ジーコ
撫で撫で

Aug.23,2001

昨夜は突然出掛ける事にしてしまった。生後2週間ほどの仔猫を保護した方から授乳や排泄の相談のメールが入ったので、メールなんてまどろっこしいから電話してみたのだ。すると保護してからまだ4時間ほどなのだが、何も口にしないと言う。哺乳瓶やミルクもないと言うので、明日求める事にして一旦は電話を切ったのだが、やはり思い立って病院に連れて行って必要な処置をして貰い、哺乳瓶なども揃えて貰う事に決めた。このままミルクを飲む事なく朝を迎えたら、下手をすると死んでしまうかも知れないし、あるいは脱水状態に陥る危険もある。その時には、もっと時間も費用もかかるのだし、死なせてしまったらどれだけ悔いが残るか判らないもの。

それに幸いウチからかなり近かったのと、そこからまた24時間診療の病院が近かったのが決断のきっかけになった。出掛けたのが12時過ぎなので、帰宅したらやはりとんでもない時間だった。連れて行った病院というのはとても設備の良い、昨年ちゃーちゃんが奇跡的にも一命を取り留める事が出来た縁起の良い(?)病院だ。今夜の先生も若くて親切な男の子(笑)だった。しっかり診てくれて、深夜料金が一律プラス1万円!とは言え、どこか悪いところがある訳ではないので、予想の半分くらいで済んだ。ウンチが堪っているかどうか良く触診して貰い、オシッコはきちんと出して貰えて、哺乳瓶とミルク一缶も貰ってトータル1万2500円だもの決して高くないと思う。夜間に何を診て貰っても、ここでは1万円の深夜料金はかかるのだ。そして今日見て貰った事で、月末までの1週間は一切無料で診て貰えるという特典もある。

保護主さんは、ちゃんと仮の名前を付けてくれていた。「みちる」ちゃんと言う。みちるちゃんは綺麗な縞三毛で、多分捨て猫だろうと思う。野良で育ったにしては被毛も綺麗だし、良く甘えるお喋りな仔猫だ。早く写真を撮って送って下さいね・・・と言って別れた。今後は保護主さんが人工授乳して育ててくれる事になる。当分は2時間おき、やがて4時間おき・・・1匹ではあっても、初めてのお母さん代わりは相当に大変だろうと思う。(5匹育てたれいさんは、やっぱりスーパーウーマンだ!)

保護主の小川さんは、ちょうど1ヶ月前の同じ日にも仔猫を保護してくれている。昨年末にも保護した仔猫を、口内炎の持病があるという事で募集を中止してずっと一緒に暮らしてくれている優しい男性なのだ。昨日は、仔猫の鳴き声がするという事で、懐中電灯を照らしながら探して保護したらしい。自宅で仕事をしている人で良かった。半ば強引に病院に連れて行ったので、今回だけは診療費を《猫の手倶楽部》から出させて戴く事にした。これからまだミルク代もうんとかかるし、次々と保護してはきちんと育て、里親探しをしてくれている男性だという事も知っている。こういう個人を応援する為の基金なのだもの。

裕美子さんの保護猫「チョロちゃん」の写真も届いた。シラミも回虫もいたようだ。エイズキャリアというのは母子感染なのだろうが、これから様々な治療が始まる。こちらも《猫の手倶楽部》で支援する。きららちゃん・茶トラ君の保護主さんには、半ば強引に送金してしまった。自分よりもっと大変な人がいっぱいいるのに、申し訳無さ過ぎて受け取れないと言うのを、まだこれから母猫の避妊もあれば、仔猫たちの保護・避妊も続くのだから、大変でない訳がない。最前線で保護してくれている人が一番大変なのだ。昨日の保護主の男性も「お金で済む事が一番楽なんです」と言っていた。そう。私もいつもそう思って来た。

しかし支援して下さる方の中には、自分でも保護活動をしている人も多いのだ。これが辛い。痛みを判るからこそ支援もしてくださるのだろうが、SUNちゃんの元保護主さんといいミーヤちゃんの保護主さんといい常にかなりの金額を保護に使っているはずなのに、いつも他の子たちへの愛情を示してくれるのだ。他の支援者の方々もまた、ご自分で里子を受け入れたり、病気の子を抱えていたりと、決して楽で支援出来る訳ではない事を知っている。貴重なお金を回してくれているのだ。有り難くて申し訳ない。全ての子に支援出来る訳ではないのもまた辛い事ではあるのだが、カンパして下さった方々からのお気持ちを反映出来るよう、無駄なく遣って行きたいと思う。

今夜は葉唐辛子を煮ている。煮るのは簡単だ。何が面倒だって、枝から葉や実を摘むのが大変なのだ。立ちっ放しで作業していて、すっかり足が痛くなった。そしてジャムが葉ものを見ると必ず飛んで来るので、「これは辛いからダメ!」と追い払うのに苦労した。

ジーコは殆どの時間を夏の別荘(籐の大型キャリー)の中で寝ているのだが、たまに思い出したように出てきては甘える。伸び上がって、前脚でチョイチョイと私の顔を触る。ご飯でも抱っこでもない、何を訴えているのかが判らない。仕方なく、しばしお腹を撫でては話し相手になってやる。何事も控え目で不憫である。

更新しようと思ったら、昨夜のミチルちゃんの保護主さんからメールが届いた。ご了解も戴いたので、経過をお知らせしたいと思います。
 


 昨晩はいろいろとお世話いただきまして、本当にありがとうございました。
 お陰でわたくしも余計な心配をせずに飼養と公募準備に専念することができます。
 子猫はかならず立派な里親さんに生涯を託すことができるよう努力したいと思います。

 子猫のミチルもおしっこが自分でできるようになりつつあるみたいです。
 お陰でお漏らしされてしまいました。
 もう少しすればミルクも自分で飲めるようになるかもしれません。
 毛繕いのまねごとなども少ししています。

 リラックスしてよく眠っています。ミルクを飲ませるのに時間がかかる以外は世話
 はあまりかからないみたいです。お腹が減れば鳴いてくれますので、その都度あげる
 ようにしています。

 土曜日に一番上の子の再診日になっておりますので、その時ミルクを追加購入して
 おきます。後、十日もすれば離乳食にできるかもしれません。

 帰宅してから再度、拾った現場を確認しに行きましたが、現場の状況から見て
 やはり、おっしゃるとおり捨て猫のようです。
 防犯灯などの照明の死角になっている建物 の陰になる部分で障害物も多く
 幼猫が迷い込むことは、まずできないところです。
 土地勘のある人の仕業だと思います。

 思い返せば、ミチルが鳴いていたときにカラスが付近を飛翔していました。
 私の近所は夜間でも照明の明かりを頼りにカラスが活動しています。
 ミチルのいた場所がたまたま防犯灯の明かりのとどかない所だったので
 カラスもあきらめて助かったのかもしれません。ミチルが捨てられてから
 救出されるまで30分もたっていなかったかもしれません。
 不幸中の幸いでした。

 では、ご主人にもよろしくお伝えください。

 平成13年8月23日 小川
 


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