マルコ

2階のへこたれ

Aug. 15, 2004

2004年8月15日 日曜日

夜半から降り始めた雨は今日の昼頃まで続いて、昨日までの暑さと打って変わって涼しい一日だった。実に何十日か振りで、我が家のエアコンを停止させた。窓を少し開けて風を入れる。しかし湿度は高いので、湿気に弱いアインと私の為には除湿器をかけてキッチンの換気扇もまわしている。日本というところは、一年を通して温度や湿度の調整が難しい。もっと乾燥した国に住みたい。

しかし、ただ乾燥しているだけでは駄目だ。綺麗な水が潤沢に使える国が良い。ここに矛盾が生じる。水が豊富という事は、雨が多くて風土が湿潤であるという事だものな。おまけに食べ物は、どこの国に行っても大抵食べられるが、好みだけで言えば日本でないと・・・。全ての好条件を満たすという事は、私のレベルでは有り得ないのだろうと諦めるしかない。

かつて舅・姑は梅雨が明けると直ぐに出発して、夏の間中を軽井沢で過ごしていた。1ヶ月半は留守にしてくれたので、その間は天国だった。そのせいで夏が一番好きで、一年中夏だったら良いのに・・・と思ったのかも知れない。軽井沢に来いと毎度言われたが、行く訳がない。こっちには猫がいて、あっちには舅がいる。どちらを選ぶかは言うまでも無い。そして舅たちが戻って来てしまう夏の終わりは、本当に泣きたい程に堪え難かった。次の夏の訪れが待ち遠しかった。

今ではもう、こうちゃんと二人きりで一年中が極楽だ。湿気の多い夏なんか、早く過ぎてくれた方が良いに決まっている。明日からはまた暑くなるらしいけど、夜だけでも涼しくなって欲しい。

蛇足だが、軽井沢の家は共同名義人でもあった義姉が相続した。こうちゃんはここの古い家と、死んでから判明した舅の多額の借金を相続したのだ。私達は別荘など持つに相応しい階級の人間ではないし、避暑に行ける時間も無い。

朝一番で、ミヨコから嬉しい電話を貰った。そもそも他人の生活に割り込んで来る事を極端に嫌うミヨコから電話が来る事は珍しいので、何事かがあったと察するには充分だ。それはまさに素晴らしいニュースだった。ずっと姿を見せなかったハナちゃんが、リリースした直ぐ近くに居場所を確保して、朝のエサやりに行っていたミヨコの目の前30センチのところでご飯を食べたという事だ。ハナちゃん、良かった。もの凄く嬉しい。ミヨコに大感謝。

やっとハナちゃんが新しい餌場に定着していた事が確認出来たので、『我が家の猫たち』の年代記にガラを追加出来た。18匹になった事情を説明するにも、ハナちゃんの事が気にかかってその気になれずにいたのだ。データバンクにはガラを追加したけれど、ガラがうちに来た経緯を説明をするのにハナちゃんの存在を抜きには語れない。ハナちゃん、あんたの娘のガラは、うちで大事に育てさせて貰うから心配しないでね。

ミヨコに「私はエサやりに向かないよな?」と言うと、「お前はへこたれだからな」と同意されてしまった。エサやりしている野良猫を、外に置いている事に堪えられないヘコタレな精神。それを克己し続けないと、エサやりなど出来っこない。かれこれ10年も続けて来た事なのに、どんどんヘコタレになってくる。最初はちゃんと割り切っていたはずだ。家には無限に増やせないのだから、野良に置いたままエサやりと避妊、個体管理などの世話をするしかないと。

いつしか、避妊してリリースした猫を、次々と再捕獲して家に入れるようになってしまった。遂に18匹、私達夫婦が責任を持って手厚くケア出来る限界を、少しだけ超えたような気がする。超えたと言ってもいい加減な事は出来ないから、身体に無理をする事になる。無理にも限度がある。だからもう、絶対に増やさないし増やせない。麻痺してしまってはいけない。くどいようにこう言い続けていないと、常に肝に銘じていないと、まだまだ入れてやりたい猫はいるのだ。強くならなくちゃ駄目だ。全ての猫を家猫には出来ないのだ。

みんな泣く泣くリリースしているのだ。和田夫婦も、昨日また3匹避妊の為に病院に連れて来て、今日お迎えだった。どんなに数をこなしていても、捕獲器の扉を開けて放し、走り去る猫の姿を見送る時の気持ちの中には、言葉にはならない切ないものがあるはずだ。きっと皆、その時には同じ事を考えているだろう。「(飼ってやれずに)ごめんね」「また元気でご飯食べに出ておいで」

それにしても私を事ある毎に「ヘコタレ」だと言うのは、テレサ・ちんとミヨコの二人だろうな。この二人にはどうも頭が上がらない。それ自体が、またヘコタレの所以でもあるのだが。私がヘコタレなせいか、うちのオスどもは揃いも揃ってヘコタレが多い。しかし何と言っても一番のヘコタレは、マルコとぶーちゃんだろう。ジーコも気弱だが、彼らほどではない。
ぶーちゃん

1階のへこたれ

Aug. 15, 2004

アテネオリンピックでは、早くも柔道で金メダル3個。しかし日本人でない選手の試合を見ていると、長々と行われる組み手争いがまるでレスリングだ。お互いに腰を引いて上体を折り、襟を掴まれないようにばかりしている。長い組み手争いから、そのまま寝技に行ってしまうケースも多い。胴着を着けているというだけで、レスリングと殆ど変わらない試合が目立つ。選手も色々大変なのだろうが、昔からの柔道ファンとしては見ていて「みっともない」と感じてしまう。あんなの柔道じゃない。

昔の日本人同士の試合では両者が真っ直ぐ立ち、両手を高々と上げて向かい合っていたものだ。そして襟と袖を取り合って、そこから始まるものではなかったのか。しかし流石に野村や谷は、組み手争いする立ち姿も美しい。重心は低く、且つアップライトに構えていて格好良い。その姿は毅然として、軽量ながら格闘家らしい風格もある。金メダル、おめでとう。

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