昨夜は、何度もカワムラさんに枕から追い出された。アイツは最初ベロベロとしつこく舐めてご機嫌をとり、しばらく口元を私の横向きの顎あたりに乗せて寛いでいるのだが、突然意を決したようにクルリと向きを変え、背中を私の鼻面に押し付けるように丸まって唐突に眠りに落ちる。グウグウと軽い鼾をかいて、気持ち良さそうに眠る。しかし枕のど真ん中を占領して、お尻だけは枕からずり落ちて私の肩に乗っているのだ。私が寝返りを打とうとするとカワムラも目覚めて、また最初からやり直しになる。

私の居場所がなくなる程の傍若無人な寝方にちょっと困り果てて、布団を出て２階へ行く。今夜は２階で寝ようかと思ったのだ。しかし一服しているうちに、私が部屋を出て行く時のカワムラの寂しそうな顔を思い出し、気を取り直してまた１階の和室に戻る。カワムラは私を見送った時のポーズのまま、枕を使って布団のど真ん中で寝ていた。私が入って行くと、大喜びしてまた最初からベロベロと始まる。やれやれ・・・。

今日は一日だけ研究員たちは全員がクビになり、明日から再雇用されるというヘンテコリンなシステムで、事務方だけしかラボにいなかった。しかし仕事が好きな・・・いやお尻に火がついているフルトさんだけは仕事しに来ていた。昼を終えて眠くなった頃、アライさんに「ハーゲンダッツのアイスクリームが食べたいね」と話していると、地獄耳のフルトさんがそれを聞いて「いいですよ、ご馳走しますよ。」と言う。「その代わり私は動けませんから、誰か買いに行って下さいよ。」「大丈夫、アライさんがひとっ走り行って来るから、自転車で。」と勝手な事を言う私。

そしてアライさんが本当に自転車を飛ばして買いに行ってくれたのだった。私はメープルウォールナッツを食べた。美味しかった。フルトさんはこの週末、パチンコで勝って競馬で負けたらしいが、それでも大分プラスだったようだ。毎週勝って、毎週ご馳走してくれると良いのだが、これを読んだら怒るだろうな。研究員たちは所長以外はなかなかしみったれていて、たとえお菓子程度でもおごってくれる人はフルトさんしかいない。

こうちゃんの証言によると、今日はミュウが苛々していたらしい。こうちゃんが私を見送ってからシャワーを浴びて２階に戻ると、怒って足に噛み付いたり体当たりして何かを訴えていたと言う。私が帰宅した時も、明らかに文句を言っていた。ミュウにしてみれば、甘い顔をしていればどんどん猫を増やして、我儘なお子様連中の相手はみんなボクに押し付けて、ちょっとはボクにだけ時間を割いてよ！と思っていてもおかしくないだろう。本当にその通りだよ、ミュウ。ごめんね。今週末は歯医者の予約をとっているから、きっと痛くて電話にも出られないし、更新も出来ないと思う。その間はずっとミュウを抱いて寝ているからね。（しかし天衣無縫なアインとジーコが割り込んで独占しようとするに決まっているのだ。）

そう言いつつ、今夜はリンリン・ランランの部屋で初めて一緒に寝る事にした。姑のベッドなのだが、すっかりマットレスだけにしてある。自分の寝具を持ち込んで寝るのだ。他人の寝具ではとても寝られない。これは人間関係に起因するものだ。例えばみょーこのベッドでならば寝られるだろう。そこに珠子のゲロッパの跡があろうが、ナナオがシッコしていようが、みょーこが寝小便していようが平気だ。しかし舅・姑のものは、肌に触れるのは厭だ。これが１０年間に積み上げられた遺恨である。こんなものが無いに越した事はないのだが、あまりに日々どんどんと積み重ねられ過ぎた。もう取り返しはつかない。不思議と心が広い部分もあるのだが、狭い部分もしっかりあるのさ。

昨日のうちに下準備をしておいたので、今夜は平日の夜だが一杯更新出来る。言い換えれば、昨日のうちにやり終えなかった分がもつれ込んだだけ・・・とも言える。兎に角せっせとやるのだ。まだまだ一杯やり残しているのだから。