ゴマ

膝の上

Dec.19,2003
2003年12月19日
インフルエンザは、やっぱりこうちゃんにもうつしてしまった。私達は年甲斐も無く仲が良いので、これはまあ当然の結果であろう。しかしキスもしていないのに、インフルエンザウィルスは空気感染する事が我が家でも立証されたな。二人してマスクをしている。そのマスクをジャムが舐める。寝ているとザリザリと音がする。またジャムか?!と思うと、今度はゴマだ。うっとりと目を閉じ、舐めていたかと思うと、時折マスクを噛んで引っ張っている。「風邪がうつるからやめなさい」と制止するのだが、なかなかにしつこい。猫の唾液で、マスクがしっとりしてしまう。それは一向に構わないのだが・・・。

人間の風邪のウィルスは猫にはうつらないと言われるが、新型のコロナウィルスは動物から人間にうつったと言うではないか。こうちゃんにうつってもまあ仕方ないが、猫たちにうつす訳にはいかない。こうちゃんは嫌々ながらも薬を飲むけれど、猫たちに薬を飲ませるのは大変過ぎる。特にゴマとジャム・・・歯を食いしばるので、私の指は傷だらけだ。賢いサビ猫たちは、むざむざ口を開けて喉の奥に錠剤など突っ込ませないのだ。

こうちゃんは熱が高いのに、私を優先的に休ませようとして無理をしている。雪になるかも知れないと言って、スタッドレスタイヤに交換に行ってくれた。私はその間、ぬくぬくとしていたのだ。今や雨戸を締め切って光さえ入らない状態にしてタイヤ保管室と化した6畳の和室から、タイヤを運び出す事すら私には手伝わせないこうちゃん。ま、私がちょっと持ち上げようとしてみたら、物凄く重くて、とてもじゃないけどあんなモノ抱き上げられなかったんだけど。それにしても、うちのこうちゃんてば、徹底して妻を大事にする。ただのやさ男ではないのだ。

私達はスーパーの買い物も常に一緒に行く。荷物は全部持ってくれる。そもそも玄関で靴を履くのですら、手を差し出して支えてくれる。どこであれ、階段の上り下りでは自然に手を繋いで支えてくれる。歩く時にも手を繋ぐ。私の足が悪くなってからは特に、そうやって気遣ってくれているようだ。なのに威張りん坊のカズエちゃんは、「もっと速く歩いてよ」などと憎まれ口をきく。こうちゃんは、私を労わってゆっくり歩いてくれているのに。罰当たりな妻である事よ。でも大切にはしているからね。どうやって?う〜ん・・・食事はきちんと作るし・・・それだけか?

ゴマ

落ちちゃうよ

Dec.19,2003

人に相談する場合、アドバイスを聞くつもりがないのであれば、人の大切な時間と労力を奪うだけに終わる相談などすべきではないと常々思う。愚痴を聞くだけでは、ネガティブな思いに引きずり込まれて厭だ。どんな解決策でもいいから、オリジナルの対策を考えてそれを実行するのでなければ、私には興味がない。私は難病患者だが、気力で保っている。気力を萎えさせるようなものとは触れ合いたくはないのだ。壁があったら突き破りたい。

と同時に、大変に気の小さい人間でもある。みすみす自分が抱えきれないものは抱え込みたくない。ギブアップしなければならないところまで、自分を追い込みたくはない。そうならずに済むよう、日頃から自分に箍を嵌めているのだ。それがどんなに非情に思われようと、最終的に誰かの助けを借りなればならない状態にならないで済むよう、少しだけ余力を残していたい。

全ての家のない猫は救えない。自分がエサをあげている子だけであっても、全てを引き取る事は出来ない。寒くなれば毎日心配で辛い。でもその苦しさと自分の非力さをじっと受け止める。それは私のバネとなるはずだ。どうしてもやりたい事の為には、他の楽しみは諦める。全てを手に入れる事など、不可能なのだから。自分がやると決めた事で、もう挫折しなくて済むには、どうでも良い事は切り捨てるしかないのさ。何度も言うけれど、時間にもお金にも体力にも限界があるのだから。

こうちゃんは熱が上がって来た。だから今夜は、私一人でエサやりに行くぞ。

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