アイン

ちっちゃ猫

Apr.22,2002

ジャムも態度が『でか猫』として登記した。憎たらしい顔の1枚だけで、如何に威張っているかが一目瞭然だから。しかし我が家では、2匹止まりであろう。態度も小さく体重も軽いジーコ、傍若無人(猫?)だが極めて軽いアイン、体重も軽く慎ましやかなゴマ・・・3匹は永久に入れない。別の企画を考えててあげようね、いつか。

部屋が狭いと障害物が多くなり、気を付けていても時々ぶつかる。今日は、出しっ放しにしてあったガスファンヒーターに足の小指をぶつけた。しかも外側に思い切り開く感じで、ファンヒーターを小指だけで蹴り過ごしたらしい。いつまでも痛みがひかず、捻挫に近い状態となった。足の甲が腫れてきてズキンズキンと脈打っている。弱り目に祟り目だ。ただでさえあちこちの関節が痛いのに。そんな訳で、さっきまで足を高くして冷やしていた。

今日、仙台のミッちゃんからお便りとカンパが届いた。お便りには、この夏スタジオジブリが公開する『猫の恩返し』というアニメについての切り抜きと、埼玉の『トトロの森』のナショナル・トラスト運動についての4月19日の朝日新聞の切り抜きが同封されていた。

ご存知スタジオジブリは、『となりのトトロ』を監督した宮崎駿の作品を中心に、 劇場用アニメーション映画の制作をしてきたスタジオである。『となりのトトロ』は、子供達だけでなくその親の世代にもファンが多かった。その映画の舞台となった埼玉の狭山丘陵を、「豊かな雑木林を守ろう」という提唱のもとに『トトロのふるさと基金』なるものが作られ、今では財団法人となって機能しているらしい。

これまでに4箇所の土地を買い上げ、丘陵の自然や文化財の保護、古い民家の復元などが成されている。子供達にも環境保全を担う次の世代として、人里に近い「里山」の素晴らしさを伝えると共に「環境教育」をしていきたい意向らしい。溜め池を生き返らせ、カエルやドジョウ、ホタルが戻って来る事を期待し、喜んでいる様子が伝えられていた。

この財団の基になった『トトロのふるさと基金』は、宮崎駿の賛同も得てこうした名称となったという。マンガに登場する心優しい化け物(?)「トトロ」のふるさとである事を誇りに思い、全国に向かって埼玉の良さをアピール出来るとも考えただろう。それはそれで誠に結構だと思う。無意味な開発や無用で莫大な費用のかかる箱物だけ作るような村おこしよりは、自然保護に金や人の心が動くのは素晴らしい事だと思う。

しかし待てよ・・・トトロの森・・・処分されそうになっていたのを保護した4匹の親子猫たちは、トトロの森から追い出されたのだったっけなあ。近隣の家でエサやりしていたくせに、ある時から放っておかれて飢餓状態になっていたところを、ゴマの娘キジ子の里親である裕美子さんが毎日エサやりに通い、公園管理人との交渉もしてくれたけれど、保健所に引き渡すと言って譲らない相手を遂に説得出来ず、家に連れ帰ったという経緯だった。

自然保護と次世代への自然教育の傍らで、捨てられて野良となった猫たちの命を軽んじる『トトロのふるさと』なのか。随分とお体裁重視なのだな。雑木林やホタルの住める池づくりは、過疎地の美術館や立派な建物の代りでしかないのだ。箱物を作る代りに、見栄えの良い雑木林を作っている訳か?

野良猫を自然の営みの一環と考えるかどうかについては、私も異議がある。沖縄のやんばる地区の「ノネコ」の問題とも共通する問題だと思うが、人間の捨てた猫が自然の生態系を破壊している事も否めない。しかし、野良猫という存在は放って置いても野山や町中の野良猫の害を減らせるものではないし、害を受ける側から見て邪魔だからと言って処分して行けば良いものだとは言えない。

やんばる地区では、今後捕獲したノネコは4日間待って引き取り手がないものに関しては殺処分が決まったようだ。(詳細は以下をご参照下さい。http://www.asahi.com/national/update/0418/007.html)今までに捕獲されたものは、全て引き取り手が決まったという内容だが、それは捕殺に率先して反対していた動物愛護団体ケルビムが引き取ったものと思われる。

猫はたとえ野良状態であれ鳥やネズミを捕食するよりはきちんと食べやすいエサを好むと思うが、ハンティングの本能がある事も確かだ。食べる目的でなくてもハンティングをする事は、愛する可愛い家猫を見ていても知っている飼い主が多い。しかし充分なエサと避妊の促進があれば、問題はかなり軽減されるはずだ。

一番悪いのは、家猫を避妊させないまま外に出す飼い主たちであり、避妊していない飼い猫を捨てる人間たちである。私達が幾ら捕獲・避妊を続けても、捨てられる猫たちの数の方が遙かに多く、到底追いつかない事は実感している。

『トトロ』の切り抜きを送ってくれたミッちゃんは、たった一人でこの春だけで10匹の捕獲と避妊をした。決して筋金入りの愛護活動家などではない。普通の奥さんであり、母親である。そして『トトロの森』から保護された4匹のうち2匹は里親さんがみつかり、残った2匹(母猫の「ブーちゃん」と息子の「たぬき」)は、保護してくれた裕美子さんの家の子となっている。キジ子がお嫁に行った時には先住猫が2匹いるだけの家であったが、今では次々と保護猫を引き取り7匹の大所帯だ。病気の犬も怪我をして自然に戻れないヒヨドリもいる。

個人の力は小さい。しかし『トトロの森』を作った力は、募金から始まったナショナル・トラストである。力を合わせれば、行政の力を待たずとも大きな事も出来るのだ。何かを成そうとしたら、そしてその為に人の力を必要とするならば、地道に人の心に訴え続ける事が大切だ。

不幸な犬・猫(いずれもペットであるべき愛護動物だ)をこれ以上増やさない為にも、飼い主は「捨てない」「飼えないならば産ませない」という事を自らの責任として徹底して頂きたい。自家繁殖に関しては、お家のない猫の存在を知ってしまった後は、簡単には出来ないものだと思っている。

ジーコは我が家で産ませた猫だ。12年前、もともと子供を産ませる為にミュウに嫁を貰った。当時の私は、野良猫の存在など考えた事すらなかった。家にいる時間の長くとれる仕事だったので、そして持ち家としてのマンションに移ったので、「猫でも」飼おうか・・・という程度の軽い気持ちだった。数年は単に「うちの猫は特別に可愛い」という程度の親バカであった。偏食な猫たちの残りエサを大量に捨てるのが忍びなくて、野良猫にあげようか?という程度のスタートだった。

しかし年月と共に、色んなエサやりさんたちとの交流やゴマたちを保護した事から、少しずつ今に至っているのであって、一足飛びにこうなった訳ではない。だから猫になど関心のない人達がする事も、野良猫にも命と幸せに生きる権利があるという事を容認するまでには長い道のりが必要だという事も理解出来るつもりだ。しかし理解は出来ても、成長のない精神や思いやりのない人間・自分の都合しか考えない人間は嫌いである。

友人が白猫のユキちゃんを引き取ってくれる事になり、27日に空輸で東京に着く事に決まった。元親さんは、大事な娘を託す相手に会ったり、お家を確認する程には熱意がないらしいが、私が仲介に入って里親さんを保証したせいかも知れない。しかし本当は新幹線で一緒に来て欲しかった。3年間も可愛がって育てて来た「我が子」だろう。

しかし早く新しい生活を始めて、新しい環境に慣れる事が最優先だ。気の弱い先住猫もいる事だし、2匹の猫が幸せになれれば、細かい事はどうでも良いや。当日のお迎えは当の里親である友人と、車(ベンツらしい・・・)での運搬をして下さる友人の同僚の方とでして頂ける事になった。仕事を持っている女性なので、そのあたりの采配は流石である。私も行きたかったが、こうちゃんの仕事が大分遅れている(猫の事で外出が多過ぎたよな・・・)のと、工事が遅れて入ったのとで身動きがとれそうにない。ユキちゃんに会いたかった。が、近くに来るのだから、また遠からず会えるだろう。

さて、夜が明ける。軽いものでも作って食べよう。こうちゃんはまだ仕事をしている。最近の夜食は、鍋焼きウドンからフレンチ・トーストに変わった。シナモンシュガーを振りかけて、熱いミルクティーと頂こう。その後は、里親募集の更新と色々メールの返信が残っている。楽しいなあ!
ジーコの独り言

僕、びっくりしたよ。どこんちの子も大きいんだもの。しかも女の子なのに、みんな5キロ以上あるじゃない。そして態度もデカいらしいよ。

みきこおばさんちの小さかったトム君だって、お腹ポッコリ態度もでか猫・・・どうして僕は弱虫でスリムなの?

僕・・・怖いなあ。誰か僕を守ってね。(テレサおばちゃん位に強ければ、世の中に怖いものはないんだろうなあ・・・いいなあ、僕も強くなりたかったよ。)

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