ミュウ

おめめ真っ黒

Mar. 3,2003
去年より12日早く春一番が吹いた今日・・・暖かくなったのは結構だが、夕方の台風並みの風雨は何だ、ありゃ。美人のタケウチさんたちが帰る頃が一番酷かった。心配性のフルトさんは、タケウチさんたちが帰れないのではないかと心配していたが、フルトさんにはどうする事も出来ない。ふっふっふ・・・私には「送って行こうか?」と言えるぞ。しかし私の退社(会社ではないが)時間は、彼女達よりもぐっと遅い。「待ってる?」と訊いてみたが「待ってない」と一笑に付された。タケウチさんも小林さんも折角同じ方向に帰るのに、時間がずれていて勿体無い。同じ送るなら、オヤジよりも若い女の子の方が私だって気分が良いぞ。これは私がオヤジなせいか?

唐突だが、オデキの話。汚い話が苦手な人は、どうぞ読まないで。

私はオデキが大好きだ。自分に出来たら痛くてかなり厭なのだが、それでもオデキを潰す時の快感が味わえるのならば、毎月1つ位は出来ても良いと思う。以前、足湯を始めたばかりの頃、足の付け根あたりに赤黒いものが溜まったブヨブヨとしたものが出た。痛くはない。化膿しているオデキとは違ったが、何週間も辛抱強く待って待って、充分成熟させてからやっと内容物が搾り出せた時の嬉しさ、快感・・・。その時は、赤黒い血と共に、白っぽい脂肪のようなものが出た。

妹の背中に赤い腫れ物を見つけた時には、嫌がる妹を説き伏せて潰させて貰った。「500円あげるから・・・」とも言った。「500円なんか欲しくないから、触らないで!」という妹をしつこく拝み倒した。その時は、腫れ物の先端が小さく白い点となり、明らかに中は化膿しているように思えた。私には自信があった。これは潰せる・・・と。「痛くしないから・・・」と適当な事を言いながら、一瞬の気合いで腫れ物の両端を左右の親指で圧迫する。

出た!若干の膿とリンパ液と共に、おっと、何やら異物が出て来た。長さにして5ミリ程、灰色がかった毛のようだ。ティッシュで湿り気を拭き取ると、細かい毛が密集していて羽毛のように見える。私は思わず「うっちゃん(妹の呼び名だ)、鳥の羽が出て来たよ!」と叫ぶ。昔、漫画週刊誌などの特集コーナーで、「世界の不思議現象」みたいなものが頻繁に掲載されていたが、その中には妖精の写真や口からエクトプラズムを吐き出すオバサンの写真に混じって、身体から縫い針が出て来る女の子の事も紹介されていた。私の妹は、身体から羽毛を出す女だったのか?!

しかし、羽毛が更に乾いて来ると、それは身体に生えるべき産毛が皮下に留まったままその一生を終えたものの積年の集合体である事が判明した。我が家は全員、毛が薄い。父も母も私も妹も薄毛である。ハゲは父だけだが、女性陣も哀れを誘う位に薄毛だ。私はそれがみすぼらしくて厭なので、ボリュームを出す為のパーマをかけているが、それでも人並みの量にはちと欠けて見える。妹の体毛は、哀れ皮膚を突き破って日の目を見る事なく、次々と息絶えて行ったのだ。それが溜まって、ある時炎症を起こしたらしい。死んだ体毛の執念である。それはそれは繊細で蜘蛛の糸のように細い、色も薄い毛であった。羽毛を生み出す妹を持ち損ねたのは誠に残念だが、あの時の快感はまだ指先に残っている。今から20年近く前の事だった。

自分で経験していないオデキでも楽しめる。これはこうちゃんの少年時代の話だ。ある時、原因不明の腫れ物が膝に出来た。そのオデキ自体も痛かったらしいが、リンパが腫れて歩けない程に足の付け根も痛んだという。それで医者に行き、腫れ物の頭が白く膿んだのを見届けた2度目の治療の時、医者は「膝を曲げてごらん」と言ったそうな。すると圧力で皮が破れ、白い脂肪がニュルニュルと出たとな。「どんな固さのニュルニュルだったの?」私は夢中で訊く。「歯磨きのチューブを絞って出て来るよりも、もう少し固めだったかな・・・」「それで、それで?」「脂肪と血膿が出た後は、火山湖みたいにポッカリ穴が空いていた。」う〜〜ん、見たかった。尤も、私がその時既に生まれていたかどうか・・・。しかし想像するだに楽しい。

私には腫れ物が良く出来るが、残念ながら潰せるタイプのものではない。赤く固く腫れるだけで、やがて何事もなかったかのように引いていく。腫れている間はなかなか潰す事を諦めきれずに針で突いたりもするが、血かリンパ液が出るだけで脂肪も膿も出ないのだ。それはとても悲しい。誰かオデキを潰させて!500円あげるから。

オデキの話ばかりに夢中になっていたら、ご飯が炊けてしまった。今夜の帰り道は、あの大雨の影響だったのか異常な渋滞で、浜川崎から八丁畷経由で鶴見に出るのに1時間半以上もかかってしまった。普段なら30分程の道のりだ。エサやりを済ませて家路を急いだが、結局ラボを出てから家にたどり着くまで2時間半。疲れた。さて、卵焼きと味噌汁を自分で作って食べよう。ママがいてくれたらなあ・・・。
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