ランラン

福猫

Apr.11,2003
車の中で聴くCDが足りなくなってきた。家中のCDを聴き飽きた。最近、ハイになる為にはエアロスミスの《PUMP》を聴いていたのだが、聴き慣れるとちっともハイになれない。そもそも昔プログレしか聴かなかった少女の頃には、こういうグループは聴かなかった。下品でお下劣だと思っていた。そういう意味では、ストーンズすらあまり好きではなかった。

当時は、付き合っていたボーイフレンド(後の夫第1号)の影響もあって、当初はシカゴを、やがてはEL&Pとキングクリムゾン、ピンクフロイドをかなり長い年月聴いていた。実は今でも聴いている。実際には10年以上当時の音楽は色々と思い出が多過ぎて聴かない・聴いても楽しくない・・・・いうブランクがあったのだが、今ではケロリと立ち直って平然と聴いている。30年近くも前の音楽ではあるが、私にとっては今聴いても今どきのロックよりは肌に合う。

高校生だった私がプログレ少女だった頃、周囲では洋楽を聴いている人たちはクイーンなどにキャアキャア言っていた。メロディーはとっつき易いのだろうが、それ故に私にはポップ過ぎて直ぐに飽きると感じたし、ナンパなビジュアル系バンドの走りという感じで当時は毛嫌いしていた。それでも今聴くと懐メロとして楽しいし、フレディーの声も歌唱力も一流だと思うようになったのは、昔ほど私が突っ張っらなくなったせいもあるかも知れない。

同様に、下品でお下劣・・・と思っていたエアロスミスも、下品でお下劣だからこそ良いじゃん・・・と思うようになった。当時は、ボーカルのスティーブン・タイラーの顔も声も虫唾が走った。ストーンズやミック・ジャガーを好きになってからも、同じ皺っぽくて口のデカイ系なのにスティーブン・タイラーは苦手だった。どうしてもチンパンジーに見えてしまう。潰れた歌声は良いとしても、ノッてくると「うぎゃぎゃぎゃぎゃ・・・」という猿系の奇声を発するのも嫌だった。しょっちゅう「ハネー(honey)」なんぞという単語を挟む歌い方も好きではなかった。演奏もただうるさいだけに思えた。

それが今では全然平気で聴ける。私がお下劣になったせいか?しかし、うるさいと感じていた演奏も結構巧いと感じるようになったし(少なくとも《PUMP》の音は硬質で好みだし、ちょっとアイリッシュテイストを盛り込んだ「繋ぎ」も好きだし、ハーモニーはかなり良い)、ハネーだろうがベイベーだろうが「持って来い」だ。しかし相変わらず、あの顔はあまり得意ではない。目が寄っているのもちょっと・・・。

という訳で、今朝は久し振りで《GET A GRIP》のCDを聴きながら出勤したのだが、やっぱり《PUMP》の方が好きかな?と思っただけで、決してエアロスミス贔屓じゃないんだなと再認識して早々にドヴォルザークに代えてしまった・・・というお粗末な結論でした。今、夢中になって聴けるモノがないのが残念。また暫くはクラシックでも聴いていよう。クラシックではハイになれる曲が少ないけど、全くない訳ではない。ビゼーの《カルメン》なんか聴けば、調子が良くてそれなりの戦闘意欲は高まる・・・とも言える。

ランランはお返事する猫だ。「ランラン!」「ん〜!」「ランラン!」「ん〜!」何度でもしてくれる。可愛い。リンリンは、ひとしきり甘えてからでないと、ご飯を食べない。おとなしくて気弱なところはあるが、とても甘えん坊なのだ。可愛い。この2匹を里子に出す日が近づいている。毎日、ちょっと悲しい。
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