ジーコ

ママ怒らないで

Sep.28,2002

昨夜、エサやりに行った時の出来事。駐車場の入り口付近で、酔っ払いが6〜7人たむろしていた。年齢は20代から60代位とばらつきがあり、おそらく職場の同僚たちで飲み会をした帰りだろう。一人としてスーツ姿の男はいない。とてもラフな服装から判断すると、どこかの工場勤務のブルーカラー(差別用語ではなく、単純に語源的な意味・・・ブルーとかグレーのユニフォームに着替えて働く人達という意味である)なのだろうと思う。「じゃあね〜」と盛んに言っているので、「解散」の途中だろうと判断し、通路から退いてくれるのをウインカーだけ出して待っていた。

しかし、その中の4人程が立小便を始めようとしている。私は窓を開けて顔を出し、露骨に睨みつけてやった。それだけで止めた奴が1人だけいて、そいつはヘラヘラ笑いながら「じゃあね〜、**さん、バイバ〜イ」と何度も何度も言いつつ去って行った。しかし残りの連中は、隅っこの壁に向かってならまだしも(それだって許せないが)、駐車場の真ん中であっちこっちに放水して喜んでいる。こうちゃんが怒った。「そんなところで小便するな!」声がかなり怒っている。実はこうちゃんはかなり短気な男だ。日頃の穏やかで物静かな、しかも決して妻の贔屓目とは言えない位に品性卑しからざる風体は、あれは世を忍ぶ仮の姿である(そこまで言うと嘘ですけど)。

一番年上らしきジジイは、「ごめんなさいね〜」と言いつつ、グルグル回りながらまだ粗末なチンチンを見せている。そして放尿が止まらないらしい。しこたま飲んでいる上、ジジイの小便はダラダラと長いのを知っている。いや、それでも根元をギュッと押えたら止まるはずだが(何故そんな事を知っている?!)、そもそも楽しんでしているのだから止めるつもりはないのだ。いつも週末には、この駐車場を所有するマンションのどこかの部屋に訪ねて来ている男の黄色いインプレッサが、隣の印刷会社に寄り添うようにして停まっているのだが、そのタイヤにも小便をひっかけている。卑屈な顔をした、背の小さいジジイだ。こいつ一人だったら、こっちは凶暴なのが二人だから叩きのめしてやりたい位の怒りを覚えるが、もちろんその場合も手出しなどしたら負けだ。

こうちゃんに怒鳴られて、相手は所謂「逆切れ」をした。20代の背の小さい、見るからに頭の悪そうな男が、こうちゃんに掴みかかろうとした。私は反射的に携帯を取り出している。110番にかけ始める。「警察を呼ぶわよ!」と言うと、「ああ、呼んでくれ!」と悪態をつきながらも、足早に逃げて行く。一人だけ背の大きな太った50代の黄色いカーディガンを着たオヤジは、「テメーだって酒飲んで立小便しねえのかよ!?」と捨て台詞を怒鳴っている。こうちゃんは「しね〜よ、馬鹿野郎!」と怒鳴り返している。

110番で場所を言い、この辺りをたまには見回って欲しいと言うと、110番通報に出た女(後で解った事だが、彼女は巡査長であった)は「マンション名だけでは場所が特定出来ません」と言う。鶴見中央●丁目の●●ターナ鶴見の駐車場で、*の隣だと言っても、それでは解らないものは解らない等とヒステリックな口調で言っている。こんな押し問答していては間に合うものも間に合わないじゃないですか、それなら駅前の交番だったら解るはずだから、そこの警官に来て貰えるようにして欲しいと言っている途中で、突然相手が何も言わずに電話を切った。思わずカッとなる。今度はこうちゃんに電話させる。今度の相手は男性の警察官で、建物名を言ったら地図で見て直ぐに解ってくれた。しかし待てど暮らせど警官は来ない。1度目の通報で直ぐに来てくれれば、あいつらはまだそこら辺にいたのだ。

でも、結果としては誰も来ないで良かった。ハナクソとよりこ、そしてカワムラさんが待っていたのだ。カワムラさんなど、何度も情けない声で鳴いて催促している。可愛い。こいつもきっと捨て猫だったのだろうなあ・・・と思う。

一人ずつに、チーズをトッピングした缶詰をあげる。雨がバラバラと落ちていて、足元も冷たく濡れている。雨をしのげる場所がないのだ。せめておなかいっぱい食べてほしいが、ハナクソとよりこはチーズだけちょこっと食べると行ってしまった。カワムラさんだけ、いつまでもフガフガ言いながら食べている。カワムラさんには、今夜も抗生物質を入れてある。元気に冬を越して欲しい。

その場にいたのは40分位で、帰って来たのだが、腹の虫が治まらない。駆けつけてくれないアテにならない警察、そして何よりも腹が立つのは、通報している最中にヒステリックに電話を切った女だ。このままでは済まさない。家に帰るや否や、こうちゃんが再度110番に電話して、今度は警察への苦情として訴えた。こんな不親切な応対があるのか?途中で電話を切るというのはどういう事か・・・主張はそういう事である。謝罪をさせなければ気が済まない。

何人かが電話を代わり、その都度説明を最初からしなければならない。上司に代わります・・・と言ってまた代わり、この上司は平身低頭であったが、こうちゃんは許さない。通報の記録が残っているはずだから、その電話を受けた女性の名前を調べて欲しいと食い下がる。最初に出た男は、記録が残っていないと嘘をついた(やっぱり警察は嘘つきなんだという事が解った)。責任者だという「タカ●」という男性は、担当が誰かは解ったが電話には代われないと言い張る。

そんな事で「ああそうですか」と引き下がる我々ではない。公僕たる警察官の失礼など絶対に許さない。8年前の殺人事件の時だって、失礼な対応に関してはきっちり上司に苦情を言い謝罪させた。大した内容であるかどうかは別として、民間のサービス業であれば、理不尽な客のクレームに対してだって兎に角心から詫びないといけないと教育されているはずだ。少なくとも私は、こうちゃんが上司だった時に「謝る時は口先だけでなく心から謝れ」と教育された。警察官にだって、どうして出来ない事があろうか。同じ能力を持っているはずの人間なのだもの。

遂にその女(Aベ巡査長)が電話口に出て来た。こうちゃんの声が慇懃に怒っている。「何ですか?じゃないでしょう。貴女から言うべき言葉があるのではありませんか?」「貴女は何を言っているんですか。だって解らないものを解らないと言ってどこが悪いんですか?とはどういう言い草ですか?」上司の手前、自分から電話を切ったとは認めないようだ。押し問答していたが、「貴女では埒があかない、責任者のT井さんに代わって下さい。」(この台詞を言われると、どれくらい部下は屈辱だろう?私ならば一番言われたくない言葉だ。)

そして再び電話口に出た責任者という人物に向かって、こうちゃんは相手がウンザリするくらい諄々と公僕の心得を説いていた。普通の場合はここまではしない、相手が官憲だからするのだ。最後には、部下への教育をもっと徹底させます、上にもこの事は伝えます。今後は不適格者を除外するという事も含めて検討致します。」と言わせた。ザマミロ!尤もこれで我が家は警察に睨まれる結果になるかも知れないが、別にやましい事はしないのだから困りはしない。何かあれば、また堂々と声を出して訴えて行くだけだ。

いいですか、Aベ巡査長。自分が間違いを犯したらきちんと謝るんだよ普通は。覚えておきなさい。この次は内部で揉み消せないように、警察庁に苦情を訴えるからね。神奈川県警は不祥事続きなのだから、110番通報への応対位はもう少しマシにやってよ。女の足を引っ張る、女の敵だわね、貴女みたいな女は。あれだけ言われて悔しかったら、次からまともな応対をしなさい。ま、本当には悔しくもないかも知れないなあ。その辺の馬鹿なコギャル(コギャルが全て馬鹿という意味ではなく、コギャルで且つ馬鹿であるという意味)のような口調だったもの。きっと今頃「昨日、スッゲーむかつく奴が110番してきたんだよ〜」等と言っているかも知れない。

今夜は、エサやりの前に捕獲器をれいさんの家に届けて来た。先日入間のお婆ちゃんにお貸しした捕獲器が戻って来たので、その梱包のまま送ろうかとも考えたが、どうせ鶴見まで行くのだから、ほんの少し足を伸ばせばれいさんの家だ。電話してみたら夜中近くでも良いと言うので、そうさせて戴いた。玄関脇の部屋の窓から、レオちゃんとトゥーちゃんが興味津々でこちらを見ていた。レオちゃん・・・本当はうちで貰いたかった子なのだ。立派になって・・・!と、生まれた翌日に授乳しに行った私としては、つくづく感無量だった。

さて、先日から折りに触れて報告して来た長崎の大学生の保護猫(下半身不随、エイズキャリア、年寄りという三重苦)に関してだが、「猫雑記」を読んだだけでサポートを申し出て下さった方がいた。掲示板では何度か書き込みもして戴いていたし、素晴らしく可愛いサビ猫「ニルちゃん」をスカウトで《サビ猫CLUB》へと掲載させて戴き、その後他のサビ猫3匹も投稿して戴きながらまだ忙しくて掲載出来ていないという、蒼さんからであった。先ずはメールを戴き、そして電話も下さった。有り難い・・・他に言いようがないのが悔しいが、兎に角どれだけ感謝している事か・・・。

私がお願いしたのは、兎に角自分で保護した子を最後まで全力でケアして行ける、その為の精神的なサポートをして戴けたら・・・という事と、退院の時に立ち会って貰えて写真を撮って戴きたい(SOSを立ち上げるにも、やはり写真が欲しい)、そして猫を飼う事すら初めてという保護主・美穂ちゃんに、色々とアドバイスをその場でして戴けたら有り難いという事だ。可能な限りは、自分で頑張らせたい。そして保護した事を後悔しないで済むよう、ひとつひとつの事を努力して良い結果へと結びつけて行ける、そういう体験をして欲しいと願っている。今回の猫のハンディは、夢丸くん(エイズ、アゴの骨折、全盲)以来のハードなものかも知れないが、精一杯やれば救いはあると信じたいし、美穂ちゃんの気持ちが良い形で昇華出来れば、今後の人生に於いてもきっとまた弱いものへ手を差し伸べて貰えるだろうと期待しているのだ。(あざといかな、このオバサンは?)

今日、注文しておいたケージも届いたと言って来た。あとは明日の退院だ。写真が入手出来次第、新たにこの猫のSOSを立ち上げますので、どうかご支援宜しくお願い致します。《猫の手倶楽部》としては、先行で基金より入院費・治療費・ケージ代などを支援させて戴きました。SOSが発信出来てから、そちらの会計報告も全てさせて戴きます。

そしてもう1件、先日のご相談者の気にしていた所沢のとある場所の野良猫の捕獲と病院までの搬送を、裕美ちゃんが今日お手伝いしてくれて、無事済んだという報告を貰った。捕獲器は必要ない位に人馴れしていて、裕美ちゃんの用意してくれていたキャリーにおとなしく収まり、病院での検査や処置の間もゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えていたと言う。しかしノミとシラミが酷く、歯もボロボロで食べるのが困難、風邪の為に鼻詰まりも酷いらしい。先ずは入院させて、明日の引き取りだと言う。

そのまま保護主さんが飼ってくれて、暖かいところで最後を迎えさせてあげたいと言うお気持ちをサポート出来たら嬉しい。こちらも猫を飼うのは初めて、しかもそこそこハードなケース(もしかしたらエイズが発症しているかも知れない)だけれど、是非頑張って欲しい。これは猫のためではなく、自分の心を救う事になると思うから。悩んでいるよりは、保護してしまう事でずっと気持ちは楽になるはずだから。

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