ミュウ

去年の夏

Aug. 13, 2004

2004年8月13日 金曜日

お盆だ。ミュウのいない初めての夏。今夜はミュウの新盆になる。でも多分帰って来るまでもなく、いつもここにいるから敢えてお迎えはしないよ。触れないけどね。

しかし感傷に浸っている暇は無いぞ。朝の一通りの事を済ませると、2時間はあっと言う間に過ぎてしまい、また直ぐに強制給餌。毎日が判で押したような生活だが、それは性に合っているような気がする。若い頃はもっと「非日常」を求めていたけれど、今ではそんなものはたくさんだ。

私がかつて求めていた「非日常」は、現実世界の地味で苦しい繰り返しを忘れさせてくれる「ときめき」であった。それは専ら恋愛であったり、花火であったり、映画やパーティーであったり、不謹慎だが台風のようなものであったりした。努力しなければ人並みに勤勉な生活が出来ない性格故の苦しい日常の中で、どれだけ「非日常」の時を持てるかが私の人生の命題だとうそぶいていた時期もあった。

しかし今では、どれだけこの「日常」が長く保てるか、毎日を平穏無事に過ごせるかが最も大切な課題であり、唯一の望みだと言える。こうちゃんがいて猫たちがいて・・・極端に言えば、後は何も要らない。生き延びられるだけの食べ物と空間があれば良い・・・と言いつつ、結構な広さの空間と(但し古い)日々美味しいものには恵まれているのだが。だからこそ感謝して、この心のゆとりは何かに還元したい。それも限度問題だと、身近な人たちには言わ続けて久しいが。

脱走した飼い猫の保護の為にと、捕獲器の貸し出し依頼が多い今年だが、身につまされて急いで手配をしようとするものの、捕獲器は最終手段であり、可能な限り使いたくないと仰る人たちが多いのには驚く。捕獲器は危険なものではなく、猫にとっても一番楽な保護方法であると力説しても、長く野良生活をして警戒を強めてしまっている自分の大切な猫には、また時間をかけて馴らしてから抱いて保護したいと願う飼い主がいるし、そうアドバイスしている人たちがいるのだ。無責任なアドバイスをするものだと思った。

脱走させてしまった不注意を悔いているならば、一日も早く危険な状態から救ってやって欲しい。一日延ばしにしていたら、それだけ病気や怪我の危険が増すし、外での不安な状態はストレスも大きいはずだ。一瞬の事だし、家に戻してから幾らでも精神的なフォローはしてやれるのだから、捕獲器でさっさと保護してやって欲しいのに。しかし貸し出し依頼をして来ていながら、使う決心をしていない人がいる事には、正直言ってがっくりする。手配させる事なんか、大した手間ではないと思うのだろうか?

脱走に限らない。避妊の為であっても、手配や協力者の調整にどれだけ腐心しているかなどといった事が、少しもイメージ出来ないのだろうかと思う相手もいる。捕獲器を使いたくないエサやりさん達が、エサやりをしながら時間をかけて馴らし、抱けるようになった子だけを避妊しているのも見聞きしている。その間に妊娠して出産し、また人馴れしにくい野良猫の子供を増やす繰り返しをするよりも、さっさと捕獲器を使って欲しい。

そして、家猫にする覚悟のない野良猫たちを、あまり人馴れさせて欲しくない。人に警戒しない野良猫が、どれだけ危険を背負う事になるかを考えて欲しい。人の手による虐待がどれだけ多いか、知らない訳ではあるまいに。

と、朝から電話で忙しくしていて、午後は恐怖の大魔王テレサ・ちんが久方ぶりでいらっしゃる予定であった。いや、実際にいらっしゃったのだが、銀行の用事を済ませてからであった上、非の打ち所のない才媛にしては珍しく電車を乗り越して、東京都内から横浜駅経由でのお越しであったらしく(遠回り過ぎるよ)、黒ずくめの丸顔が我が家に出現したのは夕方近くになってしまった。

テレサ・ちんは、ペリーとリマを自分で産んだと言っている。じゃあ聞くけど、カワムラさんは産んだ覚えがないのか?私の事も産んでいないか、良く思い出してみてよ。ねえねえ、お母様。

機関銃で撃ち合うように3人で我々にとってはベーシックな会話をし、あっと言う間に夜が更けて、テレサお母様は猫の毛だらけになって帰って行ったけれど、ぷうさんは匂いを嗅いで怒っていないかな?彼女が死んだらぷうさんはうちで引き取る事になっているので、下半身を触っても怒らないように今からでも慣らしておいてね。うちに来たら「お尻ポンポン」は覚悟しないと駄目だよ。

「家族(?)の肖像」

(恐怖の)マザー・テレサ
リマ抱っこ、ペリーくんくん

Aug. 13, 2004

幾つかのメールに返信をし、とても大切で充実した内容の電話を1件済ませ、アテネ・オリンピックの開会式を見ながら残り物(と言っても我々にはご馳走)を食べ、これからが一番眠い給餌時間を迎える。私達もかなりきついが、強制的に2時間おきに飲まされる方も辛いだろうね。折角ぐっすり眠っていても起こされるのだ。しかしアインは、ちゃんと2時間近く経過すると、何時の間にか起きて来て催促する事も多いのだ。ジーコは相変わらず逃げ腰で、しかもとても痩せてしまって痛々しい。

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