マルコ

お帰り!

Nov.1,2002

暖かい夜明けだった。5時に起きて(寝たのが2時で辛いかと思ったが、気が張っていたせいか大丈夫だった)、ゆっくりお弁当まで作って7時10分に家を出た。7時を過ぎると大変道が混むのだ。雨が降ると言っていたし、連休前の週末だから尚更渋滞するかと思って、安全を見て早目に出掛けた。綱島街道も尻手黒川道も車でびっしりだったが、尻手駅を過ぎたあたりから流れがスムースになってくる。この分だったら、随分と早く着きそうだ。

市電通りから国道15号線へと出て、そこから新川通りを行ってみた。この道から産業道路に出れば、Uターンしないで目的地にスイッと入れる。木々に隠れて目立たないところに入り口があり、更にその奥に門がある。まだ誰も来ていないようだった。今度のところでも又、毎日私が一番乗りなのだろうか。

敷地内の建物の真ん前に駐車スペースがたっぷりあるが、車は私のものだけだ。後でもう1台停まったが、多分所長のものだろうか。一日中、雨の何で寒々しい位にポツンと2台だけ停められた駐車場だった。贅沢な事だ。民間企業では、到底こんな贅沢なスペースの使い方は出来ないだろう。ここは独立行政法人なのだ。

午前中は、私の為に購入しておいてくれた新しいPCのセットアップを行い、無事にウィンドウズもアップデートし終えて、所内のサーバーにも繋がってインターネットも出来るようになった。しかし、与えられた、そしてこれから与えられる課題の多さとハードルの高さを思うと、早くも気持ちが重くなった。とりあえず上部組織や並立する組織のサイトを見て、これから作るここの研究所のサイト作りのイメージを膨らませたり、交通アクセスの為の地図を検索したりしていたが、夕方になってから、明日必要だというものの依頼が突然、そして軽いノリでやって来た。

思い出したくないので詳しくは書かないが、その後4時間近くの苦労はほぼ水泡と帰した。作業の内容が重た過ぎて、PCのメモリーが足りなかったのか(初期設定で128MBしか搭載していないのだ)何度も何度もスタックした揚句、どうしてもデータが修復できない状態に陥ったのだ。家にこっそり電話して、こうちゃんに「英語で**は何て言うの?」と訊いたりもしたし、凄く苦労してレイアウトしたものだったのに、すっかり駄目になった。

依頼した人は情報学の博士で大学教授でもあるようだし、その旨を告白するとまたまた軽く「ああ大丈夫、多分ちゃんと残っているよ」と言っていたが、研究員諸氏は長いミーティングに入っているので手を煩わせるのも気が引け、夜も更けて来たので私は報われない気分で帰宅する事にした。悔しいが、初日から深夜残業も出来ない。そうでなくとも、「あんまり最初から頑張らないで下さいよ」と所長に声を掛けられていただけに、早く手際よく終らせてスマートに立ち去りたかったのだ。既に事務方は全員帰ってしまっており、残っているのは研究員のチームだけだ(なんと、私はグラフィックよろず承り兼研究員助手という立場になってしまった。研究内容は全く解らない事は言うまでも無い)。これ以上居残っていても却って気を使わせると思い、涙を呑んで課題未完成のまま帰る事にした。本当は、出来上がるまでやり続けたい。しかしそれは悪い癖だという事も承知している。

建物の外に出ると雨は上がっていたが、兎に角辺りは真っ暗だ。夜だからというだけではない、そこは鬱蒼と生い茂った木々の中にあるので本当に夜の闇が深いのだ。深呼吸してエンジンをかけ、門を出て施設の専用道路を少し進むと、いきなり産業道路の車の洪水が目の前に現れる。左折して道路に出るのだが、ちっとも車の流れが途切れない。しかもどの車も大型車で、相当にスピードが出ている。やっと車が途切れ、自分も間もなくその洪水の中に飲み込まれ、いきなり下界に下りた感じを味わいながら帰って来た。疲れていたのではなく、霧が出ていたせいもあり標識をひとつ見落としてしまい、予定の道で曲がれず知らない道を帰って来た。しかし土地勘はあるので不安はなかったが、日暮れて道遠し・・・という気分だったのは否めない。

帰るとご飯が炊けるまでの間、少し横になったのだが、マルコとアインがべったりと寄り添って寝てくれた。ありがとね・・・やっぱり猫と居るのが一番だわ。

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