さよなら
ハナちゃん

Jan.9,2003

今朝は寒さが少しマシだったような気がする。昨夜は私が仔猫と寝る番だったのだが、ルスは私が身体の上に2枚掛けている薄い布団の間を楽しそうに走り回っていた。それを上からリマが叩く。ルスが動くとリマが負う。いずれも私の身体の上であるからこれは堪らない。

やがては2匹共に掛け布団に乗り、布団の長方形のリングからはみ出さないように格闘を続けていた。乱闘は場外でやるものだぞ!しかしそれが落ち着くと、代わる代わる布団に入って来ては鼻や口を舐めたり噛んだり、しばし添い寝してくれたりして大変に可愛い。風邪の具合がルスよりも若干酷いリマは、しきりにクシャミをしていた。抱いて暖め、布団にそっと入れてやるのだが、遊びたくなると出て行ってしまう。部屋は暖かいけれど、クシャミは出るようだ。鼻先で暴れられて、私だってクシャミが出る。涙もまだ2匹とも出ている。投薬と目薬も続けているが、この涙目は後々まで残りそうだ。可哀想だが、それでも元気でいてくれるから良し。

朝はルス・リマではなくて、こうちゃんに起こされた。私は直前まで夢を見ていた。魚屋でマグロの刺身を買っていた。とても美味しそうなマグロだった。ルスもリマもぐっすり寝ていたので、そっと部屋を出てシャワーを浴びて目を醒ます。いっぱい暴れて、しかも夜行性の生き物らしい生活をしているので(早く夜も寝る猫になって欲しい)、どんどん朝寝坊になっているみたいだ。メスの方が、我が家では総じて朝寝坊だ。馬鹿っ早い時間に起こしに来るのは、いつもミュウかジーコだった。今もそれはあまり変わらない。

ありがたい事にスエトミさんとヤマダさんとのミーティングは具体的なプランがどんどん出て、話もスムースに進むし、暫定的でも結論が出るのでその後の作業が進む進む。「こうでなくっちゃ!」と思うが、本当はこれが普通なのだ。技術展の企画もパンフレットのコンテンツも、わずかな時間の打ち合わせで一応決まった。あとは私の仕事だ。せっせと働けば一日が短い。ミーティングに次ぐミーティングでは、疲れるばかりで堪らない。抽象的な事を言葉数多く繰り広げては、具体的なものが出来上がって行けないような発言ばかりする人が発言力を持っている事は、本当に困ってしまう。

さて、今夜は嬉しい便りと悲しい便りが届いた。嬉しい便りとは、昨年保護されて里親探しをしてみたものの、すっかり愛着が湧いてしまって我が子となった「小林玉吉」の近況と写真だ。

              我が家に玉吉が来て早や7ヶ月あまりがたちました。昨年の秋に去勢手術を済ませ、大晦日からは玉吉と一緒に主人の実家へ。玉吉も3回目の実家ですが、最初から我が物顔でふるまっていました。(知らない人と屋外は怖がります)

(中略)

玉吉の里親募集で川口さんにお世話になってから、猫雑記に目をとおすのが日課になりました。サビ猫としこちゃんが幸せになって嬉しかったり、たぬき君改め幸太君の生い立ちに涙が流れ、その幸太君が幸せをゲットできてまた涙が流れ・・・と、猫雑記はわたしの喜怒哀楽の感情をおもいっきり刺激してくれています。

また、「どんなベテラン猫飼いも脱走の失敗はありうる」とのコメントに気を引きしめ、ベランダのドアを開けるときは、玉吉を別室またはキャリーバッグにいれて「玉吉よし!」の声だし確認をするようにしました。

猫初心者のわたし達が発見した、猫のしぐさや動きで驚いたり感心したりしたことが、沢山あります。

まず[グローブのように開く手のひら]
じゃれたり、毛づくろいをしている時の手のひらがあんなに開くなんて!体に比べてアンバランスな大きいあの手のひらがとってもかわいく、おもわずパクッと口にいれたくなります。同じような衝動にかられる飼い主さんもいらっしゃるとおもいます。

次に[隠れんぼ、追いかけっこが好き]
犬とは一緒に走りましたが、玉吉とも追いかけっこができるとは。壁やふすまの陰から顔を出し、サッと隠れると斜め飛びをしながら、ダッシュで追いかけてきます。そして今度は玉吉が隠れ、わたしが追いかけます。これを飽きもせず、わたしも主人も延々とプレーします。

そして[真剣白羽取り・柱時計の振り子]という芸です。真剣・・・は、玉吉が体を横にしている時、そのおでこに空手チョップの形でわたしの手を持っていくと、「バシッ」と玉吉が両手で挟みます。柱時計・・・は玉吉を、おなかをみせるかたちで縦に抱いてシッポをたれさせます。そして「玉ニャン」と呼ぶとシッポを3往復ぐらい左右に振ります。ただそれだけですが、親ばか飼い主にとっては玉吉の芸とおもっています。(後略)

悲しい便りは、SOS長崎のハナちゃんの訃報だった。目立った動きがない為にSOSページの更新は出来ずにいたが、長崎でサポートして下さっていた蒼さんと保護主の美穂さんとの間では、時折情報交換がされていたらしい。ハナちゃんの尻尾は保護した時からちょっとおかしい・・・と言っていたのだが、結局は壊死して落ちてしまったと言う。死因は「急性糖尿病」という事だ。長崎のハナちゃんの写真を見る度、鶴見のハナクソの面影がダブった。ハナクソよりもずっと優しい穏やかな顔をしていたが、強く心に焼き付いている猫の一人だった。

今夜、ハナちゃんのSOSは終了の作業をする。暖かい家で、優しい家族の愛情の中で逝けたハナちゃん(最近では「ネココ」という名前を貰っていたようだ)は、きっと誰よりも幸せだったと思う。ハナちゃん・・・いや、ネココちゃん、ゆっくりおやすみ。保護してくれた美穂さん、美穂さんを支え続けてくれた蒼さん、そして応援して下さった皆さん、有り難う。

さて、また猫が増えるかも知れないけれど、その時には覚悟がある。

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