みんなで顔出し

Dec.16,2002

12月15日続き
昨日、新横浜までの道が混んでいるかと思って早目に家を出たのだが、実際には道はガラ空きであった。これでは時間が1時間以上も余ってしまう・・・そう思って、新横浜駅の隣のプリンス・PEPEの駐車場に車を入れて買い物をしようと考えた。しかし、この駐車場が混んでいた。やっと売り場へ行くと、既に発車の20分である。慌てて買い物を済ませ、こうちゃんと手をつないで駅へと向かう。職場以外はどこへでも一緒に行っているので、改札口でお別れするのが寂しい。何度も「バイバイ」と手を振ってしまう。たかが2泊の出張程度で馬鹿みたいだけれど、ちょっと悲しい。以前の結婚生活では離れたら寂しいなどという思いはなかったから、やはり解消されるべくして解消されたのだろう。

久しぶりの新幹線は、昔とは随分違っていた。まず、前の座席との間が広いような気がする。プラインドも止めたい場所できっちり止まる。窓が広くなっている。以前は窓枠にストールでも畳んで置けばもたれて眠れたけれど、窓枠の下の位置がぐっと低くなっていてそれも出来ない。私の場合、頭をどこかに乗せない限りは決して眠れない。座ったまま舟を漕ぐという真似が出来ないのだ。従って、ずっと起きていた。

富士山が見事に綺麗に見えた。やっぱり富士山は凄い・・・と思う。裾野からずんずん登って行けば、どこからでも山頂までまっすぐ歩いて行けそうにも見える。実際にはそんな事は不可能なのだろうが、遠くから見ている限りでは、何の障害もなしにどんどん一直線に登れそうに見える山だ。険しく見えないのだ。しかし日本一高いらしい。

新大阪を過ぎる頃から暗くなり、長い長いトンネルを抜けたところが新神戸駅だった。実際には新幹線で岡山まで行った事があるので、新大阪より西まで行っていたはずなのだが、まったく記憶にない。そんな駅がある事を、今回初めて知ったと言っても過言ではない。

ホテルまでは贅沢な事にタクシーを使った。だって荷物が重たかったし、足が既に痛かったんだもの。「新神戸サンホテル」というビジネスホテルだが、判り易い場所にあるこじんまりと綺麗なホテルだった。フロントの女の子も感じが良い。部屋はびっくりする程狭いけれど、どうせ寝るだけだから構わない。じぇりちゃんがわにさん(よこちんのところに里子に行った3にゃんの大元の保護主さんだ)と共に迎えに来てくれたので、オフ会の会場のある三宮へと繰り出す。じぇりちゃんは相変わらず真っ白で顔がつるんとしていた。髪が伸びて色っぽくなったようだ。わにさんは控えめだが聡明そうな奥さんだ。「3匹が幸せになって良かったね!」と会うなり喜びを新たにする。

会場は地下鉄三宮駅の上にある、アジア料理の店だった。我々3人が一番乗りだった。全員が待ち構えているところに「ワシが大王であるぞ」と言って入って行く予定だったのに残念。やがて来た来た・・・先日ヨコハマで会ったばかりのおブリ様が満面の笑みで、お笑い芸人で食べて行けそうなpepeさん、予想していたよりもずっと華奢でほんのり可愛いあけみさん、相変わらず姿形は際立って美しいがヘビースモーカーなユズナさん、想像よりも若々しくて聴き上手な大人のよこちん、やっと会えた《猫の手倶楽部》の原動力となったくろすけ・しろこの田中さん(品の良いお嬢様に見えたが年はそう変わらないと知ってショック)、たぬき君改めこうたんの里親の大学生と言っても通るほどに若くてハリのあるむつこさん、むつこさんのお姉ちゃんで里親募集で知り合った美人ママだけど威勢の良いヒロコさん、ヒロコさんの息子で美味しそうな小学生のたくま君、幹事を務めてくれたフットワークの良い気の利く可愛いまりあさん、そして「生の方がずっといい!」と言われた大王・カワグチ・・・以上の13人だ。本当はポロンちゃんの保護主あれいさんも来る予定だったのだが、不測の事態で参加できなくなってしまった。残念だが、また機会があるだろう。

料理は期待以上に美味しかった。生春巻きの本当に美味しいものを食べたことのなかった私は、ここの店のものは美味しいと感動した。棒々鶏もナシゴレンも美味しかった。辛いものが苦手なあけみさんには気の毒だったけど、私は大満足の食事だった。さすが美味いものに目のないおブリ様の選んだ店だけの事はある。

店を出て、歩いて全員でおブリ様のマンションへ行く。坂の上だったので、何度も「もう着いた?」とまりあさんに訊く。やっと辿り着くと、なるほど良い場所の良いマンションだ。もしかして、おブリ様はとてつもなく大物だったのではないかと改めて思う。しかし引っ越しのさなかで、とてつもなく散らかっている。引っ越しのさなかでなければ、片付いていたのだろうか?う〜ん・・・。

10時〜11時で三々五々お開きになり、またも歩いてホテルに戻る。ホテルまでは、わずか徒歩10分ほどの道のりだ。コンビ二でにも知荷物に入れ忘れた洗顔オイルを買おうとしたら、ホテルに近いまりあさんが「使い掛けで良かったらもって来ますよ」と言ってくれる。お言葉に甘える事にした。少し待っていたら、旦那にゃんと共に届けてくれた。なかなかハンサムな旦那で、しかも感じが良い。若くて可愛い夫婦だなあ。

こうして初日は疾風怒涛の如く過ぎてしまった。バスタプにお湯を張り、久しぶりで湯に浸かる。洗濯もしてしまって、これではオバサンだな・・・と思ったが、実際にオバサンなのだから仕方ない。しかも貧乏性のオバサンだもの。部屋に干しておけば、少しは乾燥防止にもなるだろう。枕が高くて寝にくかったが、前日ほとんど寝ていなかったのでやがて意識がなくなった。

12月16日
宿泊客は、みんな何て騒々しいんだ!ドアの開け閉めが乱暴で、まるで自分の部屋のドアを開けられたのかと思う程に大きな音を響かせて夜中に出入りしていた。上の階なのか隣なのか解からないが、凄い音に驚いて何でも目が醒めた。朝、1階のダイニングに行くと、回りはオヤジばっかりだ。こいつらがおっきな音を立てていたのかと思うと腹が立った。しかしその中に、不思議なカップルが一組いた。ホテルの浴衣とスリッパのまま、禿げてデブの60歳近いだろうと思われるオヤジに、20代後半か30そこそこ位の若いねーちゃんだ。他の人たちは全員着替えて来ているので、流石にねーちゃんは「ちょっとちょっと・・・」と尻込みしていたが、ハゲオヤジの方が「日本では(浴衣のままで)良いんだよ」と強引にダイニングに入らせてしまった。私も着て寝たが、うすっぺらな寝巻きである。帯とも言えないような紐で締めるだけだ。これはなかなか刺激的な、そしてどういう取り合わせなのか大変に不思議なカップルであった。

同じホテルに泊まっていたウラヤマさんとフルトさんと3人で、会場となる神戸国際会館に歩いて行った。立派な建物で、エレベーターに乗ったら8階には止まらないらしい。乗り合わせていた人が、どこまで行かれるんですか?そこだったら建物が違いますよ、2階か4階で降りて通路を奥に行くといいですよ・・・とと親切に教えてくれた。田舎者丸出しだ。

平成14年第2回EDMワークショップでは、それぞれの研究チームの研究発表が続き、難しい内容だけど真面目に真剣に聴いていたら、それなりに理解出来る事も多くて楽しめた。でも頭も身体も疲れた。真後ろに所長が座っていたし、右斜め後ろには防災科研の理事長がいて、質疑応答の度に大変厳しい質問を投げかけるので、発表者も聴いている我々も緊張の極みだった。理事長曰く、国から金を貰って研究している以上、この研究がどこでどう役立つのか、そして誰にどう評価されているのか、いつ実用の目処がうるのか、そういう事を即座に答えられるような姿勢で研究をしなければ困る、大学院の研究ではないのだから、論文が書けたら良いと思うな・・・という事だ。尤もではあるが、矢継ぎ早に浴びせられる質問の回答はは具体的な数字が挙げられなければならないもので、聴いていても身がすくむ思いだった。

我が川崎ラボのゴトウ所長からも、発足したばかりのラボの研究開発活動についての発表があり、その中でNKKの体育館をさのまま使い、内部に研究室としてのプレハブ小屋を置いた様子が、あたかもスペイン・コルドバのメスキータのようだと言った私の言葉を引用して説明してくれていて、ちょっと嬉しかった。メスキータとは、スペインがイスラムのウマイヤ王朝に支配されていた頃に建造されたモスク(イスラム寺院)の内部に、15世紀の国土回復運動でイスラムを追い出した後、一部だけを壊してそのまま内部にカトリックの礼拝堂を強引に造り込んでしまったというイスラムとキリスト教の文化の入り混じった珍しい建物の愛称である。今後、川崎ラボは「メスキータ」と呼んで頂きたい。ちょっと苦しいか・・・。

ワークショップ終了後は、そのまま国際会館内の中華料理店で懇親会兼忘年会が行われたのだが、私が行った時には理事長の隣しか空いておらず、緊張したけれどやがて紹興酒を何杯も飲んでいるうちにリラックスしてきた。しかし皆さんと共に2次会には行かず、一人でホテルに戻った。明日のスケジュールを考えると、とても今夜は夜遊びをしたくない。5時には起きて8時の新幹線に乗り、そのままラボに戻って見学者50名を受け入れるための準備もある。あまりに酒びたりで疲れていては、万全の仕事は出来ない。もう若くないのだし。小雨の中をとぼとぼとホテルに戻ると、フロントで「お預かり物があります」と言う。何かと思ったら、まりあさんからコーヒー豆のプレゼントが届いていた。ものすごく良い香りだ。部屋に持ち帰ると、部屋中に素晴らしい香りがたちこめた。今すぐには飲めないが、嬉しい。

洗濯をしながら風呂に入り、ゆっくり本を読んで過ごした。こうちゃんには朝に晩に電話を入れていたが、手を伸ばしてもこうちゃんも猫もいない。手足を伸ばして眠れるのは有り難いが、何とも心許ない。狭くとも、猫にベッドを占領されようとも、やっぱり猫たちのいる部屋で眠りたい。泊まりの出張は当分嫌だ。

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