昨夜は湿気のある冷たい空気が窓から流れ込んで来て、すっかり冷えた。

昨日、みょーこにトウモロコシの茹でたものを貰った。朝、それをこうちゃんと１本ずつ食べた。見ると、こうちゃんは食べ方が下手だ。トウモロコシの芯が汚い状態で残る。これが私は気に食わない。食べ方を教えてやる事にした。先ずは１列だけ、面倒でも丁寧に１粒ずつ指で捻り取る。短気でせっかちな私ではあるが、ここの作業だけはきちんとしておかないといけない。この後に楽が出来るし、食べていても食べ終わってもスッキリ出来るのだから。

１列が綺麗に歯抜け状態になったら、やっとそのまま齧り付ける。固いトウモロコシであれば、あとは指の腹でザックリと何個かずつこそげて取れる。しかし最近のトウモロコシは、甘くてやわい。トウモロコシと心中したい程のトウモロコシ好きのみょーこが、わざわざ八百屋で選んで買って来ただけあって、これは甘味が少なくて粒もしっかりしていて美味しかった。お腹がペコペコだったので、今回は歯を使う事にした。

テーブルを挟んでこうちゃんと向かい合い、同じようなポーズで黙々とトウモロコシを食べる。しかし、食べ進む途中で、こうちゃんの食べ方が気になって仕方ない。粒が、芯からきちんと取れていないのだ。だから汚い。「こうちゃんて、子供の頃あんまりトウモロコシ食べさせられていないでしょ？」と訊くと「うん。」と言う。そうだろうな。全然、年季の入っていない食べ方だもの。私など群馬の出だから（・・かどうか判らないが）、夏休みのおやつの定番は茹でたトウモロコシだった。買って来る訳ではない。どこからか貰うのだ。

ちょっと車で走ると（走らせるのは父だが）、トウモロコシ畑がいっぱいあったと記憶している。兎に角トウモロコシや筍、柿、イチヂク、ザクロ等は、買って食べるものだという認識はなかった。かと言って、盗んで食べていた訳ではない。実母はお節介な人なので色んな人の面倒を見ていて、お礼に農作物を貰う事が多かった。３０キロの米袋に一杯の茄子や胡瓜、大量のシイタケ等も届けられた。シイタケは干しシイタケにしていたようだが、大量の茄子・胡瓜など困る。お裾分けしていたのだろうが。それから大量のトウモロコシの皮を剥くのは、子供たちの仕事だった。

私はトウモロコシなんか、全然好きではなかったから、皮を剥かされるのは面倒だった。妹はトウモロコシもじゃが芋も好きだ。バナナだって食べる。私は、そういうモノが悉く嫌いだったのだ。豆・芋・モタモタした食感の食べ物が嫌いだった（今も好きではない）。しかし食べる事は食べていた。いちいち好き嫌いを言うと怒られたし、茹でトウモロコシはいつも大量にあったのだ。いつもいつも食べていると、そりゃあ食べ方が上手にもなる。

１列が綺麗に歯抜けになったトウモロコシは、上の歯ではなくて下の歯でこそげ取るのが正しい。しっかりと粒の付け根に歯を当てると、根元（根じゃないが）から綺麗にこそげ取れる。こうして食べた後の芯は誠に綺麗で、しばらくキッチンに飾っておきたい位だ。もちろん捨てるが。