マルコ

鼻ヒクヒク

Sep.25,2002

今年は例年に比べて、全ての季節が2ヶ月早く移り変わっているようだ。まだ9月だというのに、秋が深い。普通は秋のお彼岸で暑さが終るのだ。夜エサやりに行っていると、11月位の空気の匂いがする。そしてしっかりと肌寒い。野良猫のフードには、チーズを混ぜ始める。カワムラさんも、早く風邪を治して貰いたい。連続3日抗生物質入りのフードを食べて戴いたので、少しは効き目があっただろうと思いたい。エサに直ぐ食らいつくところをみると、鼻詰まりが軽減されて匂いが感じるようになっているのかも知れない。

しかしハナクソは食が細い。昨日も小さい85グラム缶の1/3位を、あたりに用心しながら(よりこの事も相当気にしている)嘗めるように食べただけ。シーバを「カリカリ・・・」と食べる音が聞こえたりすると、ハナクソの生きている生理現象を感じて嬉しい。塀の上から微動だにせずこちらを見ていただけの頃は、まるでハナクソの魂だけが会いに来てくれているかのようだったから。不思議な猫だ。どんなに長年エサをあげていても、他の猫たちとは違う。私たちエサやりの人間を素早く認識出来る賢さを持ちながらも、決して神秘性を失わない位によそよそしい。

最近、人気のない夜中に行っているので、心置きなく車も停めておけるし、距離をおいた何箇所かに分散して個別にご飯を与えられるし、食べ終わるまで待っていられる。それが一番嬉しい。今日はチャチビさんが行ってくれている日なのだが、今夜は会えないと思うと寂しい。だからやっぱり明け方には行って来よう。ハナちゃん、出て来てくれるかな・・・。かくの如く、エサやりは猫の為ではなく、自分自身の心の平安の為である事が多いのだ。そう思っていれば人を恨む事もアテにする事もないし、まず間違いない。だからこそ思いがけず与えられた人様のご厚意には、素直に喜べもするのだ。そういう訳で、チャチビさん、一番大変で大切で幸せでもあるのになかなか人のやりたがらないエサやりをお手伝い下さって、本当に有難うございます。

手伝いといえば、猫ばあばの派遣してくれたエビハラ青年は、お山のえさやりを週に一度欠かさず手伝ってくれている。みょーこ姉ちゃんは、エビハラ青年に置き手紙をしているそうだ。青年からは、姉ちゃんの留守番電話に毎回律儀な淡々として穏やかな報告が入る。彼の人柄は、すっかり私たちオバサンの心を捉えてしまった。命に貴賎はないのだが、デリカシーのある若者は心の狭い年寄り(高齢者という意味だけではない)と比べて、その存在意義は遥かに大きいと感じてしまう。ま、そう感じる事が「主観」というものだから仕方ないやね。

まだ正式にSOSを立ち上げていないのだが、先日ここで少し触れておいた長崎の大学生の年老いた保護猫は、下半身付随というハンディに加え、エイズキャリアと腎臓病が判明(10歳は越えているかも知れないというのも、里親探しする上ではハンディと言えばハンディだろうが・・・)。しかし本人(猫)は至って明るいおとなしい猫だそうで、治療と入院をお願いしていた獣医のワダ先生とも電話でじっくりお話しさせて戴いたのだが、敢えて危険を冒して避妊手術をせず、このまま様子を見ようという事になった。私は、野良に戻すとか外に出てしまう危険があるのであれば多少の危険を犯してでも避妊をしたいと思ったけれど、半身不随の猫が脱走出来る可能性は極めて小さいと思う。従って、健康状態の回復を待ち、様子を見守りたいと思っている。

先ずは私のお願いした第一関門・・・自分の親を説得して自宅で一時預かりをするという点は、きちんとクリアしてくれた。よほど嬉しかったらしくて、お母さんが折れてくれ「貴女の部屋じゃ狭いから、居間に置いて良い」と言って貰えた事を、先日泣きながら報告してくれた。良かったね。家族が心をひとつにせずに、どうして他人の心を動かせる?と私はいつも思う。彼女の素直で前向きな熱意が、先ずは最初ネックだと思っていた母親を協力者に出来たのだ。偉いぞ、美穂ちゃん。(またまたミホちゃんだよ・・・)

努力せずに何事も勝ち得る事はないのだと、大人の人たちにも言いたい。多少は揉めようと時間と労力が掛かろうと、家族で理解し合うための努力はして欲しい。死んだ舅のように精神が病んでいない限りは、話せば解る。いや、肉親なんだから解ってよ!と言うべきか。私がゴマ一家を保護して来た時も、実家の父親には電話で叱られた。ま、父にしてみれば娘が嫁入り先で迷惑を掛けて、その結果不幸な結末になったら可哀想だと思う老婆心からなのだろうが「道楽もいい加減にしなさい」と言われ、実の父親とは言えムカムカした。

叱られたって「はいはい」と聞くような娘では元々ないのだが、退職金を全部注ぎ込んで自宅に武道場を建てると言い出した時にママと妹が反対していたのを私が一人で応援してやった恩も忘れ、対象は違えど同じ「道楽」であり「好き」な事をしようとしている私をとやかく言うのは違うだろう。金も出して貰わない代わりに、口も一切出して欲しくないというのが、常に私の「子供」としての言い分だ(可愛くないのは承知である)。育てて貰った恩も父親の価値観を色濃く血と生き方で影響を与えられている恩も感じるが、もはやこの歳になって扶養家族でもないのに命令なんかさせないさ。何も自爆テロをしようって言うんじゃないのだから・・・。こうちゃんですら、私には「命令」なんかしないんだからね。

しかしこんな生意気な可愛げのない娘でも、親の養育下にある時はひたすら言う事を聞き(悔しい思いもしたけど)、言い分を聞いて貰う為には信頼を勝ち得る努力もしたのだ。何でも我が儘を通そうと思う程に、私はずるくはない。当たり前の事だけど。リスクを負わずに自分の要求だけ通そうとする人が歳に関係なく多いのは事実だから、敢えてきちんと自分のリスクを背負った上で要求をして行って欲しいと思う。

長崎の大学生・美穂ちゃんは、こうして素直に自分のリスクの下で初めての保護猫・・・それも極めて難しいケースの猫を手元に預かる事になった。写真が近日中に届いたら、早速SOSを立ち上げますので、是非応援してあげて下さい。自宅で世話をする為のケージは私が注文しておいたので、週末には彼女の元に届くだろう。トイレも砂もキャリーもフードも買っておくように言った。治療費・入院費として、《猫の手倶楽部》から一旦送金も済ませた。あとはどれだけ月日が掛かろうと、きちんと世話をしてあげながら、里親さんを求めて努力して行くだけだ。私は手伝うだけ。大切なのは、美穂ちゃん自身の気合なのだ。頑張れ、大学生。

今朝もゴマのオシッコで起こされた。このところは決まったマットでしてくれるのでまだマシだが、洗濯し過ぎてマットが裂けてきてしまった。しかし夕方には、トイレでちゃんと出来た。尤もトイレに入った途端にアインがゴマのお尻の匂いを嗅ごうとして、ゴマは嫌がって飛び出してしまった。アインは「余計な事をして〜!」と私たちに叱られ、ゴマはオシッコのご褒美を先に貰い、やっと無事にトレイでしてくれた。やれやれ・・・。

すっかり大きくなったマルコは、窓を開けているとキンモクセイの香りがむせる程に入り込んで来るので、何やら鼻をヒクヒクさせていた。初めての冬を迎えるんだね、マルコは。お家の猫で幸せだね。きっとマルコの姉弟は、まだお外にいるのかも知れないね。マルコも足が無事だったら、今頃はまだ大田区の道端でウロウロしていたんだろうね。

『今日のにゃんこ』は、またまたウランちゃん。気持ちの優しい猫なので、家猫として静かに生活させてあげたい。良いご縁があるといいね。

今日のにゃんこ

<ウラン通信ーその3>
アタシの名はウラン。9月15日の『今日にゃんこ』の続きのお話を聞いてくださいね。

お守り首輪をつけてもらって、ベランダで一晩過ごしたの。ダンボールのふわふわベッドでネンネしたの、うれしかったわ!もう絶対に、どこにも行きたくなかったから、ずーっとネンネばかり。

そしたら次の日、爪切りとお風呂が待っていたの。抱っこで爪切りをしてもらって・・秘密がバレチャッタ♪
「ウランちゃん、アンヨの爪がひとつ無いじゃない・・」って・・・。

お風呂はチョッとびっくりしたけれど、気持ちよくって最高!「お利口ね〜、良い子よね〜」って何度も褒められたのよ。そのあと、昨日よりも大きなベッドに連れて行かれたの。「ここが、約束のお城なんだぁ・・」って感激しちゃった。懐かしい爪磨きとトイレ完備!お風呂上りのアタシって、ほんとに毛がボソボソ・・・クスン。アタシはこのお城で元気になるまで、過ごすことになったの。だって、病院の先生がお薬をつづけましょうって・・・・・。元気なつもりだったのにな〜。

でも・・でも・・・やっぱりお外は辛いことばかりだったもん・・・。

(アタシの募集はNo.399で詳しく見てね♪)

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