ジーコ

ボクは幸せ

Mar.23,2003
怒涛の3連休が終わろる。休息のない休日。それを神経が擦り減る事が多いと思うか、はい今日も色々と自分が役割を果たせて良かったねと思うかは、その時の疲れ具合や心の持ち方次第なのだろう。物事は、どういう角度から見るかで、そしてどう表現してしまうかで、その形を変えていくのだ。

昨夜リンリンとランランを引き取り、やっと一日が経過した。大急ぎで姑の寝室を片付け、リンリンランラン部屋に変えた。ここでゆっくり過ごさせて、元の無邪気な2匹に戻って貰いたい。まだご飯は食べず、やっとランランだけがオシッコをした。長時間我慢していたせいか、とても時間がかかった。大きなオシッコ玉が出来た。それをそのままにしてリンリンを抱っこして入れたが、オシッコせずに出て来てフード付きベッドに隠れてしまった。まだ慣れない環境は怖いらしい。いいよ、全てゆっくりで。

2匹とも威嚇はするものの、じっとしたまま抱かせるし(でもきっと我慢しているのだろう)、決して爪も牙も出さない。見ると爪は2匹とも40本全て尖り放題だ。飼い主の娘は爪切りもしていなかったらしい。「マンション売る時に、猫を飼っていたりするとお金を引かれちゃうから・・・。」25歳も過ぎた娘が、中学生のような口調で昨日そう言っていた。親父の言葉をそのままなぞったのだろう。「どういう事?」と訊くと「壁とか傷つけるから・・・。」と言っていたが、爪も切ってやらずに随分と偉そうな事を言ったものだ。しかも「里親さんが見つかるまでは、そっとお世話をしていれば大丈夫よ。」と言ったら、突然興奮して「大丈夫、大丈夫って、それはこっちの言う事ですよ。ちゃんとやってますよ!もういいです!!」と大声で罵って電話を乱暴に切ったのだ、あの娘は。

昨日はまだ里親募集をさせようと思っている時に途中経過を報告していたので、多少事実関係をオブラートに包んだけれど、次第に娘に対しても腹が立ってきた。よくよく聞けば、高校1年生の時に不登校となって以来ずっと引きこもり状態だったと言うではないか。そんな事も知らず、23歳の娘が「家事手伝い」と言う言葉を鵜呑みにして里子に出した私は大馬鹿野郎だ。しかし学歴までは訊かないものなあ・・・。精神が不安定になっても仕方ないよ、それじゃあ。

それを考えるにつけ、早々と引き取って本当に良かったと思う。5月まで待ったら、途中で野良に放されてしまったかも知れないし、あの父親では殺処分させる事もしただろう。あの子たちが異常に怯えているのは、そんな精神状態の家族の中に長く居たせいかも知れないとふと思った。怒鳴り合う親子、自分を処分する事を考えている男の視線や振る舞いに接し、敏感な猫たちが何も感じずにいるはずがない。異常な精神環境の中で邪魔にされ、心に暗いものを抱えた綺麗な猫たち・・・あの時運んだ公太郎や雅と似過ぎている。奇しくも15匹の埼玉県新座市のSOSの時と同じ姓じゃないか。

一度も飼い主を変わる事のなかったジーコは、何と幸せな子なのだろう。みんな多少の辛い思いをしているというのに・・・。

しかし色んな人に心配をさせてしまった。私が5月に引き取って当然サイトを閉鎖すると書いた事で。あながち思いつきなんかじゃなかったのだが、今朝までに戴いたメールと、今日動物病院で出会った人たちの顔を見て言葉を聞いていて、今はまだ無責任には閉められないと思い直している。川口がリタイアすると知って糠喜びさせて相手もいただろうが、その方には残念でした!

今日の病院は混雑していた。しかしその時点で来ていた人の殆どが、私の紹介だったり里親募集でご協力した事のあった人だったりして、「もしかして川口さんですか?」と何人もから声をかけられた。全員初対面だったが、一人一人に思い入れのある相手ばかりだった。SOSで支援した人の支払いを《猫の手倶楽部》として済ませ、マツウラさんの捕獲して避妊させて猫たちを退院させるのに立ち会い、モリさんがその後の搬送をしてくれた。この人たちとも初対面だった。アクティブでアグレッシブなモリさんは、会話にも行動にも頭の回転にもターボが付いているような人だ。マツウラさんは謙虚で聡明な女性だった。時間が短くて残念だったが、またゆっくり会いたい。昨日マツウラさんの捕獲した猫たちを病院までボランティアで搬送して下さった、ニハキちゃんご夫妻にも大感謝である。昨日は大事件だったのでお会い出来ず、残念至極。

し〜さんも病院まで来てくれていたので、その後ちょっとだけ我が家にお立ち寄り頂いた。し〜さんというは、かのオオデコさんの里親さんだ。ちょうど昨年の今頃、里親さんとして名乗りをあげてくれた思い出がある。実は想像していたよりもずっと女らしい物静かな芯の強そうな綺麗な人だった。私は途中電話ばかり入って、ろくにお相手が出来ず申し訳なかった。

今回、リンリンとランランの事を知って心配してくれ、一時預かりを自発的に申し出てくれたノグチさん、JAMANEKOさん、プチポンもりおかの小原さん、そして山下さん、うちで飼うとバカのお人好しの極みを言ってくれたみょーこ、みんなに有り難うと心から言いたい。でも私達は大丈夫。有能なこうちゃんと私が二人で力を合わせて頑張れば、まだまだ行けます。但しもう頭数は増やさないけどね。うちは実際にとても時間と手間を掛けてあげたいので、もはや限界なのは事実だから。

里親募集も急いで開始してみたものの、実を言えば大人猫を貰ってくれる人という貴重で希少な受け皿を、リンリンとランランの為に減らしたくはない。もっと切羽詰まった募集が幾らでもあるのだから。よほどあの子たちに惚れ込んで下さった方とご縁があったら、その時は幸せにして戴こう。・・・と思うが・・・。

さ〜て、リンリンはオシッコしたかな?エサやりに行って、またカワムラとルス・リマを遊ばせて、そして大王は寝るのだ。大掃除もしたし、疲れたよ、実際。明日は出勤したら直ぐ、科学技術週間の件で教育委員会宛ての手紙を書かなくては・・・。
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