ルス

とびっきりお利口

Aug. 4, 2004

2004年8月4日 水曜日

朝からミンミン、ミ〜ンミンミン、ミ〜ンミンミンミンミ〜と五月蝿い蝉だ。鳴いていられるのも極めて短い、儚い(はかない)春(いや、夏だな)である事は解かる。しかし一生の殆どを過ごす土の中で、よもや苦しんで過ごす訳ではないだろう。それはそれで立派な蝉の「生」の部分なのだ。最後の1週間だけ繁殖の為に外に出て来ては、騒々しく激しく振る舞う仕組みなのだろうと思う。

どんな生き物にも、それぞれ苦しい事情はあるのさ。儚いのは蝉の「生」だけじゃない、猫だって犬だって、ミミズだってオケラだってアメンボ(最近見ないけど)だって・・・。人間として生まれたって楽しい何も考えなくて済む時間など僅かで、あとは徳川家康が言ったように、長い長い長い上り坂を重い荷を背負って登り続けるのだ。しかも登り始めてからはどんどん加速度的に体力は落ち、容色は衰え、荷はますます重くなるばかりなのだ。小野小町だって言っていた。長雨せし間に花の色はうつりにけり・・・であると。しかも庶民の女は、色の衰えだけ嘆いていれば済む訳ではない。働き蜂・働きアリの役目を先ず果たさなければいけない。

ミンミン鳴ける時間が短いだとか、いよいよ弱って来ると猫にとっ捕まって食われてしまうだとか言って蝉を哀れんではいけない。それは蝉に失礼だし、そもそもが盛者必衰、栄枯盛衰、諸行無常なのだ。私も遠からず偉そうな事を言うどころか考える事も出来なくなり、自力排泄も不能になる日が来るかも知れないのだ。そこまで長生き出来れば「御の字」だが。

ふざけた相談をして来た相手に厳しい事を言って差し上げたお陰で、とっくに「ババア」と罵られもした。おやおや、貴女は歳をとらないらしいね。若いというだけで勝ち誇っているのは、全く意味が無いだろうよ。私もかつては若かったし、貴女も歳をとるのだという事を、どうしてイメージ出来ないかなあ。

若さはそれだけで素晴らしい。歳をとってみるとそう痛感する。しかしそれは、往々にして「何も出来ていないし解かっていないようだけど、回復力のある若いエネルギーと輝くばかりの細胞の瑞々しさだけでも素晴らしい」という意味合いも含まれるのだ。尤も、私が貴女の年頃の若い時分には、もうちょっと自律・自立していてマシだったと言ってやりたい時もあるのだが。しかし誤解しないで戴きたい。歳をとっているだけで偉いという事とは違うのだ。若いだけで誇れないのと同じように。

痛いところを指摘されて逆切れする位だったら、見ず知らずの他人に安直に相談なんかすべきではない。この私に何をさせたいのか、何を言って欲しいのか・・・貴女は正しい、貴女は何も悪くない、祈ってるわ、私に任せなさい、何とかしてあげるから・・・と言わせたいのか。私はそういう事には付き合えない。今から言って差し上げられるのは、どうぞいつまでもネガティブにしていて下さい、私の知らないところで、そして同じ穴の狢の集まるところで・・・という事だけだ。私は自分の頭のハエを追う。

ミヨコにもシゲコにもこうちゃんにも心配をかけ、ストレスを感じ続けざるを得ないような間口の広げ方を維持する事はもはやマイナスの方が多いのだと、いい加減鈍い私でも感じ始めている。自分の力をもはやこれまでと自覚する事は、あまり愉快な事ではない。しかし自分の身と家族を守れずして、何が人助けだろうという事も解かる。今後の身の処し方は、ここでも問われているのだ。

ウォシュレットは、こうちゃん一人の活躍で無事取り付けが終わった。涼しい明け方に作業したけれど、狭い場所での作業は大変だったと思う。2階のトイレは、その昔、建て増しした際に無理矢理作った場所だ。12年前に初めて入った時、こんな狭いトイレがあるのか?!と驚いた。こうちゃんがスパナを使うにも、左右に手を動かせる余裕が全然ない。しかしウォシュレットは構造がシンプルで部品が少ないのが救いだった。やったね、工事費1万円が浮いたよ。そしてこうちゃんは、洗浄便座の取り付け作業員にはなれそうだ。

昨日ちょっと触れた「わだし馬鹿家が緊急保護した授乳赤ちゃん猫3匹」は、私の独断である方に夏休みまでの1週間余りを預かって戴けるよう、ちょっと急で無理なお願いをしてしまった。しかしその方は万難を排し仕事のスケジュール調整をしてまで、昨夜から預かって下さっている。これまでにも何かある度、ボランティアを申し出てくれていた頼り甲斐のある優しいお母さんだし、わだし馬鹿家からは幸い距離的にも近い。

ぶー子さんもテッちゃんも人に頼むつもりは皆無だったのだが、その方のご好意と私のお節介に免じて折れてくれた。良かった。これは私の心配を減らす為のエゴかも知れないのだが、その方も「3ニャンちゃんの乳母をご指名ありがとうございます。無事に少しでも太らせて、お返ししたいと思います。」と全面的に前向きな事だけを言って下さるので、ここは甘えさせて下さい。有り難う。あとは里親募集を、私の保護猫である位の覚悟で頑張ろう。夏休みには、可愛い写真をどんどん撮れよ、テツ!

リマ

とびっきり純真

Aug. 4, 2004

歯茎は腫れたままで、麻酔の注射針の跡がすっかり白く気味悪くふやけた。顔の痛みは良くならず、喋るのが辛い。しかし喋れないのはもっと辛い。そんな私の後ろで、マルコは喋り続けている。始終訴えたい事があるらしい。撫でろ、こっちまで来て遊んでくれ・・・単純なヤツだから、大方そんなところだろう。しかし文句が多いな、君は。いっそ性格満点猫のル・リマに、テトの時のように面倒を見て貰いたい位だが、1階ではもう頭数的には限度だろう。ガラの今後の事もあるしね。

私は猫好きサイトに在る自分の日記には、猫以外のどんな話題を出そうが政治的なイデオロギーだけは持ち込むべきではないと思っている。その理由に関して言い始めるととても日記の範疇ではなくなるのでやめておくが、これはどんなに自分が正当であると信じていても、他者やその価値観をも自分同様尊重すべきであるという考え方の方向に沿った方針であるとだけ言っておこう。

同様に、国家や思想を超えたところで存在するとされているスポーツの祭典(今回のアジアカップの事だ)で、あまりにもそのスポーツマンシップに反する現地の観客の言動や、それを開催国としてのホスピタリティ精神に欠ける大会運営のお粗末を見ると、中国はまだまだ発展途上国なんだと感じる。いや、発展を望まない国家などひとつもないだろうから日本だってアメリカだってまだまだ発展途上だ。ここははっきりと「後進国」だと言うべきだろうな。

そこまで言われて悔しければ、少なくともホスト国らしい冷静さは見せて欲しい、「過去の歴史」に対する「反日感情」とは別次元で。私は愛国者でもなければ、特定の思想もない日和見な一般大衆だが、スポーツの世界にイデオロギーを持ち込んだ今回の重慶の観衆はハッキリとルール違反だと思う。あくまで「どういう世界・状況に於いても許せないものがある」のだとしたら、それが解決するまでは国際大会の開催国になど立候補する資格はない。

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