マルコ

我が儘坊主

Oct.25,2002

真夜中の悲劇
昨夜の捕獲は大失敗。姿を見せるかどうか解らない新顔の三毛が目的だったのだが、殆どが避妊が済んでくると残りを狙い撃ちするのはいつも大変難しいので、先ずはよりこ達レギュラー陣を満腹させてからにしようと、「早く缶詰くれ〜!!」とウロチョロにゃ〜にゃ〜うるさいよりこに美味しい缶詰を2缶とシーバの小袋1袋を与え(呆れたよりこはペロリと一気食いだ)、大きな身体に似合わずか細い声で鳴いてせがむカワムラさんにも個別に与え、やっと出て来たハナクソにも別の皿で与えて、みんなが満足して立ち去るのを待つ作戦にした。

ハナクソとカワムラさんは、食べるのがとても鈍い。用心深く辺りを注意しながら食べるハナクソ、ひたすら顔をトレイに突っ込んでいる割にはなかなか食べ終えないカワムラさん。よりこは既に満腹しただろうに、まだ立ち去らずに「他にも何かあるんでしょ?」という顔をして見ている。意地汚い奴だ。ハナちゃんの食べ残しを持って行ってやると、また食べる。よりこの胃袋はどうなっているんだ?

ハナちゃもカワムラさんも立ち去り、その時点で既に到着してから1時間半ほど経過していたが、三毛の来る気配はない。今夜は駄目かな?と懐中電灯で真っ暗な辺りを照らしつつ探しまわり、諦めた途端、ご飯をいつも隠しておく場所に三毛らしき毛色の猫を発見。急いで捕獲器に仕掛けのエサをセットする。そのさなかにも、よりこが「それもくれ〜!」と寄ってきてしまうので(寄ってくるから「よりこ」ではないのだが)、仕方なしに予備の捕獲用のご馳走をあげる。よりこ、またも食べる。卑しいなあ。

捕獲器は物陰にセットしておいたのだが、いくら私とこうちゃんとで牽制しても、よりこが捕獲器の方に行ってしまう。そっちは駄目よ!よりこはこれ食べなさい!とよりこを捕獲しないようにするのに必死だ。あんたはもう、とっくに避妊したでしょう?捕獲器に懲りていないの?

三毛はその辺りににテリトリーを持つ古顔の猫ではないだけに、大変に慎重である。なかなか捕獲器に近づいて来ない。やっと入りかけた時、よりこが私たちの制止を振り切って捕獲器へと走る。三毛は逃げる。なんて事!バカよりこ!!

また持久戦だ。30分位して、どうなっただろう?と様子を見てみると、今にもよりこが捕獲器に入らんとしているではないか。バカよりこ!お前は春にも、クロヅラの捕獲の邪魔をしたっけな。何度捕獲されれば気が済むんだ?!それからまた1時間程待ったが、よりことの攻防が続くだけで、三毛の気配はすっかりなくなってしまった。何度となく向こうの路地も探し回ってみたけれど、ついに諦めて撤収する事にした。帰りのクルマの中では、疲れて口も聞けない。二人とも身体も冷え切ってしまった。よりこのバカ!次はお前ももう一度捕獲しちゃうぞ!

朝の悲劇
本当は昨夜の三毛を捕獲出来たら、マルコの代わりに病院の避妊の予約枠を使って避妊させるつもりだったのだけれど、無念な事に当初の予定通りマルコを去勢させるしかなさそうだ。マルコは抱っこも楽々だし、甘ったれのベタベタの寂しがり屋だから、午後一番で手術と骨盤の検査をして戴いて、夜にはお迎えに行く事で先生にも了解を戴いていた。

8時半・・・二人とも出掛ける準備を整えて、最後にマルコをキャリーに入れようと抱っこしてキャリーを置いている部屋の方に連れて行こうとした途端、こうちゃんの腕から逃げようと珍しく大暴れした。いつもの部屋でないと駄目だよ・・・と言って、キャリーを持って来る。

キャリーにはジャムやミュウが入りたがるが、出窓へと逃げたマルコを今度は私が抱っこして(抱くとゴロゴロ言って甘える)、キャリーに入れようとするとまたも大暴れ。私の左腕にはザックリと足の爪で切り傷が・・・。今度はベッドの下に隠れてしまった。おやつで釣ろうが、大好きなオモチャやレーザーポインタで釣ろうが、ベッド下で固まってしまっている。よほど怖かったのか?

マルコは、その両足を骨折した原因というのを誰も知らないのだが、交通事故だとは思えない怪我だ。人間の手で、恐ろしい目に遭ったのだろうと推測していた。保護された時にも、そしてうちに迎えたばかりの時にも、とても怯えていたのだ。それがすっかり甘えん坊で堂々とくつろいでいる日々だったので、もうすっかり安心していたのだ。だけどマルコは、きっと何か感じたのだろう。いつもと変わらない態度でいたつもりだが、キャリーに入れる時には抵抗するので、つい手に力が入ってしまったかも知れない。

今日の手術は、あっさりと諦める事にした。先生には電話した上で、お詫びに伺った。先生は「来た時にはかなり怯えていたし、僕にしか馴れなかったから、きっとこれからも(飼い主以外の)他の人には馴れないと思いますよ」と、心なし嬉しそうに言っていた。先生は、マルコが一番のお気に入りだったのだ。

これまで一番うちの子たちが抵抗なく入るのは、上から入れるタイプのキャリーだったのだが、今回これが駄目だったので正面から入れるトラベルコンテナに替える事にした。そういうタイプのコンテナは緊急脱出用の巨大なものは用意してあるが、1匹分というのは今はないので早速買いに行く。これを一年中、部屋の中に扉を開けて置いておく事にする。

帰りにみょーこ姉ちゃんの家にちょっと立ち寄り、簡単に報告するが、話していて何と情けないものだろうと感じた。人には「時間が解決しますよ」と自信を持って説明しているくせに、ちょっとマルコに拒絶された位でオタオタしている。みっともないったらありゃしない。

戻って来ると、まだベッドの下に隠れていた。コンテナを今やただの場所塞ぎと化したケージの脇に置く。どちらも、好き勝手に誰もが出入りすれば良い。私たちが動かず静かにしていれば出て来てくれるだろうと思ったが、声もろくに出さず、身動きも殆どしないで待ってみたが、夕方になっても出てこない。コンテナの中では、ジーコが丸くなって寝ている。隣のケージでは、ミュウがいっぱいいっぱいになって寝ている。そっとベッドの下を覗き込むと、マルコが固まったままでいる。かすかに見える表情は、家に来たばかりの頃のようにこわばっているように気がする。う〜ん、困った。

気持ちが落ち込む。自分の悩みなど殆どないが、もし有り得るとすればハナクソたち外の猫たちの事と、我が家の猫たちの事だけだ。たかが数時間(かどうかはまだ判らないが)マルコに拒絶された位で、こんなにも堪えるものなのか。朝まではベタベタの甘えん坊だったものを、こんなに怯えさせてしまったなんて。自分が情けなくなる。

兎に角、部屋から出て気配を消す事にした。幸いと言うべきか姑の事もあるし、居るべき場所は出来た。気持ちが逸るのを抑えて、6時間もの長きに渡り部屋から二人とも出たままにしておいた。寂しい。これで、戻ってまた家庭内野良になってしまったらどうしよう?余所の家ではままある事なのに、私がこんなに動揺していては恥かしい。しかし、マルコを豹変させてしまった事に、とても衝撃を受けている。かつて怖い目に遭ったと解っていたのに、どうしてよりによってこの私たちがまた・・・。不安な気持ちで、階段を忍び足で上った。

そして結果は・・・
そっと部屋に戻ると、マルコはダイニングの椅子にいた。良かった。ゴマにおやつをあげてみる。マルコも興味はありそうなのだが、まだ自分からは近寄って来られない。無理矢理こちらからも近寄り過ぎないようにしていた。今また怖がらせてはいけない。知らん振りをして、メールチェックしたり、猫ご飯を用意したりしていたら、マルコが「にゃ〜ん」と鳴いた。よし、もう一息だ。抱き寄せたいのをじっと我慢する。

私たちは急激な動き、そして大きな動作を見せないように気をつけて行動する。なるべく「マルコ」と小さな声で呼びかけつつ(たまに「ごめんね」をはさみつつ)、追いかけるように見える動きを一切しないようにし続けた結果、ゴマのおやつを今度は積極的に食べに来てくれた。足元で鳴いてもくれた。マルコ、有り難うね。

次に去勢に連れて行くのにチャレンジするのは、あと半年は後にしようね・・・と話し合う。

それにしても、マルコめ、幾ら何でも我が儘過ぎるぞ。今朝までは我が物顔でどこでも占領し、何でも一番乗りで食べ、誰を撫でていても「僕を撫でて」と飛んで来て割り込み、私たちの枕で寝て、私の脇の下で眠っていたくせに、キャリーに入れようとした位であんな暴れて!見てよ、この傷!!一時は血が止まらなかったんだからね。ぷんぷん。


今日のにゃんこ

このあいだは、仲間のゴマちゃんが「今日にゃん」に登場したそうで、それに続けとばかり、今日は私、マロンが登場。

岩手県某市郊外の公園にいる、「地域猫」。それが私の住まい。けれど、このところの冷え込みに、冬を越せるかものすごく不安。
「長毛系の美形女の子」って、ボランティアのおねえさんは私のことを言います。

以前、傘のようなものでお腹を刺されたりと、なかなかハードな暮らしをしてます。この世に生を受けてまだまだ1年とちょっと。あったかい暮らしってのに、ひそかにあこがれています。

誰か、私を預かってくれませんか?

私たちのことは、 http://www.ictnet.ne.jp/~taki/tiikineko/tiikineko.html
を見てね。よろしく!

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