ミュウ

出してます

Dec.6,2002

朝から時間制限のある仕事を2つ抱えてバタバタする。13日のキックオフ会の招待状を準備し終えて、経理のコバヤシさんに投函の準備と(つまり切手貼りであるが)郵便局への持ち込みをお願いする。本当は総務のタケウチさんにお願いすべきなのだが、タケウチさんは前日、入院中の実家のお父さんの具合が悪くなり、今日はお休みだ。タケウチさんの心を思うと、掛け値なしで可哀想で仕方ない。自分にも早晩やってくるだろう事態だけに、泣きながら早退した前日の様子を見て、ちゃーちゃんが危篤だと知って泣きながら早退した過去を思い出した。(あの時は、実家の父に危篤になって頂いたのだが・・・。)

所長の資料も、夕方まで何度か手直しと追加を依頼されて、明日からの上海行きにどうにか間に合った。なかなか素敵なプレゼンテーションになると思っている。そもそも発表する所長の顔や体格が立派だしね。

15日と16日のお泊まりは、チーム全員の分のホテルの予約をウラヤマ副チームリーダーがとってくれちゃった。旅費は規定内で渡しきりらしい。しかし食事は全て外食となるし、16日の忘年会(半強制参加)の会費は高い。足が出ないように、安ホテルをとってくれたのだ。5900円で朝食付き。一旦チェックインしてから、じぇりちゃんまりあさんたちが私の為に企画してくれているオフ会へと参入しようと思う。おブリ様の家も近いので、チムニーやアニー&ララちゃんに会えるかも知れない。

戻って来る予定の17日の午後一番には50人もが見学に来る予定だし、19日には県の資料に掲載するための打ち合わせが入っているし、その夜はラボのシミュレーションチームの忘年会だ。何故こんな事を繰り返し書くかと言うと、自分が忘れないようにする為だ。毎日常にスケジュールを繰り返し反芻していないと、仕事の段取りが組めない。困ったものだ。脳軟化が進んできても良いように、優先順位を整理する為にも、繰り返し自分に言い聞かせている次第だ。

帰ろうとしていたら、研究所のエントランスのところでロボットチームのスタッフが集まっている。みんなでご飯を食べに行くようだ。ツマキさんが「良かったらご一緒に・・・」と誘ってくれた。優しいなあ・・・別機関とは言え、ひとつラボの中で毎日顔を合わせる全員そろっても10数名しかいない仲間だ。忘年会だった何だって一緒にやれば良いのに・・・と時々思う。そして私が気楽に付き合えるのは、むしろロボットチームの人たちの方かも知れない。

しかし、今夜は鶴見でエサやりしてから帰ろうと思っていたし、こうちゃんの締め切りも間近なので、あまり私の帰りが遅くなっては可哀想だ。「また誘って下さい」とお断りして、いずれも感じの良い人たちに見送られるようにしてラボを出た。

エサ場では、例によって何時の間にかハナクソが塀の上にいた。近寄って見ると、額の部分に大きな傷跡というかカサブタが見える。疥癬かとも思ったが、どうも部位が違うような気がする。ご飯を塀の上に置いても、まったく食べない。じっと私を見ているだけだ。弱っているようには見えないが、それでも冷たい風が吹き付ける度に、ハナちゃんも身をすくめるようにして、ちょっと耳を倒し、目を細める。寒いんだね。

「ハナちゃん、お願いだから、うちに来て一緒に暮らそうよ」と、長い時間をかけて声に出して相談してみた。ハナクサはずっと聞いているが、声ひとつ出さない。時折、他の猫なのか人なのか、気配を窺ってはオドオドしている。他の猫から受けた傷なのか、それでエサ場に降りて来られないのか。話を続ける間にも、駐車場には2台が入り、1台が出て行った。無断駐輪している自転車やバイクを出していく人間もいるし、近道して汚い路地を通る人もいる。とても塀の下に降りて来て、安心して食べられる場所ではない。やはり深夜に来るのが正解なんだな・・・と後悔した。

ハナクソは、私を見続けている。話していて、次第に悲しくなった。エサも食べてくれない猫を、どうして捕獲器に入れられるだろう。かつて捕獲出来たのは、ハナクソが子育て中で必死だったせいだ。あのとき、1ヶ月も獣医のケージに閉じ込めておいた事を、ハナクソは覚えているだろう。あのまま家に連れて帰っていれば・・・当時は猫嫌いで私たちを支配しているつもりの舅が健在だったから、それを可能にさせる場所の確保も出来なかったし、そもそも舅との日々で精神的に余裕もなかった。だけど、今は大分状況が違う。

ハナクソが最初は嫌がっても、うちに入れて穏やかに安心して暮らさせたい。外で自由にしている方が幸せだと言う人もあるだろうが、私は私の責任のある猫を、自分の考えとリスクで幸せにしたいだけだ。ハナクソを捕獲出来たら、そのときはもう迷わない。家の8匹目にする。そんな事を思いながらも、さまざまな後悔や思い入れが手伝って、悲しくて泣けてきた。もしも私の様子を見ている人がいたら、頭のおかしいオバサンだと思っただろう。いや、頭がおかしくないという保証は今だってないのだが・・・。

車はプライベートな密室だし夜も更けて暗いから、好きなだけ涙を出しっ放しにして帰ってくる。泣いていても鈍間には腹が立つもので、「ノロノロしてんじゃねーよ!」と小声で罵りながら運転して来た。ちょっとだけ話がしたくて、みょーこの家にノーアポで立ち寄る。ハナクソの事を話して一瞬泣いてから、同様に連れ帰れないチイちゃんの話を聞き、黒豆茶やらキムチチゲセットやらまたしても大量にお土産を貰って帰って来た。

明日から、捕獲器1台を常に車に積み込んでおこう。しかし捕獲用のエサは毎日用意するのが大変だなあ。

ものすごく疲れてしまった。
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