犯罪者JAM
Nov.22,2001
犯罪の証拠物件を
こうちゃん捜査官が提示
何と、犯人が現場に戻って来た!
かなり凶暴なヤツだ。
「誰だ?!お前は!」
しかし間抜けな犯人は、
名札を付けているではないか!

前の会社の同い年の友人が、ある日たくさんの男物の靴下とパンツをくれた。頂き物らしいのだが、彼女の夫は太っていてサイズが合わないと言う事だった。

それがかなり大量でとても整理ダンスに収りきれないものだから、丈夫なボール紙の箱に入れて押入の上段に置いていた。

そして半年近くが経過した。


ジャムという猫は野菜と紙が大好きである。

先日もユズナさんに教えて貰った蘭子さんの電話番号を書いたメモは、ちょっと目を離したスキに食われてしまった。噛みちぎるだけでは飽きたらず、どうやら食っているようだ。破片を集めても復元出来なかったから。

壁掛けのカレンダーが10月を待たずにご臨終になった事は、以前にも報告したと思う。

洗濯物に飛びついて歯でぶら下がり、穴を開けた事もお話ししたと思う。しかし・・・

近、押入の中でガリガリと活躍しているヤツがいると思ったのだが、特別捜査官・こうちゃんが久し振りで扉を開けて視察したところ、箱は見る影もなく破壊され、中味は猫の毛だらけであるという報告を受ける。

仕方ない、洗濯をしよう!とひとつひとつを手に取ったところ、とんでもない事実が判明。丈夫な冬物の靴下も、目の詰んだ綿のトランクスも、大きな穴が幾つも開けられている。

一体誰が何の為にこんな事をしたのだろう?


証拠を残す為に、写真班が撮影していたところ、犯人と思しき黒い陰が忍び寄り(いや、駈け寄り)、その場で犯行を再現してくれた。

こんな凶暴な奴は見た事がない!

こいつは一体誰なんだ?と思ったら、犯人は「J」「A」「M」と3つのアルファベットをぶら下げているではないか。

そこで名探偵カズエちゃん登場。

その少し食べ過ぎの腹を叩きながら、鋭い口調で言い放った。
「私の長年の経験から推理するに、これは犯人自身の名前ではなかろうか?犯人はきっと『JAM』という名前に違いない。こんなのはね・・・初歩だよ、ワトソン君。はっはっは!」


しかしJAMという名前であろう犯人は、捕まえようとすると一声怒りの声を発して、脱兎の如く走り去った。


あれは一体、どこの猫だったのだろう?あんなにタチの悪い凶悪犯は見た事がない。

今もどこがで繰り返されているであろう犯罪の数々を飲み込んで、大都会ヨコハマ日吉の夜は静かに更けていく。

しかし我が家のプロファィルには、しっかりとこの犯人の手口が記録された事は言うまでもない。


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