マルコ

勇猛果敢

Aug.28,2003
朝の外気のひんやりと冷たかった事。エアコンのコンプレッサーを休ませようと、スイッチを切る。途端に部屋の中が湿気てを帯びてくる。温度よりも湿度が問題なんだな。夏風邪のあぃるすは、冬のそれと違って湿気が好きだと言うから、やはり湿度をなくさないと、人間も猫も風邪を引き易いという事になるのだろう。

それは兎も角として、実際、湿度の高い日にはジーコも辛そうだし、亜寸の目やにもルスの涙目も酷い。抗生物質の入った眼軟膏は全然効かなかったけれど、液体の抗生物質入りの目薬で、驚く程に赤い涙が止まった。一日に6回も7回も涙を拭き取っていたのが嘘のようだ。

ナンシー関の『記憶スケッチアカデミー』は通販雑誌に連載していた頃から楽しんでいたが、文庫本で出ていたのでつい買ってみた。絵心のない人が投稿した、鮮明な記憶で以って描く「お題」のカマキリやカエル、パンダなどの絵が可笑しい。絵心のない人が、不鮮明な記憶で描くものも勿論可笑しい。しかし、不鮮明な記憶で絵心のある人が、その画力で力技とも言える強引さでデタラメを描ききってしまうのもまた凄い。私も是非描い投稿してみたかった。試しにカマキリを描いてみようとしたら、全く描けない。胴体と足はどんな風に結合していたのかとか、振り上げる鎌を持つ手(これも足か?)は一体幾つの節で構成されているのかとか、さっぱり解らない。金太郎とかフランケンシュタインなどは、とてもきちんと描けるのだが。

ちなみに私は絵心はある方で(そりゃあそうだろうよ、浪人中までは美大志望で毎日デッサン描いていたんだから、今更「絵心全然ありません・・・」なんて言ったら、浪人まで許して月謝を払っていた母親は泣くよなあ・・・そんな昔の娘の挫折の歴史を覚えていれば・・・だが。)、そうするとこの場合はちょっと面白味に欠けるのだ。カエルを描いて岸田今日子に見えるようでなくちゃ、不二家のペコちゃんを描いて大空真弓に見えるようでなくちゃ、フランケンシュタインを描いて立花隆に見えるようでなくちゃちっとも面白くないのだ。

挫折は山ほど繰り返されたが、せめて今からはそれが最小限に食い止められるよう、苦手な努力をしているのだ。人生の最後の季節が近づいているからこそ(直に死ぬという訳ではないはずだが、少なくとも春も夏も再び訪れない事だけは確かだ)、悪足掻きをしないではいられないってところかな?

今日は、帰り道に車の中に大きな蜂がいる事に、産業道路に合流してから気付いた。ラボの庭でハッチを開け放ったままエサやりをしている時、まんまと入られてしまったのだろう。薮蚊が入り込んでいる事は良くあるが、蜂は初めてである。蜂も車が走り出してしまった事に慌てているらしくて、ハッチのガラスにへばりついてオタオタしている。時々ブーンと羽音がして、ガラスに体当たりしている。

私だって不安だ。パニックを起こした蜂が、私を刺しに来たらどうしよう・・・と思いつつも、車を停められるタイミングがなかなか見つからない。こういう日に限って、どこの信号待ちも短くて済む。八丁畷の駅の手前で、踏み切りが開くのを待つ間に、車から降りてハッチを開けて逃がしてやった。随分と遠くまで来てしまったけれど、ちゃんと帰れるかな?蜂は集団生活しているのだろうから、迷子になったら困るだろうな。ごめんね、蜂、元気に生き延びてね。

午後の利尿剤を飲むタイミングがちょっとだけ遅かったようで、帰宅途中でオシッコしたくて仕方なかった。家までは辿り付いたものの、ガレージに車を入れるのはもうアカン・・・出て来てくれたこうちゃんに代わって貰い、私はヨボヨボと(もう、とても走れない)トイレに向かった。ああ、情けない。いい大人が漏らさなくて良かったね。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system