ルス

遠い目

Mar.11,2003
寒い朝だった。布団すら出ようとすると、夜明け前の一番寒い時間だけに、リマが「入れて・・・」と覗き込む。それを振り切って起きるのは辛い。少しだけ抱いてやって、ソロリと起きて布団を整えようとすると、途端にルスが邪魔をする。我が家でベッドメイクする時に決まって邪魔をする猫たちは、ジャムとマルコ、そしてルスだ。大きな布が舞い上がったり引っ張られたりするのが面白いのだろう。猫の手でも借りたい位ではあるが、大抵はお手伝いよりは邪魔が猫のお仕事だ。

もう3月だと言うのに、陽差しは冬そのものだ。空気も澄んで遠くまでキリッと見える。今日も富士山が綺麗だったらしい。車通勤では、富士山は見られない。お隣の都筑区から電車で通うスズキさんの情報だ。富士山はやっぱり綺麗な山ですよね・・・と煙草を吸いながら体育館の外で話した。

今日は、イベントや印刷でお世話になっているゼ●ラルプロモートさんが、ロボットチームの展示物をトラックで運び終わった後、うちの不要なタンスや戸棚を運んでくれる事になっていた。昼過ぎ、ロボットやそのイベントに参加するイノウさんを積み込んだトラックを見送り、夕方うちのガラクタを積んでラボに戻って来るのを待った。道が空いていたのか、意外と早く運び終わったようだ。タンス2棹、サイドボード1個、そしてベッド1台(舅の使っていたもの)が運ばれて来た。これが瓦礫の模型の中に加えて貰う事になる。地震で倒壊した家屋の模型だから、ベッドやタンスがあって良いのだ。うちは粗大ゴミを棄てる手間が省けたし、何とラッキーな事か。

本当はまだ安物の本棚や化粧ボードの棚などが残されているが、あとは少しずつ捨てよう。とりあえず3畳の納戸の大型のガラクタが無くなっただけでもスッキリした。3畳を3畳分使えるようになり、猫砂やフードのストックがスッキリ収まった。暖かくなったらガレージの中の物も捨てたいし、ピアノは義姉が貰いたいというので持って行って貰おう。こう忙しくては、もはやピアノに触る事もないだろうし。実家のピアノだって、場所があるなら引き取って頂戴と言われているのだ。

現在、野良猫のエサ場は2箇所だ。容器はステンレスの大きなトレイにしていたのだが、1箇所は狭い場所に手を突っ込んで置くので、柄のついた片手鍋に替えた。100円ショップで買った、黒いテフロン加工の鍋である。一人分のラーメンを作る位の大きさがあり、なかなか重みのある安定感のある片手鍋だ。これが100円とは安い!と感動して幾つも買った。これに「マルハの黒缶」を3缶入れるとほぼ一杯になる。「黒缶」はフレーク状なので容器に素早く移し替えるのが簡単なのと、比較的水分があって水を摂らない猫がいても好都合だ。週に200缶以上使うので、あまり高い缶詰では流石に続かない。家の子にナチュバラで、お外の野良猫には「黒缶」で申し訳ないのだが、全部ナチュバラにしたら一日で1ケース消費してしまう事になる。それは幾ら私が猫バカ浪費家でも、経済的に破綻する。人間の食費より、猫の食費の方が遥かにかかっている事は間違いない。

車のトランク部分には、いつでも「パッカン」と直ぐに開けられるように、黒缶が3段に重ねてびっしり並べてある。そしてドライフードの大袋も2〜3個、予備の鍋とスプーン、ゴミ袋、大き目の懐中電灯、予備の電池、抗生物質のカプセル、仔猫ミルクなどが常備してある。エサやり専用車を、通勤にも使わせて戴いているようなものだ。これに捕獲器も積み込もうとしている。そろそろいつでも捕獲出来る準備をしないとね。

腰はまだ痛む、奥歯は浮いて痛む(いい加減、時間を作って歯医者に行かなければ・・・)、歯のせいなのか首のリンパは腫れる、便秘はまた酷くなる、腱鞘炎で重たいカメラは持てない・・・満身創痍だな、こりゃ。

ルスは本当に綺麗な娘になってきた。時々、窓の外を遠い目をして見ている。岩手の風景を覚えているのだろうか?
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