朝から忙しい。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ・・・と頭が一杯になっている。片っ端から集中してやっても、全部は終わらない。終わらないうちに、また続々と次の案件が雪崩れ込んで来る。キリがない。
勿論、一日中PCにだけ向かっている訳にもいかない。しかしあまり長時間PCを落としていると、メールが溜まり過ぎてプロバイダの受信メールサーバーがパンクしてしまう。強制給餌の如く、規則正しく時々メールチェックしておかないと凄い事になる。それが原因なのか、時々メールサーバーがダウンしてしまうと、時間帯によっては復旧が大変遅れる。4時間もインターバルを空けると、着信メールが80通を超える。半日空けると150通にもなる。サーバーではなくて私が一日ダウンしていたら、一体何通になるのだろう?そこまでのダウンなんてしないけどさ。
給餌が終わったばかりだと思っていると、直ぐに次の強制給餌の時間がやって来てしまう。私も大変だが、飲まされる方も大変だろうと思う。寝ていても起こされて飲まされるのだ。しかしそれを私達が躊躇してしまうと、気持ち悪くなって目覚めて、苦しんで大量に胃液を吐くのだ。
日々のルーティーンをこなすだけで瞬く間に一日が終わる。とてもじゃないが納戸の片付けなんか出来ない。困った。もっと身軽に暮らしたいと宣言したのに、ちっともモノが捨てられないじゃないか。
絶望的な相談も来る。栃木のとある田舎町で、独り暮らしの還暦に近い男性が無責任に増やしてしまった飼い猫10数匹・・・野良化していて触れもしない。避妊も室内飼いもされていない。近所からの苦情もあるし、男性は多重債務者らしい。親戚からの捕獲器の貸し出し依頼に始まったのだが、役場に飼い猫を持ち込む為の貸し出し依頼だった。ホイホイとは貸せないじゃないか。連れ込めば殺処分だと解かりきっているというのに。
問題は猫の事だけではないらしいので、親族で話し合われる内容の中では、この猫の行く末に関しては当然優先順位は低いだろう。避妊して室内に置き、少しずつ馴らしながら里親募集出来ない事はないはずだが、その男性が抱えている問題が複雑過ぎて、猫如きに真剣になれる状態ではないらしい。
かと言って、全く人馴れしていない成猫を私が10数匹も預かれる訳が無い。10数匹どころか、もう1匹とて入れられない。避妊の費用を全面的に支援する事、そして里親募集を協力する事は申し出たものの、それを可能ならしめるには誰かが責任を持ってそれを推進しなければ出来ないのだ。
最悪の多頭飼い崩壊と言えるだろう。もとより多頭飼い崩壊させる飼い主というのは、どこかがおかしい。今まで関わった多頭飼い崩壊は、殆ど全てが経済的に破綻しても当然な甘さがあり、猫の飼い方に無責任で無知な人たちが多かった。それだけならまだしも、精神的に普通ではないケースばかりだった。
だから私はもう、多頭飼い崩壊現場に関わるのはやめた。猫の命がかかっているから・・・などという綺麗事では済まされない。悔しいけれど、私個人で日本中の猫どころか、ここ横浜日吉の全ての猫だって救えない。自分の足元と身の回りに責任を持つだけで精一杯なのに、それ以外の事もたくさん抱えている現状で、私はもはや息も絶え絶えだ。群馬で老いている親の元にも全く行けないのに、どうして栃木までレスキューに行けようか。
代理で捕獲器の貸し出し依頼をして来た人にメールだけでなく電話して、飼い主への説得と協力を呉々もお願いしておいた。この上自分の飼い猫たちの命まで粗末にしては、本当に人生の敗残者となってしまうよ・・・と言ってやりたいが・・・悲しいし虚しい。
しかし良い事のあった日でもある。キナコのお届けと、フジ・ボンのお届けの当日でもあった。どちらも鈴木さんの募集猫だったので、彼女は大磯から都内へのお届けを済ませて大磯に戻り、次には南の端っこの大磯から北の端っこまで行ったのだ。凄いバイタリティ。それもこれも、愛する猫の為だからこそ出来る事だろう。ブラボー。
そしてそれぞれの里親さんからは、早速新しい娘たちの報告が届いている。どちらのケースも、偶然素敵な里親さんへと橋渡しが出来た事を幸せに思う。良い事ばかりではない。でも悪い事ばかりじゃない。