サクらちゃん

窓辺のベッドで

Mar. 28, 2004

2004年3月28日 日曜日

開花宣言が出てからずっと1部咲きのまま寒さで足踏みしていた桜だったが、昨日と今日の暖かさで一気にはじけて咲いた。ケージから出して窓辺で写真が撮れたので、「サクら」ちゃんの里親募集を開始してみた。奇しくも今日は妹の誕生日でもある。桜の咲く時期に生まれた妹は幸せだ(生まれた本人は、桜が咲いていたかどうかなど覚えていないだろうが)。

妹と母親がいる病院に祖母に連れられてお見舞いに行った私は、七五三の三才のお祝いに来た「おべべ」を着て行くと言って聞かず、暑苦しくも赤い着物を着て行ったらしい。寝かされておっぱいを飲んでいる妹が羨ましく思ったらしく、「カズエちゃんも寝て飲む」と言って聞かず(こう書いてみると、まるで聞き分けの無い子だな、私も)、哺乳瓶をくわえさせて貰ったところ、赤ん坊とは桁違いの力で哺乳瓶の乳首をむしり取り、顔から着物から大量のミルクにまみれて叱られたのだった。

屁理屈を言わせて貰えばだな・・・そんな大量のミルクを入れて渡しておきながら、いざという時に叱る大人が悪い。どういう場合でも、事故はあり得るのだ。ビルの回転ドアに子供が頭を挟まれて死亡する事だってあり得ると思って、保護者は充分注意しなければいけないのだ。

私は梅雨の真っ盛りに、ジメジメっと生まれたんだな。せめて死ぬ時は、桜の咲いている時期であって欲しい。

閑話休題。サクらちゃんの里親募集である。里親さんに望む条件が、いつも以上に多くなってしまった。随分と不遜な募集に見えてしまうかも知れない。でもそれでご縁がなければ、それはそれで良いと思っている。今までで一番飼い易い、おとなしくて従順で愛らしい子だけに、どんな人にでも懐いていじらしく振る舞うだろう。サクらちゃんを飼えない人は、どんな猫も飼えないと言える程だ。それだけにハードルを高くしたい。

サクらちゃんは仔猫でも長毛でも純血種でもないけれど、私が野良猫(野良に生まれた子だろうが、捨てられて野良になった子だろうが)に対してどれだけの想いを込めているのかを、これからも見せて行きたい。理解されなくても元々だ。その時は喜んでうちの子にさせて戴く。

鶴見のみんなや、みーちゃん、しーちゃん、黒岩さん、それぞれに対する想いは、うちの15匹に対するものと変わらない。サクらちゃんも同様だ。自分が捕獲・避妊してエサやりしていた猫たちは、自分の猫だと思っているから。そしてエサ場から保護出来た猫というのは、本当に格別に愛しいのだ。みーちゃんを何時の日か保護出来たら、当座はもう思い残す事はない。終わりはないのだと解かっているけれど、みーちゃんもまた特別な猫なのだ。

みーちゃんはイオを空港に迎えに行く道中で、あの台風の大雨の中にリリースした。側溝から溢れた雨水で池のようになっているところを泳ぐようにして逃げて行った姿が忘れられず、何故あの時にリリースしてしまったのかと、後々になって何度も何度も悔やんだ。

あれから我が家では、一体何匹が増えたというのだ。それを考えれば、あの時みーちゃんを飼えないはずがなかったのだ。ずっと、今もこれからも済まない気持ちでい続けるだろう。みーちゃんにしてみれば、放して貰えてやっと安心したのかも知れないが、私は今ではどうにかしてみーちゃんを捕まえたい。そしてうちに連れ帰りたい。

しかしみーちゃんは、流石に「賢い三毛」だ。よほど懲りたらしいく、捕獲器を見ただけで逃げてしまう。もちろん素手では捕まらない。それでも宿願としよう。みーちゃんをうちの子として迎える事を。

八郎改めハッチ

Mar. 28, 2004

大田区のボランティアさんの保護猫を代理投稿してくれているおまん様が、エイズキャリアで腎不全、そして盲目の「八郎」くんの募集を中止して、自分の家に迎え入れてくれた。獣医には既に見放されたと言う。(詳細はこちら)それでも、おまん様が八郎が忘れられず我が子にまでしたのは、八郎がおまん様を選んだからだ。ボランティアさんは、当時保護猫も家猫も外に出していた。目の見えない、病気の八郎までが出されてしまっていた。(改善をお願いし、今では完全室内飼いを実践する気持ちになって下さっている)

おまん様がボランティアさんの家で代理投稿する為の写真を撮っていた日は、とても寒い日だった。家の中でヒーターの傍で寛いでいた八郎も、ボランティアさんが仕事に出掛けるにあたり外に出された。おまん様が帰ろうとした時、外で八郎の姿を見た。名前を呼ぶと、ついさっき一度だけ会ったおまん様に駆け寄って甘えたと言う。その時既に、おまん様は心に決めていたのだと思う。八郎は自らの実力で、安住の家と飼い主とを得たのだ。

八郎の命が少しでも長く続く事を、今はひたすら祈りたい。祈るだけでは屁の突っ張りにもならないので、私は私でやるべき事を頑張る。だからおまん様も歯を食いしばって頑張れ。これが私からの精一杯の感謝と祝辞だ。

おまん様は自立した、大人の歳の女性である。黙って学び、考え、そして実行に移せる。今日は妹の誕生日であったが、おまん様の誕生日でもあると知った。悲しい誕生日だと言っていたけれど、そうじゃないよ。素晴らしい誕生日であると自慢していいよ。おめでとう。

おまんは八郎に、我が子として迎えたしるしに「ハッチ」と名付けた。どんな猫とも、お別れの時は必ず来る。たくさんの飼い主・保護主と関わっている私は、たくさんの生死と関わる事にもなる。本音を言えば、その都度とても辛い。猫に対しての気持ちは、なるほど梅雨時に生まれただけあってジメジメしたものなのだ。情けない事だが。

だけど私は形状記憶合金で出来ているのだ。何があろうと復活が早い。だから3度も結婚出来たのさ。4度目はないけどね。こうちゃんとミュウちゃんは特別だからね。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system