ルス

窓辺で

Jun. 4,2003
今日は産業振興財団からの記事原稿の延ばして貰った締切の日だったので、朝から痛い頭で悩み悩み書く。午後3時に戻って来た所長に渡して、チェックして貰う間に、立派な頭をしたセキグチさんから指示された修正を何とか終わらせる。あまり良くない頭を使い過ぎたせいか、ますます頭が痛い。こう毎日毎日頭が痛いというのは、もはやただ事ではない。頭の中に怠け者で性悪な何かが棲みついていて、あまり脳味噌を使おうとすると怒っているのではないだろうか?その傾向からして、本体の性癖を忠実に再現しているようだ。ならば私のDNAを受け継ぐものなのか?

夏場の執務室における「軽装」を励行せよという通達が職場に回った。『地球温暖化対策推進大綱に基づく「政府の率先実行」実施要綱に係る環境庁の対策方針(抜粋)』というもの。ネクタイや上着の着用はしない、半そでシャツ、開襟シャツ、ポロシャツ等の夏向きのシャツを着用する、アロハシャツ、ランニング、短パン、ビーチサンダルおよびこれに類する執務室における服装として社会常識を著しく逸脱するような服装は避ける、冷房の設定温度28度以上を特に徹底する・・・という内容が書かれていた。

常日頃から社会をなめた服装で執務している私など、これ以上軽装にする為にはどうしたら良いのか?レーヨンのアロハシャツは普通に夏場に着用していたし、むしろ私にはオシャレ着の部類ですらある。しかしアロハは駄目だという。困った。もちろん、これは男性がスーツにネクタイが常識である社会での軽装奨励であるのだろうが、もとよりロボットチームにスーツで来る研究員など一人もいない。みんなジーパンだ。あ、クワハラさんは一応(失礼!)スーツ着ているな。ヒゲも髪も伸びてイエス・キリストのようだけど。シミュレーションチームでも、若い男性研究員3名はジーパンだ。必要な時だけスーツを着ている。

研究機関で気を遣うべき来客など殆ど来ないせいもあるのだが、たまにはエライ人も来る。しかし私はそれでも、一年中とぼけてラフにしている。スーツなんか買い直さない限り、一着も着られない。洋服を買わなければならないような仕事だったら、こちらからご免蒙る。以前にもここで書いたが、洗濯機で無造作に洗えてアイロンが必要ないもの、安価であるもの、着ていて肩が凝らないものしか金輪際着たくない。同様の理由で、葬式や結婚式も一切出たくない。そのままエサやりに行って、地面に這いつくばって捕獲が出来るような服しか着たくない。わがままだとも思うが、もうそういうライフスタイルしか考えられない。それで通用しない世界には、足を踏み入れないで済ませる。従って不義理もするし、変わり者だとも言われるが平気。価値観に基づいて取捨選択して来た結果、辿りついた結論である。単に不精しているという訳ではないのだ。(それも少しはあるかも知れないが)

昼の弁当をロボットの人達(くどいようだが、ロボットの研究者の人達という意味であって、ロボットたちという意味ではない)と共に食べていたら、その社会常識を著しく逸脱していない「軽装」の解釈をめぐって、みんなが楽しそうに熱弁を振るった。著しく逸脱していなければ、ちょっと位だったら逸脱していてもOKなのだろう・・・と私も解釈している。Tシャツは良いのかなあ?と切り出すと、クワハラさんは「Tシャツだけですか?」と訊く。その勢いと嬉しそうな表情からは、「上に何か羽織らないでTシャツが一番上なのですか?」という意味で訊いているのか、「裸にTシャツだけ着るって事ですか?」と言っているのかの区別がつかない。これは、日頃のキャラクターが災いしている好例である。但し、嬉しそうなのは具体的に私をイメージしているという事ではなく、一般論として楽しいだけであるので念の為。

これは駄目とは書いていなかったから甲冑はOKだろうとか、全裸にコートだけ・エプロンだけというのも有りだろう等と、イノウさんは次々とネタを提供してくれていたが、甲冑は軽装なんかい?!ま、寒がりのイノウさんには、充分軽装の範囲かも知れないけど。

所長のチェックはなかなか始まらず、ミーティングなんかしている。終わったかと思えば、ややこしいメールも打っているらしい。早く見てくれ〜。やっとチェックが終わったら、もう20時だった。所長が帰った後シコシコと手直しを始めたが、もはや疲れてしまって集中出来ない。ぼやぼやしていると最後の退出者となりそうだから、ここは引き上げ時であろう。とっとと帰って来てしまった。締め切り?どうせ明日また修正が入るのだ。朝一番で先方に謝ろう。とほほ。

ルス・リマ

姉妹仲良く

Jun. 4,2003

イオの元親・肉武者@蒼さんは、日記だけ読むとどんな猛女かと思うが、常識をわきまえた頭の良い若い女性で、声は丸く優しい。電話では、あまりに穏やかなので拍子抜けしてしまった。決してケダモノのような女性を想像していたという訳ではないが、チャキチャキしているのかと思っていたのだ。実は、イオを引き取ろうと思ったより以前にも、ニルちゃんを引き取りたいと思って電話した事があった。その時には、結局私の心に余裕がなく、そうこうしているうちにカワムラやルス・リマが増えてしまい、何となくうやむやになってしまっていたのだった。恥かしい・・・。

今日、所長のチェックを待つ間、蒼さんの日記を読みに行った。猫関係の方の日記『ニャ記』を遡り、今年の初めから次々と起きていた出来事を改めて読んでいたら、胸が詰まった。若い彼女が淡々と闘っている。みょーこも闘い続けている。いや、名前を列挙するのは不可能な位、たくさんのみんなが頑張っている。頑張っていない人はそれよりももっと多いとは思うが、そっちを見ている暇はないし相手にしたくもない。士気が下がるから寄せ付けたくもない。バランスを欠いた頑張り方をしている人との付き合いもお断りしたい。

私も頑張れるさ、今のペースで何とか・・・。愚痴をこぼしながら、怒りに満ちながら、へこたれながら、でも基本的な部分で満たされていて幸せだから、きっとどうにでもなるさね。とりあえず蒼さんの保護仔猫も可愛いのだが、イオの兄弟のロンとハオも凄くイケメンなので、皆さんよろちくね。ロンとハオを貰った人は、私と親戚だよん。ルス・リマの血縁猫・小梅ちゃんを引き取る事になりそうなヤマトママとも親類だ。里親さんたちは全て私の子供だし・・・っちゅー事は、私は蒼さんの娘でもある訳だ。娘ほど歳の違う蒼さんの娘になるのは楽しいかもな。

すっかり桟のなくなった障子越しに、外を眺める美しい姉妹・ルスとリマ。この子たちを貰った事で、我が家は本当に幸せを増大させたと思う。こんな良い子はどこにもいない。良い子揃いの我が家に於いても、突出して良い子たちだ。ま、全員に対してそんな事を言っているのではあるが・・・。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system