チビッコ

Aug.31,2002

一昨日の「玉男」の後日談。

昨日、みょーこ姉ちゃんがエサやりしていた時、玉男が元気に歩いていた。「玉男!」と呼ぶと振り返ったと言う。元気だった時には触らせもしなかった猫だったけれど、虫の息だった玉男を抱いて運んで草むらに隠したというのに、あれは自分の判断違いだったのかと1日悩んだらしい。その場所は夜には真っ暗闇になる場所なので、昨夜は恐くて確認出来なかったけれど、今朝のエサやりの時に玉男を隠した場所を確認したら、玉男の死体は置いた時のそのままの形であったと言う。玉男は、やっぱり死んでいたのだ。

では昨日見かけた玉男は何なのだという事になるが、これは間違いなく玉男の幽霊だと思う。死に際に会えなかったから、お別れに出て来たのだろう。言っておくが、たとえ50匹いようが、個体識別が出来ないみょーこ姉ちゃんではない。一人一人に名前を付けて、その日の体調まで全て把握しているのだ。何度も会ったことのない私ですら、半数以上はきちんと名前と個体を識別出来る。同じ黒猫だって、茶トラだって、みんな顔も体型も性格も違うのだから。

死んでいるのを確認したので、後で埋めてやると言っていた。土の中の微生物が、玉男を少しずつ分解してくれるだろう。そして植物や虫や微生物の栄養となり、それらがまた別の生き物の食物連鎖の中に取り込まれ、こうして命の鎖は繋がっていくのだろう。

私も猫の幽霊は見た事がある。姿を見ただけでなく、足音も聞いた。アインの娘ブロッサムが死んだ時、ブロッサムはアインの元に帰って来た。里親先で仔猫のまま死んだプロッサムだったけれど、きっと寂しかったのだろう。私の脇をパタパタパタ・・・と走り抜け、眠っていたアインの方へと駆けて行った。その時点では、実はまだブロッサムが死んだ事は知らなかったのだが、その直前にアインが廊下でさんざん鳴いてウロウロしていた。まるで離された自分の仔猫を探しているかのようだと感じた直後の事だった。アインの仔猫たちは全員そっくりで、今写真を見ても見分けがつかない。ブロッサムも手元に置けば良かったのかも知れない。過去は後悔に満ちている。

さて、今日は長い間入院させていたサビ猫としこの退院の日だった。子宮蓄膿症の治療はすっかり完了して、元気そのもの。感染症も全て陰性、おまけに獣医さんに可愛がって貰っていたお陰で、すっかり甘ったれになっていた。昼前にみょーこ姉ちゃんも連れて迎えに行き、そのまま一時預かりのお宅へと向かう。もう仔猫ではないとしこに里親さんを見つけるのは大変難しいと解っているのだが、この子は一時預かりを引き受けて下さったリエさんのご好意に甘えてでも、敢えて家猫にしてあげたい子なのだ。

それが何故なのかは上手く言えないのだが、としこがそう望んでいるような気がして仕方ない。我が家に置く事も随分と考えた。しかしアインやゴマたちとの同居は、今のスペースだけではとても無理だ。もう私達夫婦の寝場所も充分確保出来ない位に猫密度が高くなってしまった。リエさんが快く引き受けてくれたものだから、みょーこ姉ちゃんも私も、身が縮む思いで人に甘える事にした。全く面倒臭い性格だと思うが、自分の家に置けない子を預かって貰う事への抵抗感がなかなか拭えない。リエさん、本当に申し訳ない!

今日も陽射しが暑んった。車の中に差し込む陽射しでジリジリと炙られてしまう。地図をよく見ておいたので、初めての場所でもそこそこ近くまで辿り付けた。車を降りて番地を辿っていると、道の向こうからリエさんが黒い日傘をさして歩いて来た。表札が判り難かったので、どうやら一旦通り過ぎてしまったようだ。リエさんの家は、予想よりも大きかった。女一人暮らしでカーポート付きの一戸建てを購入し、猫屋敷にする為の改築も万全にしてあるというこの甲斐性。天晴れとしか言いようがない。

としこは直ぐに隠れてしまったので写真はまた後日リエさんにお願いするしかないけれど、代わりにリエさんの保護猫チビッコを撮影して来た。まだ小さくてとても可愛い。連れて帰りたくなったけれど、それでは矛盾している。としこだって可愛いのだから。リエさんの家には既にサビ猫3匹の「桃・桜・梅」トリオと白黒長毛ハナクソ付きの「ウズマ」と最近保護してリエ家の猫と化した「縞々」に婆ちゃん保護猫「みいのすけ」がおり、一通り全員撮影する予定でいたのだが、チビッコの写真を撮り過ぎて、用意して行ったデジガメ2台ともが間もなく電池切れになってしまった。何たる不覚。

しかしチビッコがちびっ子のうちに、是非貰い手があれば良いと思う。抱っこ大好き(抱くとかなりリラックスしてくれる)、手触り抜群(チンチラのように柔らかい)、おメメの大きなかなり綺麗な仔猫だ。猫も大好き、人間も大好き。飼い易い猫だろうと思う。是非、あなたのお傍に!

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