ゴマ

女王様とお呼び

Sep. 2, 2004

2004年9月2日 木曜日

連日様々なご相談が寄せられるが、今日は珍しい相談があった。より多くの意見が求められるかも知れないという理由でご相談者の承諾を得て、敢えてここで書かせて戴く事にした。

そのご相談者はペット不可の集合住宅に住んでいるのだが、同じマンションで猫を飼っている人がいるらしい。その部屋の窓辺で猫の姿を外から何度も見かけた。この規約違反を通報すべきかどうか・・・という内容だ。その方は、先ずご主人に相談したら「まあいいじゃないか、迷惑を掛けられている訳じゃなし。意地悪な事をするな」ともう少し乱暴な言葉でたしなめられて、ちょっと傷ついたようだった。勿論、相談はご主人との関係の事ではない。

どうする事が正しいのか・・・という回答は私には出来ない。そもそも神様の言葉だと言って伝えられる聖書の言葉ですら、万人が正しいと認める訳ではないのだから、不完全で頭の悪い私に万物の真理が説けるはずが無い。他のご相談に対しても、私だったらこうするでしょう・・・という答え方しか出来ない場合が多い。

しかしそれは私の場合、何かあった場合のリスクを避けたいが故ではない。経験値により最良と思える回答を、ある程度自信を持って断定的に言う場合も多いのだ。自分の考えで人を支配したい訳でもないけれど、わざわざ私になど相談するからには私を信用しても欲しいし、私も責任を持つ覚悟で返答している。

しかし、自分でリスクを負って判断しなければならない事も多いのだという覚悟を持って欲しいケースもあれば、もう少し自分で調べてみては如何かと思うケースも多い。安直に人に聞き過ぎると、頭にしっかり入らない事だってあるのだから。私の実母は厳しい人で、子供の頃に本を読んでいて解からない単語があったり、読めない漢字があって聞くと「教えない。自分で辞書をひきなさい」と言った。ケチ!と思ったけれど、今となってはあれは正しい教育だったと思える。

それでも経験者の言葉は頼りになるし、色んな意見を聞いてみたい気持ちも理解出来る。私も諸先輩の教えを乞うて生きて来た。だから敢えてこんな私でもお役に立てるならばと、ご相談を戴けば僭越にもアドバイスさせて戴いているのだ。

閑話休題。ペット不可マンションで猫を飼っている人がいる事を通報するべきかどうか・・・という問題だった。私は猫贔屓の人間だから、出来ればそっとしておいてあげて欲しいと願う。ご主人の言うように、特に迷惑を掛けられていないのだったら、わざわざ密告という行為をしてまで、その規則違反を表面化させなくても良いのではないかと思うからだ。

勿論、規則違反は正しい事ではないのだから、ペット可の物件に引っ越せればそれが最善だろう。しかしまだまだペット可の物件が少ないのも現実だ。どんどん隠れて飼いなさい・・・と積極的に薦める事は出来ないが、借り主と大家との間の問題に、密告者が介入する事が私は嫌なのだ。

同じ賃貸物件での問題でも、限度を超えた騒音や臭いが漏れるとか、隣で幼児虐待が行われているようなのに通報しないといった問題とは、次元が違うと思う。ひっそりと猫を飼うしかない事情を察したら、見て見ぬふりをする位の温情はあっても良いのではないかと思うのだが如何だろう。

規則を守る事は、社会生活を営む上では勿論大切な事だ。殺してはいけない、盗んではいけない等という掟は紀元前から存在したのだし、未成年者が喫煙をしてはいけない、脱税してはいけない、スピード違反をしてはいけない・・・色々なルールが、その理由の裏付けと共にある。全てのルールにひとつも反する事無く人々が生きていれば、それは理想だと思う。ルール違反をひとつ容認すれば、私だってそれ位は許されるだろうと思う人が続出するのも解かる。だからゴミの不法投棄は後を絶たないし、みんなが路上迷惑駐車をしている。

賃貸物件の募集チラシを作っていた頃、「ペット不可」「外人不可」という条件が圧倒的に多かった。それぞれは理由が違うのだろうが、ペット不可の理由は大切な不動産を傷つけられる・汚されるから・・・という理由が殆どだろうと思う。しかし汚す・破壊するという点では、料理好きの主婦がいる家庭や小さな子供がいる家族の方が遥かに家を汚すし壊す。それでも退去時には「現況復帰」する事が殆どの場合賃貸契約書に記載されているし、借り主・貸し主ともに常識で考えられる範囲で自己負担すべき妥協点を見出せれば人としての品性は理想的だ。

敷金を多めにとってペットを許容する物件もあるし、もういつ取り壊しても惜しくないような古い家を「ペット可」として貸す場合も多いし、駅から遠い交通の便の悪い物件の付加価値として「ペット可」という条件を付ける場合も多い。共有部分で犬にオシッコさせて平然としているようなマナーの悪い飼い主がいるから、最初「ペット可」だった分譲マンションでも管理組合で「不可」と変更させるケースが多いのも知っている。

問題は、迷惑を掛けないような飼い方が出来ない事にある。猫が部屋を汚す度合いなど、人間の子供に比べたら些細なものだ。爪研ぎだけ防止出来れば、あとは完全室内飼いの猫の場合は毛の掃除程度で済むはずだ。

しかしルール違反をしている人を見て、黙ってはいられない・・・と言うのであれば、そこら中に迷惑駐車している車は全て逐一警察に通報すべきだろうし、それを取り合わない警察であればそれもまた告発すべきではないか。隠れて猫を飼っている人などは、語弊はあるだろうが社会的には弱者である。弱者を苛める前に、もっと別の正義感を働かせて欲しいと思うのだが、苛め易い弱者をいたぶる事が好きなのもまた人間の性だろう。私には許せない行為だけれど、そういう弱者の弱者苛めの心理状態は理解出来る。

さて今日のご相談者は、実は別のところでも色々と相談なさったらしい。何故か?密告という行為は、ご自分でもちょっと気持ちの良いものではないからだろう。それでも「ずるい人」が居る事には釈然としない思いがあるだろうし、ご自分が告発したい気持ちを「それは正しい」と肯定してくれる人がたくさん必要なのだと思う。その心理も理解しているつもりだ。

それでも私は敢えて言う。密告は、大家の為でも社会の為も関係なく、自分の心の為にしない方が良いと。これがもっと由々しき犯罪行為であれば別だが、ひっそりと猫を飼うしかない弱者を密告して、それが社会の正義だと思っては人の心は殺伐とし過ぎるのではないかと思うのだ。猫贔屓だという事は、ここでは関係ない。

密告という形ででも告発しなければならない事はある。しかし全てを同列に考えて「規則違反だから」と切り捨てるのでは、人の心は怠慢ではないか。規則を作り施行する側が最初から例外を大幅に認めていては、それでは滅茶苦茶な事になってしまうかも知れない。でも大目に見られる事とそうでない事は、人の心の中の「アクセルの遊び」で処理出来ないものだろうか?

ま、個人的には車のアクセルの遊びが多いのは好きではないけれど、問題は車というメカの事ではないのだ。人の心には許容量があった方が、自分も楽だし人をも傷つけずに済むのだと思う。遊びの幅がないと、接する人はみな苦しくなる。タイトな走りもタイトな人間関係もたまには刺激的で良いのだが、一年中一日中そうだと疲れて逃げたくなるはずだ。

私はそうして2度も結婚を失敗したし、インプレッサで連続して何時間も運転していると楽しいけれど身体も神経も疲れるのは事実なのだ。それが心地良い緊張であり心地良い疲れだと言って言られるのは、若くてパワーが有り余っているうちだけだ。私は・・・う〜ん、ちょうど過渡期かな。もう少し寛容になり、もう少しゆとりが欲しい。人の心の揺らぎも世の中の矛盾も先ずはそっくり受けられるような、低反発ウレタンのような人間でありたい。

ご相談者の方は、余所では「是非通報すべき」だと言われたらしい。どうするのかは、やはりご本人がどういう自分でありたいかをきちんとイメージして決めて欲しい。私だったらそっとしておく・・・そうお答えするしか出来なかったけれど、皆さんは如何でしょう?良かったら、メイン掲示板でご意見を聞かせて下さい。メールで戴いても、現在あまり時間がなくてお返事出来ない場合もありますので。

ジーコ

気分がいいみたい

Sep. 2, 2004

波動チップのペンダント『イフ』を着けてから、ジーコが少し元気になったように見える。随分と久し振りで、シンクの中に入って水を飲もうとした。ミュウが生きていた頃、ジーコはミュウの真似で蛇口から飲み始めた。いつもミュウの真似をした。そしてアインに寄り添えば、アインとそっくりに変化して見せた。アインとミュウの間で、うまくバランスをとって振れていたのだと思う。

ミュウがいない今、ジーコという振り子はアインの方に振れたかと思うと、反対側にある大きな空洞に吸い込まれて行くように振れているかのようだ。どちらにも良く似た、長年一人でミュウパパとアインママの愛情を独占して来た息子の、行き場の見つけられない孤独を感じる。でもいつまでもそれじゃ駄目。食べる意欲は生きる気力だ。自分から食べる気力を持って欲しい。ジーコの場合『拒食症』としか言いようが無かったけれど、まだこれからだよ。ミュウから授かった命だもの、大切にしようね。

ガラの下痢は頻繁ではないものの、食べたものが消化されずに出ているから大量で、しかもウンチ臭くない。フードそのままの臭いだ。抗生物質は、どう騙しても口に入れてくれない。そもそも缶詰フードを全く受けつけない。ナチュバラのドライも嫌がるようになり、今日はアイムスのキトンを少し食べた。兎に角食べなくちゃ、どんどん体力が落ちてしまう。食べてくれるものだったら何でもいいとやと思ってストックしてある缶詰を次々と開けるが、ガラ様はどれも食べて下さらず、そのお下がりをペリーやテト、カワムラさんが大喜びで食べている。

抗生物質が飲ませられないので、思い余って水にアイオニックシルバーを垂らしてみている。これがカンピロバクターに効くと良いのだが。色んな細菌に効き目があるみたいだし、コロイド化した金属は体内に蓄積され難いとマツモト先生も言っていたから、短期間であれば経口投与も問題ないだろうと信じて・・・。

明日、まだ下痢が続いていたら、さてどうしたものか・・・。

前日の「猫雑記」へ 翌日の「猫雑記」へ


月別INDEXへ戻る

「猫雑記」INDEXへ戻る

inserted by FC2 system