アイン

ここまで進歩

Sep. 8,2002

捕獲器をお貸ししている人で、捕まえて手術したら母国タイに全員連れて帰る予定でいる人がいる事はいつぞやも書いたと思う。その人(以後サトウさんと呼ぶ)が今朝、紹介したボランティア獣医に捕獲出来た仔猫2匹を連れて来たので、私たちも馳せ参じた。先生にお願いしなければならない事もあり、またご本人とも会っておきたかったのだ。

母猫は一番先に捕獲出来たのだが、箱に移そうとして逃がしてしまったと言う。これは初心者にありがちで、そして捕獲器が1台しかなかった故に招いた失敗である。タイへと旅立つ日取りが決まっているだけに、残りの1匹の仔猫と母猫の捕獲は、引き続き頑張って貰いたい。家に残っていた最後の1台の捕獲器もお貸しする事にした。今日は、捕獲器のまま1匹の仔猫は預ける事になる。病院は物凄く混んでいて、ダンボール箱で連れて来たもう1匹を、うちから持って行ったスノコの引き出せるケージに移すだけで精一杯だった。

タイへ連れて行く時までは入院させて貰い、全員を避妊し狂犬病の予防接種と各種健康診断を済ませて貰う必要がある。しかし病院のケージは既に一杯だ。急遽、同型のケージを買い込んで、それで置いていただく事にした。サトウさん夫婦の車を先導して、ディスカウントのペットフード・グッズの店へと向かう。通常のケージでは世話がしにくいので、床部分のスノコが引き出せるタイプが必要だったが、陳列していない。店の人・・・先日マルコの為にケージを買った時に家まで届けてくれて、こうちゃんを「おとーさん」と呼んだ人・・・が、カタログを指し示すと在庫を確認してくれた。あった!但し、各サイズが゜1つずつしかない。とりあえずつ「小」と「中」を1個ずつ買う。

これは勝手ながら、《猫の手倶楽部》の備品として買わせて戴いた。サトウさんたちは、それは自分で買いますと言っていたけれど、これから色々と費用がたくさん掛かるし、空輸の為のコンテナは4匹全員を入れるようにと、かなり大きなものを買って貰う必要がありそうだ。そしてケージは、全員をタイへと連れて行った後は彼らには使い道がないのだ。だったらいっそ、私のところで保有しておき、バリバリの野良猫の保護をした時使っても良いだろうし、今回のようなどうしても家に置けないという事情の保護主さんが保護猫を預かって貰う為にも、病院に預けておいて貰っても良いと考えたのだ。

そして、サトウさんはとても若い。あとで年齢を訊いたら、ご主人が27歳だという。もっと若く見えた程だ。きっと大学で知り合ったのだろうね・・・と言っていたら、その通りであった。留学生として日本に来ていた奥さんと、同級生だったようだ。奥さんは、大変に知的な人だった。彫りの深い、綺麗な人だった。ご主人は大学生にしか見えないけれど、とても礼儀正しく笑顔が可愛い(男性に対して「可愛い」とは失礼だが、オバサンにかかればそうなってしまうのだよ、ごめんなさい)。

午前中の診療時間が終るまでに、このケージを持って戻らなければ・・・と焦ったが、ギリギリでセーフだったと思いきや、12時になっても患者がうじゃうじゃいる。院長先生か奥さん先生に「それではこのケージをお預けします」と言う暇すらなく、私達も待合室で延々と待つ。土日は混むとは思ったいたけれど、これほどとは・・・。先生は本当に大変だ。しかもボランティアで診る猫がとても多くて・・・。

今日連れ込んだ仔猫は生後半年は経っていると思うが、とても痩せていて下手をすると4ヶ月位にしか見えなかった。母猫は既にお腹が大きいと言う。狂犬病の予防注射は接種して15日経たないと国外には連れ出せないらしいので、逆算するとあと数日しか猶予がない。たとえタイには連れて行けなくても、捕獲して避妊までは絶対にして下さいとお願いする。ご夫婦ともに、それは必ず頑張りますと約束してくれた。昨夜は朝の5時まで頑張って捕獲したらしいし、今夜も頑張りますと意気込んでいた。奥さんは「失敗して学びました。今度は楽勝です。」と笑顔で言っていた。

決して近くから連れて来た訳ではないので、明日は空いた捕獲器を奥さんは一人で取りに来ると言う。今日は、何とレンタカーを借りて2匹連れて来たのだと判った。それには驚いたけれど、やる気のある人・人をあてにしない人は、ここまでやれるのだ。遅めの昼食を、4人で一緒にとる事にした。病院の隣にあるファミレスで食事をしながら、色々と話をする。タイの野生動物事情や、実家のお母さんがたくさんの動物を保護して飼ってくれている事なども聞き、日本の賃貸住宅事情や野良猫を忌み嫌う心の狭い人たちの事を話す。

タイと比べただけでも、日本という国の精神がいかに貧しいか・・・一見豊かになったようでいて、自分だけ・自分の家と家族だけ良ければ良いという心の貧しさも同時に培われただけなのではないか。先進国の中に混ぜて貰うには、あまりに公徳心も希薄だし、総じて弱いものへの思いやりが足りない。豊かであるというのがどういう事なのか、改めて考えながら話をした。豊かであるという事は、与える事が出来るかどうかだ。

心優しく責任感の強い若い国際結婚のカップルのお陰で、何とも気持ちの良い日曜日を過ごさせて戴いた。しかし今日も外は暑く、またもや陽に炙られてしまい、ちょっとダメージがあったかな?夕方ちょっと横になったら、マルコが脇に滑り込んで来て寝てしまい、後からドカドカとやって来たミュウは私の枕をベッドにしていたかと思ったら、寝返りを打ったらマルコの顔に乗っかってしまった。それでも起きないマルコ。そっとアインの寝ているところに置いてやると、アインがマルコの頭を舐めていた。凄い大進歩。実際、寝ているマルコは可愛いのだ。アインにもそれが解るらしい。

今日のにゃんこ

わたしは「なつめ」。夏の青空のような青い目をしているからと、仮の名前をつけてもらったの。でもおわかりのように、左の目がちょっと……ね。だけど、いちおう見えてはいるのよ。

短い尻尾と鼻の模様がチャームポイントなんですって。家族8匹、まとめて捨てられたんだけど、どっこい生きてるわ。

子育ても一段落。子供のうち1匹はもらわれていって、あとはわたしと、甘えん坊の息子「幸(こう)」と小さい娘「ちー」が心優しい里親さんを待ってます。

先週避妊手術も済ませました。誰か私をもらってください。

(わたしの事は、里親募集 No.503-1 で詳しく見てね )

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