ジーコ

痩せても枯れても

Aug.29,2003
朝、私の車の前を白の三菱コルトが走っていた。信号が青になっても、直ぐには反応しない。対向車が来るとブレーキランプがマメに点灯する。鬱陶しい運転の典型なので、どんな奴が運転しているのかついつい観察してしまった。先ずは若い男らしい。助手席には若い女が乗っており、だらしなく窓から腕をブラリと垂れ下げている。男の頭の位置が女に寄り過ぎていて、車の中央に来ている。そればかりか、停車時には跳ねているのだ。「舞踏病」とはこんな感じではないのかと思うような、ただ事ではない跳ね方である。そんなに暴れてちゃんと運転出来るのか?大丈夫なのか、若者?!そう思っているうちに、さんざん車を揺らしながら右折して行ってしまった。ああ良かった、怖いもの、ああいうドライバの後から行くのは。

ラボに着くと、毎朝水を撒くのが日課になった。エサやりをした後、1メートル足らずの短いホースで撒くのだが、そもそも水道管はただの錆びた鉄管で、ホースの径よの太い。ホースに切込みを入れて何とか繋いでみているものの、手で握っていないと水圧で外れてしまう。

ホースの水が届く範囲は、念入りに一杯撒く。車にもかける。ホースが届かない場所は、バケツに汲んで柄杓で撒く。しつこい性格だからね。

今日は朝と昼休みの他にも、一休みする度に撒いた。全部で5回は撒いたと思う。
水道はこんな有り様。何しろ古い建物だからね。タキタさんは、消火栓のホースで撒けと言うけれど・・・。
私の車の下で涼むみーちゃん。

車の番をするのがお仕事という事になっているので、どんなに暑くても一日中ここに陣取っている。それがちょっと得意らしい。

ぶーちゃんなどみーちゃんにはとても太刀打ち出来ない位、みーちゃんは強いのだ。
クワハラさんが置いているバイクの陰で涼むしーちゃん。

濡れているのはオシッコではない。

しーちゃんは、藪の中で休んでいても、私が外に出て行くと鳴きながら駆けて来る。そしてお腹を見せてゴロン、ゴロンする。可愛い。でも、他の人間が近づいて来たら逃げるんだよ。

この水撒きは、日に4回はする。仕事に疲れると、しばし水撒き。その都度、猫たちがにゃーにゃーと寄って来る。時折、お皿が空になっているのを確認するとご飯をあげる。仕事量が憤死する程多いのと、シックハウスで苦しい事を差し引いても、何と恵まれた職場だろうとつくづく思う。業務室のオグラさんにも、家主のJFEのツカモトさんにも、エサやりしている事はバレている。避妊して増やさない努力をしている事も伝えた。別段、問題視されなくて助かった。

午後からは大問題が飛び込んで来た。まだ目も開かない仔猫を病気女性が保護して、ギブアップしたケースのSOSだった。自宅宛てのメールを職場でチェックしたら、とんでもない展開になって行った。何度かやりとりをし、あまりにも訳が解からないので、ついメールでヤキを入れた。貴女は子供なんですか?大人なんですか?ご相談には住所と電話番号は知らせて欲しい、何度言ってもそれが出来ないならば相談は打ち切りです、助けられません、安楽死などという脅迫のような言葉を出すのであれば、私はそれだけで助けませんよ、他人に一方的にお願いをしようとするからには、私の言う通りの事をひとつずつしなさい・・・という具合に何度もメールを送って、かなりカッカしていたと思う。

しかしそのままでは埒があかないので、この人では里親募集すら無理だと判断し(だってメールではコミュニケーションがとれないのだもの・・・)、預かりをしてくれるか、若しくはうちまで搬送をしてくれる人を掲示板で募った。自分が出来ない事を引き受けるのは良くないという信念があるので、こういう呼びかけをするのは辛い。しかし最悪の場合は明日の晩、車を走らせて滋賀まで引き取りに行ってしまえ。常識をはずれた事ではあるが、職場に連れて行ってこっそり車の中で授乳しよう、うまく行けば体育館のどこかにケージでも置けて、何とか数週間だけならば子連れ出勤でも育てられるかも知れない・・・などと悲壮な覚悟していたのだが、蓋を開けてみて吃驚した。本当にたくさんの人たちが預かりの手を上げてくれていたのだ。搬送もだ。

メールしてくれた人、掲示板で申し出てくれた人、留守番電話に入れておいてくれた人・・・嬉しくて、このドライアイも涙で潤いそうだ。有り難う、皆さん。祈ってます・・・と言うだけではない、力強い行動を伴なった応援が心から有り難い。一番喜んでいるのは、私を心配しているこうちゃんだろう。私に無茶をさせたくなくて、明日の晩、一人で滋賀に行く等と言っていたから。一人で滋賀なんて無理だよ、交代で運転しないと。もう若くないんだよ、こうちゃんも。

約束通り、9時には保護主から電話があった。必要な要件のみで簡単に切り上げ、あとははなちん先生に連絡をとる。実はまだ行き先は決まっていないのだが、兎に角今夜のうちにおプリ金井和尚とはなちん先生が、車で引き取りに行ってくれる運びとなっているのだ。そして今夜は金井さんのお寺に置いて貰い、明日以降、預かり先を調整させて戴く事にした。何たって、まだ仔猫の様子すら良く解からないのだ。

ともあれ、問題は解決への一歩を踏み出したばかりだ。いちいちここでは書かないけれど、持ち込まれる問題は毎日毎日次から次へと・・・もしかして私が悪いのか?

頭が痛い。これはシックハウスの頭痛。鎮痛剤を飲む前に、運転してエサやりに行って来よう。これは鶴見の方だ。全員ラボの庭に集められたら楽なのだが・・・。

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