貰われた子、捨てられた子
Nov.23,2001
この日に僕は
貰われたの・・・
この日にあたしは
捨てられたの・・・

かつて里親募集をお手伝いさせて戴いた方が、再び猫を保護した。その方は来春には中国に転勤が決まっており、現在の飼い猫を連れて行くだけでも精一杯である。それでも捨ててはおけず保護して、ネットでの里親募集の掲載依頼と共にご自分でも近所を駆け回って、翌日には立派に良い里親さんを探せたのだった。しかしそんな風に保護をした姿を見せたせいか、誰かがその日に別の仔猫を入れたダンボールをこの人の玄関前に置いて行ったのだった。この時のこの方の胸中は、察するに余りある。

とても悩んで、しかし手を差し伸べずにいる事は余計に辛くて、結局仔猫を保護してくれたのだが、時間の猶予は余りない。しかしとても愛嬌のある、甘えん坊の可愛い女の子だ。野良猫の子ではなさそうだから、とても外では生き延びられないだろう。しかし必ずや良いご縁を呼べると信じている。こんなに一生懸命な人こそが、最後は笑って仔猫を保護した幸せを噛みしめて欲しいし、その為のお手伝いをしたいと思う。是非、この子にお家を与えてあげて下さい。詳細は里親募集のコーナー(募集 No.258)をご覧下さい。

   

一昨日に知った末期ガンのサビ猫の話・・・赤いチャンチャンコを着せられて山奥でうずくまっていたサビ猫は、顔に霜が降りて凍っておりチャンチャンコも凍りかけていたという。既にあちこちに転移したガンは手の施しようがないばかりか、腫瘍が破裂してかなり異臭を放っているらしい。保護してくれた人は最後まで看取ってあげたいと強く願い、家に置く事を反対するご両親を説得しようと頑張っているようだ。また、大阪の友達がこの猫を引き取る事も考えていると言う。

しかしどうしてもどこにも居場所がなかったら、うちで引き取ろうと思う。前述の仔猫の場合は、申し訳ないがとても引き取れない。仔猫は遊びが大切だし、先住の5匹の猫たちと隔離して飼う事は不可能だ。だからと言って、今のアインの傍に新たに仔猫を加える事は命取りになりかねない。隔離して飼える子でなければ、我が家には迎えてあげられないという皮肉。しかし幸いな事に、この私が今までよりは猫たちの為に時間を使えるのだ。

舅の介護からはもはや逃げ出せないし、どう考えても勤めは辞めざるを得ないだろう。だったら家の猫たちとも過ごし、且つ病気の猫の世話もしてあげられる。偽善者と笑わば笑え。蘭子さんは見た事もない猫たちの為に、一瞬の迷いもなく神戸に駆けつけてくれた。かあたんは決然とチャト君を8匹目の子供にした。うちは狭い狭いと言ってはいるが、年寄りの居住スペースである1階部分は広いのだ。

猫嫌いの舅がやっと自由に歩き回れなくなった事で、保護猫の為に1室くらい提供して貰っても構わないだろう。ここまで犠牲を払って寝たきりの介護にあたるのだから、それ位はさせて戴くわよ。かなり臭いらしいが、どうせ舅のウンコだって臭いじゃん!そろそろ少しくらい私達の自由にもさせて貰うぞ。反対なんかさせない。しかし引き取らせて貰えるかどうかは、まだ判らない。如何せん鳥取と横浜では遠すぎるから・・・。

そして保護している方も、最後まで何とか幸せに看取ってあげたいと強く望んでくださっているらしいのだ。間に入ってくれたあけみさんも、大阪のお友達であるジャム子さん(何という名前!ご縁を感じてしまったのも無理からぬ事だよね)も、大変にお骨折り下さった。かあたんも口添えしてくれて、もし保護者の方の決断がついて搬送が可能となれば、私が精一杯の世話をするつもりだ。チャンチャンコを着せられて・・・という叙情的な風景を想像して、涙していた方も多いだろう。私も同様だ。放っておくよりも手を差し伸べた方がどれだけ気が楽だろう・・・そう思ってこうちゃんに話すと、そうしてあげなよ!と言うし、実は別の方からも引き受けますとメールを戴いた。しろババなど、早速支援金を送ってくれたと言う。人間、まだまだ捨てたモノじゃないよね。

この末期ガンのサビ猫は「ニャムちゃん」と名付けられている。ニャムちゃんの幸せな余生を、どうか祈って下さい。私もどんな形であれ、最大限の支援をし続けたいと願っています。

もう1件、新聞を見た方からお便りでの里親募集依頼があったのだが、明日伺おうとしていた矢先、こちらはご自分の家の子とする事を決心して下さった。交通事故に遭い、3日間もじっと隠れていたのをやっと保護して、骨折や怪我も治したものの、目が見えなくなっていた1歳半の男の子だ。名前をチャト君という。偶然、かあたんの新しい子供と同じ名前だった。同じ横浜なので伺って写真を撮って来ようと予定していたのだが、明日の時間を打ち合わせようと電話したら、その際に打ち明けられた。嬉しい番狂わせだ。実家の母と同い年のその女性は、とても謙虚で品の良い方だった。今度は『ペット自慢』に写真を送って下さる約束だ。

また仙台の桃太郎ちゃんのお母さんからは、時折楽しい写真付きのハガキを戴いている。今日は素敵なプレゼントまでいただいたので、思い切ってお電話差し上げてみた。この人は鶴母・斎藤さんの実家のお母さんで、私と3つしか違わないお母さんである。子供を持たない私はずっと幼稚だと思った。我が家の5匹を始め、ハナクソやミチコちゃん、怜ちゃんの事も良く知っていて下さる。嬉しい。

こんな風に、悲喜こもごもの日々が続く。我が家の猫たちのお話は、また明日。


inserted by FC2 system