ミミ&ナナ

Feb. 21, 2004
2004年2月21日 土曜日
今日は、ミミとナナのお届けだった。先ずは朝風呂に入って凝り固まった肩や背中をほぐし、髪を乾かす暇もなくミミとナナが到着。時間通りの到着だった。流石Kさん。この方のお陰で、今回はトントンと事が運んだのだ。私では、とてもあのシェルターを相手にして、迅速に引き出す事は出来なかっただろう。

そもそもシェルターが私を避けるだろう。私にはちょっと負い目があるからね。先回りして私を悪く言っているらしいところも、やましさの証拠だ。曰く、私がいい加減な里親に渡しているから早く決まるというような内容らしい。おい、かつての里親さんたち(おニャアニャン、おブリ様、明美さん)、Sさんにいい加減な里親呼ばわりされているぞ。まったくもう・・・だね。

Kさんとは初対面だったけれど、電話のやりとりだけで信頼出来る相手だと感じていたし、Kさんもまた私を信頼して渡してくれたのだと思う。一緒にスープとパンで軽食を摂り、12時に家の前でお別れした。私達は里親さんの元へと、ケージやトイレ、トイレの砂、フードを積み込み、仔猫たちのキャリーは膝に乗せて出発した。

約束の時間より早く目的地に着いたのだが、マンションの裏手の行き止まりの道に行ってしまい、フェンスを乗り越える訳にもいかず、ぐるりと回り道してエントランスに辿りつき、玄関チャイムを鳴らしたら5分遅刻してしまっていた。時間を守るのが好きなのに、ダメじゃん。

玄関のドアを開けてくれたのは、ご主人の「ヒデちゃん」だ。想像していた通りの、穏やかで優しい顔。実はご主人とは何日にもわたり、濃い内容でメールのやり取りを繰り返していたのだ。仕事の事、ものの考え方や将来の事、これまでの事・・・・・長いメールが何度も行き交った。相互理解はかなり深まりつつあったし、今後は猫の関しては勿論だが、それ以外の事でも友人としてお付き合い出来る相手だと感じていた。

今日はお仕事のはずだった奥様の「レイちゃん」も、休みをとってお待ち下さっていた。「天井桟敷」の女優のような、ハッキリ言えば緑魔子のように「雰囲気」のある女性だ。テレサ・ちんとも少し似ている。どこが・・・って、丸顔で目が優しいところかな。おっとりとしていて、育ちの良いお嬢さん(そういうところもテレサ・ちんと同じか)という感じだ。しかもユーモアがある。ヒデちゃんも違いの解かるオトコだから、まさに似合いのカップルだった。

コーヒーを戴いてから、2匹の当面の隠れ場所となるであろうケージを組み立てた。初めて見るタイプだったので、ジョイント金具(実際はプラスチックだが)をどうはずすのか、留めるのか試行錯誤していたら、ご主人・・・いやヒデちゃんが「わたしがやりましょうか」と言ってくれたので、私は奥様もといレイちゃんと応援団に回った。

無事組み立て完了し、2匹は早速ケージの中の真新しい素敵な猫ベッドに落ち着く・・・いや、固まる。写真は、あまり怖がらせないようにとファインダーを覗かずに手だけ差し入れて撮ったので、写りはイマイチかも知れないが、そこは本人(猫)たちの美貌がカバーしてくれていると思う。兎に角美猫だ。そして小さい。目が合うと威嚇するが、「あ〜そうなの、シャーなのね〜」と、こちらも余裕だ。

いつかは馴れる。それだけは間違いないので、どうか当面は苦労しても、その苦労を楽しんで下さいね・・・とお願いするが、そんな事は先刻ご承知のお二人。どんなに月日がかかろうとも、ギブアップはしない覚悟をしていらっしゃる。今朝戴いたメールにも、「新しい家族を迎えて得られる幸福感だけでなく、その前に経験することになるだろう苦労すら楽しみに思えます」と言って下さっていた。何て素敵な考え方だろう。

ケージにはカバーを掛けて(私も大好き、赤いギンガムチェックの可愛いカバーだ)、兎に角猫たちを休ませる事にして、人間たちはお喋りに興じる。仕事についても、音楽や映画に関しても、色々と興味の対象がかぶるところあり、しかも話の組み立てがとても知的なカップルで、楽しい時間だった。驚いたのは、レイちゃんは私と同じ「明和電気」のファンクラブの会員(電協の組合員)だった。ソニービルや蒲田でのライブ(ライブとは言わない。壮行会だったり、製品発表会だったりするのだが)でも、この4人は知らずに同じ会場に居合わせ、一緒の空気を吸っていた事が判明。

あっという間に時間は過ぎ、夕方になってしまった。もっと話していたかったのだが、アインの具合も心配だし、なごりは尽きねどお暇する事にした。別れ際にケージの中を覗いたら、またしても威嚇されたが、その口の小さくて可愛い事!余力があれば、自分で育てたいような子たちだった。幸せになれるよ、必ず。新しいパパとママは、あんた達を決して見捨てないからね。

新しいケージに落ち着いたところ
ミミは怖くて耳反りしてます
だけどこんなに可愛いの

将来が楽しみ!
綺麗な淡い縞三毛のナナ

隙あらば威嚇します
パパとママも緊張してます
先住猫の
ダッチャニー(♀)
とてもたくさんお話をしました
眠ってませんよ、
神妙に頷いているところです
奥様はなんと、
明和電気組合員仲間でした

手が大きくて指がとても長い!
違いの解かるオトコ・・・
なんちて

家に戻ってからは、留守番に抗議する猫たちに謝り、ご機嫌をとり、トイレとご飯のお世話をさせて戴く。夜には、昨日約束していた通り大学生のやなぎさわさんからご相談の電話を受け、交通事故に遭って失明し、エイズキャリアの「キンタロウ」君のSOSを立ち上げる事と、必ず良い結果が出せるまで応援する事を約束する。

相談の内容といい、電話で話した感触といい、とても素直で謙虚で礼儀正しいお嬢さんだ。彼女の人柄が私を動かしたのだ。本当に賢い人というのは、こうして謙虚なものだと改めて感じた。これまでには高飛車で不遜な学生もいたけれど、ああいうのが例外的なのであって、猫を見捨てられず保護して自腹で治療させるような学生だっているのだ。蛇足だが、ミヨコの大学の後輩である事も判った。

既に退院出来るところまで来ているのに、里親さんがみつかるまで置いていられる家がない。当座は入院を続けるのだが、もちろん費用がかかる。彼女は健気にも、自力で出来るだけ頑張ると言っている。一時預かりも含めて、里親さんを募集したいと思っている。写真はとりあえず携帯のカメラで撮ったものだが、月曜日にはちゃんとデジカメで写して貰い、送られて来たら即座に募集ページを作る予定。

今はまだ傷跡が痛々しく見えるが、傷が癒えてくればきっと、かつてアライグマに齧られてしまったエドワード君が里親であるゴン婆の元でジニー君となって愛され、幸せな生活の中ですっかり愛らしく変身したように、キンタロウ君もこれからどんどん可愛くなると思う。先行で予告してしまったけれど、SOSが発信された暁には、どうか応援宜しくお願いします。

アインの涙目が酷いので、また少し抵抗力が落ちてきているのだろう。こんなに暖かい日だったと言うのに・・・。強制的に食べさせた後、目を拭き、薬を飲ませる。一日ずつ頑張れ、アイン。もうじき春が来て、誕生日には14歳だよ。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system