アイン

元気な頃の毛繕い

Mar. 4, 2004


2004年3月4日 木曜日 午前5時

午前3時。誰かが激しく吐く気配で目が醒めた。アインだった。4回ほど酷く嘔吐した後、トイレに入ろうとして、トイレの前で黒いタール状のウンチをした。咄嗟に血便だと判断した。見るとトイレの(アインがウンチする)定位置には、アインのものらしき固いウンチもあった。

その後暫くして、今度は別のトイレに入って嘔吐、また別のトイレに入り鮮血に近いウンチをした。何が起きているのか、見ていて辛いばかりで解からない。アインは具合が悪い時に決まって入るマルコケージに自ら入り、猫ベッドの縁に前足をかけてじっとうずくまった。

薬を飲ませてから、背中に手を当てて声を掛ける。「頑張って」・・・こんな言葉しか出て来ない。部屋は暖かいけれど、更にペットボトルに熱湯を入れたものをケージの周囲に立てる。ケージ専用に置いているパネルヒーターも効いている。私は暑くて着ていたトレーナーを脱ぎ、半袖のTシャツに着替える。

血便やタール便の原因を考える。腸の炎症だろうか。心筋症と診断されて以来、2年ワクチンはやめていたが、昨年から再び接種している。パルボとは考え難い。嘔吐も伴なっていたが、腎不全も進んでいるのだ。血便と嘔吐は、同じ病気から起きているとは限らない。昨夜、少し調子良いと書いたばかりなのに・・・それでもやはり心配で、ぶーちゃん部屋では寝ずに、2階でアインとジーコの傍で寝ていたのだが・・・。

まだ5時だが、9時になるのを待って病院に連れて行こうとこうちゃんと話し合う。ここまで来ると移動がストレスとも言っていられないし、同時に、もはや手の施しようがないのかも知れないとも思う。泣きたい。でも全ては夢を見ているようで、実感が乏しい。時間の経つのが恐ろしく遅い。

下の子たちの世話をこうちゃんに任せて、私はアインの傍にいる。マルコを追うジャムを、ゴマがシバいていた。ジャムはゴマに叩かれると、情けない声を出していた。

同日 午前11時20分
6時少し前に、アインがうっすらと目を開けたので、スポイトで水を少し飲ませる。そのままぐったりしているので、それ以上の事は出来なかった。7時には、泡だった胃液を少し吐いたので、吐き気が治まってから、アイオニックシルバーを5滴スポイトで与える。

8時20分に職場に電話をして、仕事を休む旨をフルトさんに伝える。アライさんにも伝えて欲しいとお願いしておく。やらなければならない事が山ほどあるのに、休むのはちょっと痛い。しかしアインは今日がヤマだと思う。ここを乗り切れれば、また今日の分も「詰めて」働くさ。

朝一番で病院に入ろうとすると8時40分には家を出たかったのだが、その時刻にはアインが熟睡していた。ちょっとでも触られるのを嫌がるので、かなり苦しいのだろうと察する。心筋症の発作の時も、部屋の隅で壁を向いてじっとしていた。堪らず触ると、苦しい息で場所を変えようとした。今はとても動かせない・・・と判断する。

マツモト先生に、ご迷惑を承知で電話をする。全ての経過を話して、直ぐに連れて行った方が良いかどうかを相談してみた。下血の原因も、腎不全からくる場合もあると言う。水が飲めなくなれば輸液も必要だが、それ以外に対処療法もないのが事実だ。動かさないでいる事を、この時点では選択した。先生も、その辺りの事情や心情を解かって下さっている。

11時近くに、アインは自発的にベッドから出た。力ない足取りでウロウロしてはシンクを見上げているので、目の前に水の容器を差し出すと大量に水を飲んだ。いつまででも飲んでいる。私の手元に来て以来13年8ヶ月、こんなに水を飲んだ事はなかった。ミュウやジーコと比べると、殆ど水を飲まない子だった。そしてトイレ。オシッコだけして、再びマルコケージへと戻る。

先生にそれを言うと、良かったですね・・・と言われる。あまり一度に飲みすぎて、気持ちが悪くなって吐く場合もあるので注意してあげて下さいと言われる。しかし、水が飲めれば先ずは少し安心だ。次はご飯だが、スプーン1杯程度を、時間をかけて少しずつ口に入れて食べさせる。どうか吐かないで欲しい。

部屋が暑くて仕方ない。半袖でいても暑い。しかも加湿しているので、蒸し暑いと言っても過言ではない。おまけに更年期でもあるので(勝手にそう思っているだけなのだが、まず間違いないだろう)、私は暑いぞ。しかしマツモト先生も「暖かくしてあげて下さい」と言っていたので、オイルヒーターと湯たんぽと加湿器で2階はサウナのようだ(ちょっと大袈裟)。

同日 午後2時30分
水とフードを少しずつ強制的に与える。胃腸が炎症を起こしているとしたら急激にたくさん食べさせるのは危険だろうから、空腹時にアイオニックシルバーとビオフェルミンを与えた上で、少ししてから舐めさせるようにして給餌する。水分なのかコロイダルシルバーなのか、インターフェロンなのか・・・何が効いているのかは解からないが、兎に角下痢は止まっているし、7時からは吐いていない。マルコケージのベッドの中で、ぐっすり眠っている。

今のうちに、火曜日に捕獲して避妊して貰った「ももちゃん」を、引き取りに行って来よう。明日の朝までは玄関の中に置いて、明日の朝リリースに行こう。いや、仕事に行った時にリリースしよう・・・と言うべきか。

仕事に出ていて傍に居てやれないのも辛いが、傍で見ているしかないのも辛い。しかし私の気持ちはどうでも良いから、アインがどうして欲しいのかを優先すべきだろう。目覚めて私の姿があると、安心したかのようにまた眠る。勝手な解釈だとしても、アインは私を求めていると判断する。明日までアインが持ち越せば、私はまた仕事に行くしかないだろう。いつまでも傍にいてやれれば、そんなに幸せな事はないが。

しかし同時に、全ての事には「とき」がある。その事を思う度、少し気持ちが楽になる。どう思い煩おうと、どうもがこうと、何一つどうする事も出来ないのだと知る事が、今の私には肝要だ。

ミュウが死んだ事実を今もまだきちんと飲み下せないでいるけれど、あれも決められた「とき」が来たに過ぎないとは思っている。そして無くなったのは肉体だけであり、ミュウは今も我が家の猫たちの最上位に君臨し続けている。

ミュウの死に合わせて、私に一番ダメージを与えようと画策して攻撃を仕掛けてきた中京地区の30半ばの女子大学院生がいたらしいが、私にとって大切な存在でも何でもない人間が私にダメージなど与える事は不可能だと知るべきだ。馬鹿と下劣な人間性の証明をご苦労である。どうか出来るだけ長く続けて下さい。いずれちゃんとお礼はさせて戴きますね。

同日 午後8時45分
ももちゃんを迎えに病院行き、アインの事を先生に報告する。もはや手の施しようが無いとも言えるし、このままもちなおしてまた暫くは元気な状態が見られるのかも知れない。アインは何度も奇跡的に回復してきた強い猫だ。元気にならないとは決して言えない。

ももちゃんは、たくさんの猫の気配のする家の中よりは、車の後部座席に置いたままにしようと思う。車はガレージに入れてあるので、必要以上に冷えてしまわない。夏は涼しく、冬は暖かい場所なのだ。念の為、湯たんぽも車に入れてやり、窓を少しだけ開けてある。ご飯もちゃんと食べているし、先生曰く「脂肪が凄かったですね・・・」という事なので、体力もありそうだ。あと一晩の辛抱だよ。

ホタテでクリームシチューを作りながら、猫たちにもホタテを「チン」して与える。アインの口にも小さなかけらを入れてやった。ちゃんと飲み下していた。一番ホタテが好きなのはゴマだ。昨夜のカマボコも、ゴマが一番食べた。次がジーコだね。いやしんぼうのジーコ。

下の子たちは、実は人間の食べ物を与えないようにしている。目の前で食事をしないので、それが可能になっているのだ。目の当たりにしたら、肉だろうがホタテだろうが、食べたいに決まっている。今はプレミアムフードだけで満足してくれているし、みんな健康で良く食べるので、わざわざ栄養のバランスが偏った人間の食材で満腹にさせないようにしたいのだ。ホタテ貝柱の刺身は、具合の悪い子のご馳走だからね。

同日 午後11時59分
《猫の手倶楽部》の大口支援者でもあった、亡きちー君の飼い主さんが、アインの為にとわざわざお仕事の後でサプリメントを色々と届けて下さった。同じ市内なのに今までなかなかお会い出来ずにいた方だったので、やっと会えたという感じだ。スラリとした長身の知的な女性で、アインは自らスリスリしてお礼を言っていた。

そう、夜にはアインは歩き回っていたのだが、そのせいか息が荒くて、そして酸素不足のせいなのか貧血のせいなのか鼻先が白くなっていた。「君は赤血球が不足している感じだね」とちー君のママにも言われていた。

アインは歩いたから疲れたらしく、またマルコケージの中に自発的に戻った。朝まで何事もなく過ぎると良いのだが・・・。一日一日が勝負だ。頑張れるね、きっと。やっと写真を貼り付ける気持ちにもなれた。但し今日のものではない。元気だった頃の写真だ。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system