ミルちゃん

安らかに

Apr.17,2002

私が静岡の公地区の野良猫SOSを立ち上げて、可能な限りの形で関わっている事は既にご承知の事と思う。最初は行政によって捕獲されて処分されているのではないかという疑惑が発端だった。その事自体を調査して追求する目的ではなく、どうしたら市民と行政が手を取り合って野良猫の問題を減らせるか、悲惨な状態の野良猫を救えるか、捨て猫をなくして行けるか・・・そういった取り組みへの足掛りとにしたいと願って始めたものだ。

そこには愛護団体は関与しておらず、中心となって動いている「こま」さんに賛同して集まってくれた、保護活動の経験のない有志が数人で、必死に地域猫活動を模索している。時間にも人員にも限りがある上、もともと資金のない状態で始めた事だけに、個人にかかる負担は大きい。

しかもその場所は野良猫が棲息するには過酷な環境で、いずれの猫も状態が悪い。活動報告(昨日現在、第6回までを更新済)をご覧頂くとお判りになるだろうが、栄養状態・健康状態ともに悪く、病気で命を落とす猫が相次いでいる。私は鶴見でエサやり始めて6年以上経つが、病気の仔猫は別として、大人猫が病気や飢餓で行き倒れているのを見た事がない。どこで死んでいるのだろう?といつも不思議に思うのだが、交通事故死した遺骸の他は見た事がないのだ。猥雑で汚い町だけれど、野良猫にとっては逃げ場所も隠れ場所も多くて住みやすい町なのだろうか?

静岡での取り組みでは丁寧に1匹ずつに心を砕いているので、当然の事ながらボランティアの人たちの疲労が心身ともに増しているのが心配だ。昨日も、前日に保護した瀕死の白黒猫「ミル」ちゃんが、収容先の病院で息をひきとった。ゴミとして処分されるのでは余りにも可哀想だからと、きちんと火葬の手配をしている。

杏ちゃん・ラテちゃんを保護・避妊して検査したら白血病キャリアと判明してショックを受け、その子たちが里子に行ける事になって感激して喜び、翌日にはガリちゃんが脱走して心配して捜索し、翌日には保護出来て一安心したら、今度は死にかけているミルちゃんの保護である。気持ちの休まる暇がない。それもそのはず・・・あの場所には、大体60匹もの野良猫(捨て猫とその子供)がいると言う。数人のボランティアでは、とても手が回らないだろう。

全国どこにでもある問題なのだが、たまたま静岡のこまさんと心を通わせる事があり、遠く横浜に住む私もご当地のこまさんも仕方なく巻き込まれた形で始めてしまった事なのだけれど、自分の足元を見つめ直すきっかけにもなるし、普通の奥さんが家庭や家族を大切にしながら取り組んでいる姿に、どうして支援しないでいられようか。

ってな訳で、生来のお節介も手伝い、敢て私ごときが静岡の問題に関わっているという訳だ。もちろん、足を運んで手伝えないという弱みはあるものの、広報係ならば何とか出来る。それに何よりも、余所の地域の問題として無視する事は出来ないと思っている。かつて横浜都築区での野良猫駆除問題が起きた時、同じ横浜市内とは言え栄区のみきこちゃんと港北区の私とで「せめて糞掃除にでも行こうか?」と、一面識もないうちから相談し、待ち合わせ日時まで決めたのだった。直前になって問題の地区の住民の方からご辞退があったのだが、彼女との信頼関係はそこに起源がある。

私達は、多分お節介でおっちょこちょいのバカなのだろう。でも、自分には弱いものの為に何が出来るか?という事は、常に考えて役割を果たしたいと願っている事だけは確かだ。対象は猫だけではない。障害者だろうとホームレスだろうと被災者だろうと一緒なのだ。私達だって、いつ被災者となるかは判らないし、いつなんどき障害を持つかも知れない。その時に助けて欲しいが為ではない。みんな同じなんだ・・・という事だ。我が家も明日からの雨か大地震で崩壊したら、あっと言う間にホームレスだけど。(命だけは助かりますように!)

昨日、いくつかの用事で都会に行って来た事は既に昨日話した。東京都に入るまでは僅か数キロしかないのに、今の私にとってはひどく遠い場所なのだ。その時の恰好なのだが、私もこうちゃんも偶然同じようなデニム地のシャツを着ていた。ペアルックではない。数少ない選択肢(2〜3しかないのだ、自慢ではないが)の中から、偶然申し合わせたように同じようなものになっただけの事だ。

こうちゃんはスタイルが良いので、きちんとスーツを着たら侍従長だと言っても怪しまれないような品の良さであるが、私はきちんとした服装が大嫌いである。実は都心のオフィス勤めの時から、私の服装にはかなり問題が多かった。毎日スーツを着ていたのは、こうちゃんと出会った職場が唯一だった程、あとは柔らかい恰好しかしたくないのだ。

その理由は、自分で洗濯機でガラガラと洗えてアイロンが必要でない衣類しか着たくないというのが最大のものだが、他にも肩の凝らない素材であって欲しいし、化粧しないと似合わない服装も嫌だし、化粧をしたら化粧落としが面倒だし・・・とだんだん無精がバレるので程々にするが、そもそもがボヘミアン気質なのだと思う。

ともあれ、今は二人ともラフを極めている。しかしテレサ・ちんは心優しいお姉さまなので、我々を称して「アメリカンの夫婦みたいだったわよ」とメールで評していた。どう受け止めるべきか?アメリカンとひとくちに言っても色々とある。クェーカー教徒のように質素だったのかも知れないし、居留地を離れたばかりのアメリカン・インディアンのようなのかも知れない。少なくとも「ワスプ(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」のようだと言ったのではないだろう。何と言っても、ワスプの特徴は金髪碧眼の白人である。

そうか、アメリカンのコーヒー豆のように焙煎が薄い、つまり存在感が薄いって事か?とツッコミを入れたら、流石人をそらさない有能美人秘書のテレサ様からは、こんなお褒めの言葉を頂戴している。
  こらこら、いったいあなたがたのどこが存在感うすいんだ(笑)
  ずーずーしーにも(?)ほどがある。
  アメリカンなふーふ、といったのは、カジュアルウェアが身についてて、
  ふーふで楽しそうで、なまじおしゃれした日本人のコムスメやおっさんおばさん連中より
  ずっとオーラがでてていいよ、ってことだよ。
そうか・・・貧乏暮らしもしっかりと板について、なかなか威風堂々としていたという事だな。よし、今度も超ラフな恰好で気楽に行って来よう。それにしてもテレサ様は優しい。探せば誰にでも、何かしら誉めるところがあるという好例であり、こういう気遣いが出来るという事自体も「有能」と呼ばれる(誰が呼んでいるのかは不明)所以であろう。

ついでに昨日は髪がボサボサであまりにひどい!と、これはエレベーターの中の鏡に映った自分を見て流石のボヘミアンも「あんまりだ!」と感じたので、帰って来るなりゴムでキリキリと結わえた。短くした時に段を付けてカットしてしまったものだから、後ろ1本に引っ詰めようとすると「おくれ毛」と呼べない程にほつれてくるのが嫌で、思い余って両耳の脇に2本で結わえてみた。これが小学生のようでとっても可愛い。皆さんにお見せ出来ないのが誠に残念だ。ああ、残念だ。

さて今日掲載した里親募集の「ユキちゃん」だが、可愛がって育てていた事がひしひしと伝わり、且つよんどころなく手放さざるを得ない事情を酌んで、募集のお手伝いを本腰を入れてさせて頂く事にした。是非、見てあげて欲しい。オッドアイの白い女の子だ。タイミングさえ違っていたら明美さんの家に行っていたのはこの子だったかも知れないが、練ちゃんが幸せになれたのは嬉しいし、タイミングとはこういうものだと思う・・・。ユキちゃん、頑張ろうね!
ジャムの独り言

パパは凄く真面目。締め切りが気になるらしくて一日中お仕事していて、ジャムは何をどうお手伝いしようかと悩んじゃう。いつもはノートPCのフタに寄りかかって寝ているんだけど、時々「これではいけない」と思ってお手伝いを始めるの。

でもパパは、「駄目だ、ジャム、来るな!」と大慌てするの。どうしてかしら?ジャムは何でも出来るんだよ。ホンヤクだか何だか知らないけど、多分ジャムにでも出来ると思うよ。

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