ジャム
半黒猫
Feb.7,2002

昨夜私が寝る時には布団にはジーコが入って来ていたのだが、布団の上の足元にいたミュウが意を決したように委細構わずズンズンと顔の近くに上って来た。あっ!ジーコをつぶしてしまうではないか!ジャムも誰かが布団に入っていると、布団が盛り上がっているので面白がって飛びかかるのだが、そんな時にはジーコはそそくさと逃げ出してしまう。重量級のミュウではひとたまりもない・・・と思ったら、意外や平気でそのまま敷かれている。毛布をめくって顔だけ出してやると、きょとんとした顔がミュウの顔のすぐ隣に並んだ。私が身体を退いて、ミュウをジーコとの間に落としてやる。これで布団の上と下ではあるが、二人が並んで腕枕出来た。但し、私は布団からはみ出している。

毎朝起きた時には、誰がどこにいるのか確認するのが常であるのだが、大抵はミュウが私の右脇で添い寝していて、ジーコとゴマとアインが私の左側に縦に並べた3枚のふかふかマットにそれぞれ1匹ずつ寝ている。ジャムだけは、こうちゃんの枕の横の自分専用枕に乗って寝ている事が多い。希にミュウがこうちゃんの足元にいて、ジャムが私の左脇にいたりする。ともあれ、これを見渡すのが起きた瞬間の楽しみになっている。5匹とも全員が私の周囲に寝ていて、私がガリバーのように張り付けになっている日など最高に幸せだ。起きるのも勿体ない。カーテン越しに差し込む朝陽の中で猫たちといつまでも寝ていられるならば、これ以上の幸せはないと断言出来る。

義姉が来て、初七日を家族だけで迎える。既に法要はしてあるが、こうちゃんがお経を上げてくれたのでみんな神妙に聴いた。こうちゃんは練習の為(?)か、昨夜は朝方までお経を読んでいたようだ。意味は全然判らないけれど、しみじみとする良いお経だった。義姉はちょっと涙ぐんでいた。舅もきっと嬉しかっただろうと思う。兎に角、舅はこうちゃんに何かして貰うのが好きだったから。私も出掛ける前には「留守中、お義母さまをお願いしますね。」と言っては線香をあげ、帰宅したら「**に行って来ましたよ。」と線香をあげる。今までこういう風に自然に対話出来ない月日が続いていたが、お骨になってからやっと色んな話が出来るようになった。それは残念な事でもあるだろうけど、兎に角生きている間は、舅は目に見えない業のようなものに縛られていたのかも知れないと思わざるを得ない日々だった。亡くなった直後よりも3日後の告別式頃の顔はずっと穏やかに変化して行ったのだが、毎晩こうちゃんにお経をあげて貰ううちに生まれて来た時の無垢な状態に戻れたのかも知れないな・・・。少なくとも、私はそう信じている。

私が死んだ時も、こうちゃんはお経をあげてくれるだろう。カトリックだろうが日蓮宗だろうが関係ない。死者の魂を送る気持ちに差はないはずだ。でも、その頃にはこうちゃん・・・すっかり惚けちゃっていたりして・・・。


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