ジャム

何を
憂える

Aug.4,2002

昨夜は、寝ようとするとベッドの上に5匹が勢揃いしていた。アインが私を腕枕にし、その間にジーコが不自然な体勢で入り込む。ミュウは仕方なく膝頭のあたりで横になり、ゴマは足元の猫枕の上。そしてマルコが猫たちの尻尾を狙って傍若無人に輪の中に乱入した。ジャムだけがいない。

ジャムはTVの上だ。名前を呼べばこちらを向くし、傍に行けば鳴いて甘える。しかしなかなかマルコの傍には来ない。いざ遊び始めたら結構遊んでくれるのもジャムなのだが、きっと胸中は複雑なものがあるのだろうと推察する。一人舞台だったこれまでと違い、主役が増えてしまったのだ。自分より小さくて無防備で無邪気な存在は、無条件で恐いのだろう。ジャムもアインだったのだ。

しかしアインも、今日はマルコの頭を舐めてやっていた。大快挙である。しかしこれには裏があり、アインがジーコの頭を無我夢中で舐めているところに、マルコが噛まないようにしっかりと手で拘束しつつ持っていたら、ふと気付いたアインがマルコを舐めてやったというだけの話である。マルコはしばしうっとりしていたが、どうしても自分から飛びついて噛んだり猫キックしたいらしい。勿論、そんな事をアインが受容するはずがない。ジーコもアインも、どこかへ行ってしまった。

そしてジャムは赤ちゃん返りしてしまったらしく、ムートンをくわえてチュパチュパしながら前足で踏み踏みし、そのまま眠ろうとしている。一度もお母さんのおっぱいを吸った事のないジャム・・・こういう姿を見ると、不憫で愛しくて仕方ない。マルコが来たって、ジャムが大切で可愛いことに何も変わりはないんだよ。ジャムは世界一可愛いよ・・・と言って聞かせる。(どの子にも「世界一可愛いよ」と言っているのだが、それはうちの猫たちには内緒にしておいて欲しい。)

今日は、寅さん・・いや俳優渥美清の7回忌だという。そのニュースを伝えるTV画面に寅さんシリーズの監督山田洋次が出ていたが、あれまあ、マオカラーの上着を着ていた。マオカラーだよ・・・料理学院の服部氏だとか、作詞家(?)秋元康だとか、太った名士が着る(かのように思える)マオカラー。マオカラーを選ぶ男性の心境って、一体どういうものなのだろう?ネクタイを締めないでも礼装っぽく見えるのを狙っているのだろうか?シャツやネクタイのコーディネイトを考えずに済むから楽チンなのだろうか?人とは違うセンスを見せたいのだろうか?私はスクエアな感じのスーツにネクタイ姿が好きなものだから、もしも人と違うセンを狙っているとしたら、男性がこういうこだわり方を見せるとちょっと気持ち悪く感じる。性差別と言われるかも知れないのだが、男性の場合はあくまでもフォーマルの場ではストイックな形と限られたアイドリングの中でお洒落して見せて欲しい。ベッカムですら(あら失礼・・・)ちゃんとネクタイ締めてスーツ着て帰国したじゃん。ワイシャツのカラーの形はすごーく変で似合ってはいなかったけど。

今日、エサやりのついでにラーメンを食べた。いつも混雑していて、一発では座れない。外のベンチで待っていると、我々の後にも若いカップルが自転車で乗りつけた。男の子の方は30前位で、普通のいまどきの若者だった。女性の方は水戸泉をもう少し恐くしたような顔の肥満体なのだが、声が高く喋り方が物凄く甘ったれている。銀縁のメガネの奥の目は釣り上がっていて鋭く、ふてぶてしい態度といい体型といい50歳代のオバチャンのようにも見えるが、話の内容から考えるとあるいは20代前半なのかも知れない。

アンバランスなところのある女性というのは、時にひどく魅力的なものだ。童顔に似合わない熟れた身体だとか(昔の秋吉久美子みたいに)、可愛い顔でちょっと足が短いとか(デビューしたての松田聖子みたいに)、こういうアンバランスはきっと男には堪らないものかも知れないと冷静に思うけれど、水戸泉の外見にぶりっ子というアンバランスは戴けない。もっと内容で勝負する事を自分に課してはどうか?

彼女はこうちゃんの隣の席に座り、トッピングを「岩のりダブル」で注文した後「もし子供が出来て、(その子が)海苔嫌いだったら殺しちゃう〜!」と言っていた。もちろん海苔が大好きだという事を言いたいだけの軽いジョークなのだが、あの身体と顔でこういう事をジョークにしてはいけない。たとえ頭が物凄く悪くても「可愛い」としか言えないような女の子にしか許されない(別に許しはしないが)バカタレ発言なのに、林真須美よりも遥かに恐い顔で「結婚した相手が、飲んで夜中になんか帰って来たら、もう刺しちゃう!」とまで言われては、心底恐い。

その日、店内にはプレスリーの曲ばかりを流すチャンネルらしい有線放送が流れていた。私たちがさっさと食べて勘定をしていると、ちょうどその時エルビスは♪イヤイヤヨー♪と歌っていた。『マクドナルド爺さん』とか『愉快な牧場』とか言うアメリカの童謡謡である。元々はマザーグースの歌か何かだと思うのだが、歌詞は Old Mcdonald had a farm E-I-E-I-O というものだ。日本人も比較的良く知っている童謡だと思う。しかし水戸泉嬢は知らなかった。「やっだ〜ん、いやいやよ〜なんて言ってる〜!」と体型にも迫力のある顔にも似合わないキンキン声で叫んだ。店内はサラリーマン風の男性ばかりだ。みんな黙ってラーメンをすすっている。私たちは黙って支払いを済ませて店を出た。

店を出て見上げると、こうちゃんの片眉が吊り上っていた。こうちゃんは私よりも遥かにカマトトの若い女が嫌いなのだが、ラーメンを食べる間中かなり我慢をしていたらしい。「あの男、よくあんな変な女と付き合っているな」と言うので、「こうちゃんも誰かにそう言われているかも知れないよ」と言っておいた。

さて、先日お話した広島の母猫は、昨日無事にSUNちゃんのママが迎えに行って下さった。しかも仔猫の方は午前中に里親さん一家が迎えに来て、保護者宅の猫たちはこれで全ていなくなったという事になる。里親さんのお宅をきちんと見に行ったのかとか、避妊や完全室内飼いを条件にして貰えたのか等はまだ確認出来てはいないのだが、せめてこれからでもそういうフォローをして欲しいとは思う。大変難しい要求ではあるのだろうが・・・一応それに関してはメールしておいた。

あとは、母猫の里親募集を頑張るだけだ。時間はかかるかも知れないが、今でもストレスで毛をむしっているらしいSUNちゃんにこれ以上のストレスを与えてはいけない。一日も早く、理解ある里親さんを見つけたい。SUNママが写真を送ってくれたら、改めて掲載したいと思う。宜しくお願い致します。

里親募集の依頼も、今日の午後までに6件届いている。今夜は如何なるエクスキューズもなしに、更新だけは頑張ろう。

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