸しした。ペット可のマンションに越して半年以上一緒に暮らしている避妊済のミーちゃんを、ちょっと油断して玄関から逃がしてしまったらしい。1日探したけれど見つからないと言うので、捕獲器を使う事を勧めてみた。うまく入ってくれると良いのだが、きっとどこかマンションの近くの物陰で、怖くて動けずにいるのではないかと思う。自分で考えて、チラシも作ってポスティングしたと言う。よしよし、流石に男の子はフットワークが良いね。近所に野良猫にエサをあげている家もあるようなので、その家の人にも話をして良く良く頼んでおくようにも勧める。この数日で頑張って探してあげないと、見つけるのがどんどん難しくなるだろうから。

ミーちゃんの脱走で、春先に里親さんの家から逃げた猫を捜索に行った時の事を思い出す。私のところから里子に出した猫ではなかったのだが、家が近いので1週間ほど毎晩仕事の後で通った。行ってあげた方が良いと思うのに行かないでいるという事は、あの時の私には出来ない事だったから。あの頃は、まだ結構寒かったっけなあ。元親さんが「捕獲器は使わないで欲しい」と切望するので、結局は捕まらないまま今に至っている。どこでどう話が変っていくのか、私が逃がしてそのままほったらかしていると思っている人がいると聞いて驚いたが、否定したところで意味がないと諦めている。

今改めて考えてみても、やはり私は動物愛護活動家になる意志はない。目の前にいる見捨てられない状況の動物をやむにやまれず保護する事はこれからもあるだろうし、一生懸命に取り組んでいる人の援助をしたいとは思うが、あくまで私は仕事と家事と家猫たちと家族を守る事を大切にしている一主婦に過ぎない。何事も出来る範囲でしか出来ない。生活していかなければならない以上、働いて収入を得る事を第一にせざるを得ないし、そうでなければ、動物に対しても「ボランティア」とは言えないのだ。

昨夜改めて感じた事だが、きららちゃんの保護主さんは決して誰にも依存してはいない。そのお母さんとの関係を話の端々から垣間見ると、やはり強い意志的な母親像が浮かび上がってきた。そして彼女もまた自分の娘たちを通して強い意志と責任感を持つに至ったのかも知れないが・・・。高校生でも通用するような童顔で、さっぱりとした明るい表情で帰って行った。入れ替わりに朝刊が届いた。気分の良い夜明けだった。エネルギーを貰ったかのようだ。有難う。きっと良い結果になると信じている。ヤマト君も、ぽんきち君も、泰佑ちゃんも・・・そして他のみんなも幸せに暮らせる事を祈っている。泰佑ちゃんに関しては、7匹のかあたんやあけみさんもとても心を砕いてくださっている。嬉しい。頑張れ、泰佑ちゃん。頑張れ、Jellyちゃん。(飼い主まで「ちゃん」付けでゴメン!)

追記:
先述の昨夜逃げたミーちゃんは、捕獲器を仕掛けて10分もしないで掛かったという電話がたった今入った!電話口の向こうで、ミーちゃんはずーっと鳴き続けていた。心細かったんだろうね、さぞかし。そして本当にお家に戻りたかったんだね。良かったね、ミーちゃん。良かったね、金子さん!バンザイ!!



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