カワムラさん にゃむにゃむ Jan.23,2003

カワムラさんは本当に綺麗になってきた。顔もふっくらしてきたし、毛皮の白い部分が真っ白になった。保護した時にはネズミ色だったし、足などはオイルで黒く汚れていて拭いても拭いても白くならなかったのだ。血のような涙が始終出ていて、目の縁は直ぐに黒いかさぶたになってしまった。無理に取り去ろうとすると痛がり、実際取り去ってしまうと皮が剥けて痛々しかった。ヨダレだらけで、顔はグチャグチャと言っても過言ではなかった。それが、ここまで回復すれば上等だ。

蓄膿気味なので相変わらず呼吸しているだけで豚を飼っているかのようにうるさいけれど、これはもう仕方ないだろう。「ギギギキ・・・ヤムヤム」「ゴゴゴコ・・・にゃむにゃむ」と鳴き、ご飯を食べている時は「クチャクチャ・・・アウアウ」そういう繰り返しをする。起きている時は「可哀想になあ」と思うが、疲れ果てて寝ようとしているときには「うるさいなあ・・・」と感じてしまう。でもカワムラさんのせいじゃない。何とか治療出来ると良いのだが、人間だって大変な思いをして蓄膿の手術をしてもまたいずれ再発すると言う。猫に蓄膿の手術があるのかどうか解からないが、あまり怖い・痛い思いはさせたくない。しかし参考にさせて戴きたいので、どなたか猫の蓄膿治療に経験のある方がいらしたら、是非ご教示ください。

家を出る時にはただの曇天だったものが、道中から何やら降り始めた。予報では雪になるかも知れないとは言っていたが、雪ともちょっと違うような気がする。結晶がとても小さくて、車のボンネットに落ちるとピンピン跳ねて転がっている。霰か。ほんの小さな氷の粒でパウダースノーにも見えたが、あの転がり方は霰だろう。その動きは、見ているとなかなか可愛いものだ。信号待ちが退屈しないで済んだ。

しかし、やがて100パーセント雨になってしまった。そして寒い。そんな悪天候の中、風邪っぴきのフルトさんはマスクをかけて出て来た。かと思ったら、あっという間に（１時間位はいただろうか？）帰ってしまった。片道２時間もかかるというのに、どうして出て来たのだろう？昨日のうちに、ちゃんと病院に行ったようだ。そう言えば、昨日は電話で美人のタケウチさんに「駄目ですよ〜病院に行かなくちゃ。」と言われていたので、きっと素直に言う事を聞く気になったのだ。同じ事を私が言うと（文字でそのニュアンスの違いまでを表すのは難しいが）「だぁ〜めだってばっ、病院行かなきゃ！」と言うところかな。それでいいのだ。優しさはタケウチさんに任せて（私にも優しくしてね、タケウチさん）、私はひたすら質実剛健に行くのだ。上州女なんだから。ふふん。

どうせ家に帰ってもご飯を作ってくれる人はいないのだから、仕出し弁当を食べて行けば良いのに、フルトはまたマスクをしてとぼとぼと雨の中を帰って行った。ご苦労様・・・としか言いようがない。しかし仕出し弁当は食べていかなくて正解だったかも知れない。おかずのひとつに、冷たいカレーが入っていた。これは不味い。冷たいメンチカツはまだマシだったが、冷たくてやけにしょっぱい黄色いカレーというのは、私がこの世の中で最も憎む食べ物のひとつかも知れない。

冷たいチンジャオロースーや冷たいクリームシチューというのもなかなかに不味いが（これらも時々おかずになっているのだ）、カレーに王座を譲るだろう。温かければのり弁でも美味しいが、これは真冬だからという訳ではないと思う。真夏でも冷たい不味いカレーなんか、もう金輪際絶対に食べないぞ。雨さえどしゃどしゃ降っていなければ、ほか弁まで買いに行ったのだが・・・。

今日は印刷屋さんも朝一番でゲラを持って来てくれた。町田から浜川崎まで、その為だけに。申し訳ない。そこへまた美人のタケウチさんが登場して、コーヒーを淹れてくれるじやないか。印刷屋の金髪ガングロ専務も、きっと嬉しかっただろうな。訊けば４０歳だと言う。そうか。専務は私より若かったのか。ま、誤差範囲だ（そうか？）。

そのゲラ刷りはとても綺麗に出来ていたのだが、如何せんたくさん修正が入ってしまい、夕方に担当さんに電話で逐一伝えると、いささかガックリきていたみたいだ。そうだよなあ・・・気持ちは解かるよ。私だって、あのラボの印刷屋さんみたいなものだから。最終稿だと言っておきながら、すっかり内容を変えたりするのは平気だもんな。そりゃ昔のように写植を貼ったりというのではないだろうけど、レイアウトし直しという事もしばしばあるものな。

その修正の原因を作ったのは、我らが素晴らしき所長である。この所長は理系と言っても、大変に言葉にも文章にも長けている（理系への偏見ですね、ごめんなさい）。ラボのサイトの所長の挨拶は、結局１２回も推敲してくれた。最初に私が書いた叩き台は、最後には跡形も無く変わり果てた。凄い精神力。しかし参ったけど。

そして、この所長は「ラッキョウ」が大嫌いだ。それは何度か話題に上っていたので知っていたのだが、今日撮り直した研究室＠メスキータの写真をチェックして貰おうと、画像をメールに添付したついでに「ラッキョウ」の写真もサービスとして忍ばせておいた。そうしたら返信に「パンフにらっきょうの写真を載せるのですか？だったら私は使いませんよ。」と書いてあった。立派な体格に立派な顔、そして体育会系で土木・建築系企業の研究所出身というハードボイルドなバックグラウンドがある割に、ラッキョウの如きあんな小さなものが怖いとは（大笑）。私は好きだ。カレーには福神漬けよりも、うっすらと甘い（甘過ぎない）ラッキョウの方が合うと思う。しかし冷たいカレーは論外だ。