ゴマ

光に向かう

Jan.17,2003

昼間は随分と春めいた。昼休みに職場のエントランスでひなたぼっこしながら煙草を吸っていると、まるで雛祭ごろの陽気に思えた。しかしまだまだ1月なのだ。一体これから、まだ寒くなるのだろうか?

仕事が集中的に忙しくなり、ラボを出たのが10時半。飛び込みの仕事は先に終わらせ、各チームからデータが上がって来ないと出来ない仕事が結局遅くまで残ってしまった。しかし集まって来たデータは何度も練り上げられたものだけあって、私から見てもなかなか素晴らしいと思う。学術論文や研究者向け・専門家向けの資料ではないので、中学生レベルで理解出来るものを書けと、先日所長からお達しがあったものだった。

真っ先に届いたのは、タケウチ先生の原稿だった。限られた字数で平易な文章を書くのは難しい。専門用語の羅列になりがちな研究開発だけに、それを易しく表現するのはさぞ大変だったろうが、そこは文章も話術も巧みな先生の事、見事にまとまっていた。スエトミさんも本当はどうか知らないが、私に見える限りではサラリと仕上げてくれ、カクモト先生の弟子として修行中のヤマダさんは、何度も書き直して苦労していた。本当はこういう時こそ私がきちんと理解してやさしく書くよう努力すべきだったのだとも思うが、時間に猶予のない今は流石にまだそこまでは出来ないのだ。

私が帰って来た時点では、ヤマダさんとフルトさんはまだ残っていた。古くて広い体育館の戸締まり点検もあるので、最終退出者には出来るだけなりたくない。お二人さん、ご苦労様。でも私の方がずっと朝早くから仕事を始めているのだから、さっさと帰ってもいいよね。

流石に渋滞の時間帯は過ぎていたので、スイスイと怖い程前の車も殆どなく走りに走って帰れたが、それでも帰宅したら11時を回っていた。何はともあれ、ご飯の支度だ。

今日は6433人もの犠牲者を出した「阪神淡路大震災」から8年目の日でもあるのだが、寛一が熱海の海岸でお宮に「来年の今月今夜、さ来年の今月今夜のこの月を・・・」と言った日でもある(もちろんフィクションの中の出来事だが)。

さて、ご飯が炊けた。今夜はもう面倒臭いから、卵焼きと海苔と鮭缶だけでいいや。鮭缶開けたら、マルコがうるさいだろうなあ・・・。どうしてマルコはあんなにいやしいのだろう?肉でも肴でも野菜でもゴマのご褒美でも、兎に角何でも欲しがるし他の子の分も横取りして食べる。ゴマなんて絶対に、他の子が食べているところでは食べてくれないのに。

今夜はもう疲労困憊。またカワムラさんに迫られながら寝るのか・・・。アインも舐め方がしつこいと思っていたが、カワムラさんの方が上を行っているようだ。これってボケの度合いによるもの?

今日のにゃんこ

あたしの名前は『もも』。大きいお目めがとっても可愛いって言われる縞三毛の女の子よ。

でも、あたしは白血病なの……。とっても元気なんだけれど、病気なんですって。

今のおうちには他にお兄さんが3人もいて、しかもとっても狭いワンルームなの。“カクリ”が出来ないってお姉さんが悩んでいるわ。でも“カクリ”って何なのかしら??

あたしを保護してくれたお姉さんは、あたしが来たばかりの頃、お兄さんたちの健康やあたしの幸せを考えてはよく泣いてたわ。

お姉さんもお兄さんも大好きだし、ここにいつまでもいたい気もするけれど、あたしの運命の人はお姉さんじゃないみたい。

あたしの運命の人はいつ迎えにきてくれるのかしら……。ゴハンもいっぱい食べて元気で待ってるから早く迎えにきてね!

(あたしの募集はNo.659で詳しく見てね♪)

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