ジーコ

頑張れ

Jun.17,2003
ジーコの不調
ここ数日、ジーコとアインが酷く吐いていたのだが、昨夜からジーコがぐったりしてしまった。蒸し暑さのせいもあるかも知れないけれど、2階の6匹の部屋は殆ど一日中エアコンを使って温度管理している。あまり寒過ぎないように頻繁に温度管理に気を使っているし、除湿器も併用しているのだが、それでも昨夜は蒸し暑かった。ジーコは殆ど食べないで、じっとうずくまっている。かつて最盛期には6.5キロあったものが、今では4キロを割ってしまった。飢えきった野良猫よりも身体は痩せて見える。背骨がゴリンゴリンに手に触れる。お腹はペシャンコだ。毛艶もとても悪い。目にも生気がない。

こういう兆候は、かなり前から認めていたのに、観念的な「愛情」だけでやり過ごして来た私の責任は重大だ。仕事にかまけ、余所の猫たちのことで時間を遣い過ぎて、うちの子たちを全て後回しにしていた。しかも次々と、一気呵成に家猫の数も増やした。新しく入った子も含め、家のみんなに申し訳ないと心では思っても、物理的な時間は如何ともし難く、ただ時間に追われて雑な日々を過ごし続けている。こんな事ではいけないと思いつつ・・・。

そりゃあ仕事は大切だ。労働してお金を稼いでこなければ、猫たちに充分な事はしてやれないし、外の猫たちにもケチケチせずに世話は出来ない。車もカメラもPCも買えないし、ガソリン代が惜しくてはあんな車にも乗れない。猫仕様にリフォームも出来ないし、幾ら2階が灼熱地獄だろうとエアコンのつけっ放しも不可能だ。働いてこそ、そして自分が価値を認めない事・優先順位の低い事には常識を外れたほどに節約してこそ、ようやくやりたい事・すべき事に自由に気前良く金が遣えるのだから。

しかし仕事に振り回されるのにも限度がある。それは解かっているのだが、加速度のついた傾向から抜け出せないのが私の欠点なのだ。人から見たら、滑稽だろうと思う。仕事もサイトの更新も、どうしてそこまで犠牲を払ってやるのか?と笑われる。どうしてなのか、自分でも解からない。やればやったで苦しいし、やらなければもっと苦しい。みょーこに言わせれば、オメーが気が小さいからだよ・・・という事になるだろう。自分も同様のくせに。

朝までジーコを撫でながら迷っていたが、思い切って仕事を休む事にした。朝ご飯を食べてから昨夜出来なかった更新を少し済ませ、8時半を待ってラボに電話を入れる。外線にはアライさんが出てくれるので、正直に事情を話した。今日はフルトさんも実家のお父さんが手術という事でお休みだし、ヤマダさんはもうず〜っと何週間もお休みが断続的に続いているし、毎週のように年休をとっているウラヤマさんも明日からはまたまた5連休だ。私だって堂々と有給をとって良いだろう。金曜日に休んだばかりだと思うと、実は心底情けない気分になるが、ジーコの方がずっと大切だものな。

ジーコをケージの中の猫ベッドに落ち着かせて、周囲をタオルケットで覆ってやる。しかしジャムがしょっちゅう覗き込んでいる。下手をすると手が出掛かる。兎に角ジーコはジャムが怖いのだから、「ジャム!」と大声を出す。そんな程度でひるむジャムではない。孫の手よりも少し長い位の「ジャム叩き棒」が必要だ。ハエ叩きのように、柔らかくしなる軽いものが良い。別にハエ叩きでも良いのだが。ジャムはアインも襲うのだ。どうして弱いものを苛めるのか?きっと、ジャムにも満たされないものがあって、ストレスを溜めているのだろう。みんな忙し過ぎる私が悪い。

兎に角、一日中、ジャムがジーコを脅かさないように見張っていないといけない。やっとジャムがケージから遠ざかると、今度はゴマが同じ事をする。「ゴマッ!」と叱ってハッとする。ジャムと違って、ゴマは叱られるとしょげてしまうのだ。しかもゴマにはオシッコという最終兵器があるのだ。やたらとは叱れない。多少叱っても平然としているのは、うちではジャムとペリーだけなのだ。ペリーもこいつはなかなか凄い。

うちの子たちの主治医であるカトウ獣医のクリニックに、車が苦手なジーコを連れずに相談にだけ行って、状況を説明する。「誰かがチョッカイ出すの?」と訊かれたので「出すんです。」と答えると「アイツか?」と前足でチョイチョイと身振りを入れて先生は言う。いつぞやアインの心臓発作の時に心電図を撮りに来て下さった時、プリント用紙がシュルシュルと出て来たのを見逃さず、あっという間に駆け寄って来て夢中になってオモチャにしていたジャムが、よほど印象的だったのだろう。

ジャムとはワクチンと避妊とアインの往診の時しか会っていないのに、先生はちゃんと覚えてくれている。背中に刺さっているワクチンの注射器に、頭だけ回転させて噛み付いたのもジャムだった。「コイツは何も考えてなさそうだもんなあ・・・。」とも言われていたっけ。愛すべき悪童である事を知っているのだ。でも、ジャムだって色々と考えてはいるんだよ、先生。

どこをどう検査したところで感染症という訳ではないし、腎不全や心筋症のような慢性疾患には、進行を食い止める為の対処療法しかない事は解かっている。しばらくは吐かずに栄養を吸収出来るようにと、療法食で様子を見る事にする。ヒルズの療法食「i/d」を少しずつ食べさせる事にした。しかしジーコがやっと3粒位食べると、デブのミュウが来て30粒位あっと言う間に食べてしまう。隔離して食べさせないと駄目だ。

ジーコは直ぐに食べたくなくなるので、残ったものを下げようとすると、マルコとゴマがわらわらと来て食べてしまう。別に健康な子が食べても良いものなので、みんなに食べさせてやる。ナチュバラのドライよりもずっと高くつくが、こういう良い食べ物が作れるのだったら、フードはみんなこういうものにしてくれよ・・・と思う。高くても良いから、フードメーカーは品質の良いものだけを作って欲しい。

ちなみに「i/d」は、消化管に負担をかけないよう脂肪を制限した高消化性の食事である。他にも腎臓病用、心疾患用、アレルギー抑制用など色々とあるのだが、今のところこれで嘔吐が治まり、体重が増えてくれれば有り難い。

アインにも食べさせるが、アインが気に入って食べているところを見ると美味しいらしい。しばらくは「i/d」を大量に買い込もう。以前、保護猫のミッちゃんが下痢をしていた時、1週間これを続けて治った経験もある。確かに効果はあるのだ。

ジャムを他の部屋に出す事は出来ない。この子はこの子で、結構ナイーブだから。パパが下の部屋に行っている間中、ドアの前で鳴いている。そんな時に「ジャム」と呼ぶと、尻尾をビリビリさせて駆け寄って来る。可愛い。いじめっ子である事と、甘えん坊で寂しがりやである事とは決して矛盾しないのだ。みんな同じに大切で可愛い。もちろん、誰かをしつこく苛めると困った子だとは思うが、だからと言ってその子だけ憎たらしいとは思えない。

多頭飼いは、本音を言えば苦労が多い。しかし、それでも尚、声を大にして言いたい。多頭飼いは、苦労を補って余りある程に幸せも多いのだと。家のない猫がまだたくさん溢れかえっている。少しの犠牲で、少しの苦労でそんな子たちが安心して暮らせる家と保護主が持てるのであれば、やっぱりあと少し気持ちを大きく持って、あと1匹受け入れて欲しいと切に願う。私たちも、あと1〜2匹は、きっと受け入れざるを得ないだろうと思う。しかし仔猫は無理だ。もう体力がついていかない。大人猫で、ある程度もう落ち着いた猫でないと無理だ。

夕方近く、ジーコが自発的にケージから出て来たのだが、ケージの中でゴトンゴトンと音がするのでタオルをめくって見ると、マルコが入り込んでいるではないか。どうやらマルコに追い出されたとみえる。3本足のマルコにすら負けてしまうのだ。尤も、今ではマルコの方がずっと大きいのだが。茶トラはまったく・・・バカと言うか無邪気と言うか・・・。

ジャム

天敵ってあたし?
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Jun.17,2003

アライさんが、仕事を休んだ私の代わりに、ラボに日参して来る野良猫のBOOちゃんとみーちゃんにエサをあげてくれた。先日の有給の日には、予め缶詰とスプーンを預けておいたのだが、今日は突発的に休んだのと、ジーコの事で頭が一杯で、BOOちゃん達の事は正直言って失念していた。アライさんのお陰で助かった。多謝。

今夜は里親募集の更新も休ませて戴く。ジーコが眠っていると、息をしていないのじゃないかと不安になるが、兎に角傍にいてやりたい。明日からは、また勤めに出掛けなければいけないのだから・・・。こうちゃん、猫たちを呉々もお願いね。明後日はリフォームも入るし(1日で終わる予定)、来週末はジーコの12歳の誕生日なのだ。いつかは終わる命でも、少しでも「その時」を先延ばしにしたいと願う。

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