ルス

あたしも恐いわよ

Oct. 25, 2004

2004年10月25日 月曜日

何だかんだと、我が家には三毛が5匹もいる。正統派の三毛はみーちゃんだけだが、パステル三毛のルス、そしてサビ猫も三毛の一種だからゴマ、ジャム、イオと総勢5匹の三毛猫がいる計算だ。気が強いと言われる三毛が全員が同じ部屋だったら、一体どんな感じになっていただろう。

一番の巨漢にして悪ガキのジャムだが、意外と恐くないという事は繰り返し書いてきた。むしろ彼女は性格的には幼稚で、それでいて頭が良い。人や他の猫たちをじっと観察して何か考えているところは、流石ゴマに育てられただけの事はある。

イオは小柄だが(但しデブ)、ペリーをきっちり教育してくれた強さと賢さと美しさを兼ね備えている。ルスは淡雪のような可憐な外見にも拘わらず、もしかしたら1階では最強かも知れない。最近とみにデカくな「1階のジャム」と化したモアが突撃タイムになるとルスはさっさと逃げてしまうが、それは自分のペースを乱されたくないだけで、本当はルスの方がずっと強いと睨んでいる。

みーちゃんは猫嫌いで1匹だけのお城にいるので、他の子と比べるのは難しい。しかし猫嫌いの度合いといい、辺りを払う威厳というか風格を感じさせるところなど、闘わずして勝ち名乗りを上げているかのように見える。

しかしラボの庭にいた頃は、みーちゃんはぶーちゃんや黒岩さんが大嫌いだったね。デカくてしつこく追い回すものだから、みーちゃんは心底嫌がっていた。そもそもメス猫はオスが嫌いな子が多いし、みーちゃんは当時から孤高を保っていた。

そのみーちゃんが、昨夜はカワムラ部屋とのドアの前で、ずっとカワムラたちの様子を伺っていた。ルーバー扉の隙間から、みーちゃんがこっちを向いて行儀良く座っているのが見える。みーちゃんは時々鳴く。意外と高くて可愛い声だ。ラボに居た頃は、殆ど声など聞いた事がなかった。まるで呼んでいるかのような鳴き方なのだが、私が部屋に入って行くと逃げて「しゃー」だって。こうちゃんがご飯を持って入ると、足にスリスリして甘えて鳴くと言うから、私が同じ事をしてみると「また美味しいものでアタシを捕まえようとしても騙されないわよ」と言って睨む。執念深いね、みーちゃんは。4ヶ月も前の事なのに。

それでも部屋が無人になると、またドアの近くでじっと佇んでいる。そうしてカワムラたちの気配にも馴れたら、いつかは一緒に出来る日が来るだろうか。しかしいきなり8匹と対面しては、最初は居場所も上手に確保出来ないだろう。部屋は充分にあるのだし、ずっと付いていて24時間見守ってやれる訳ではないし、私達がマメにケアさえしていれば良い話だから、無理せず自然の成りゆきに任せよう。みーちゃんには特別甘いのだ、私は。



さて、手裏剣が届いたぞ。こうちゃんの嬉しそうな顔をお見せしたい位だ。宅配便で届いたのだが、伝票に「手裏剣A,B,C」と書いてあって、大人としてはちょっと恥ずかしかったとこうちゃんは言う。通販で注文すると「ペット用品と解からないように梱包しますか?」と聞いてくれるペットフード屋さんがあるが、「手裏剣と解からないようにお届けしますか?」と聞いて欲しいような、でもちょっぴり自慢したいような・・・。

という事で、早速こうちゃんの白魚のような指に持たれた手裏剣3種をご披露します。この持ち方で投げるのだそうな・・・。

なるほど、持ってみると重たい。とてもじゃないが、忍者ごっこでやったように胸の前に水平に重ねて左手に乗せ、右手で擦るように「手裏剣シュッ、シュッ、シュッシュシュッ♪」という【赤影】歌のように、軽やかに飛ばすなんて芸当は出来ない事が解かった。


後は厚めの板を手に入れなくちゃ、部屋の中ではとても投げられそうもない。そして薄い板では、「ゴンッ」と音が響いてうるさいだろう。しかしご近所に見られるのは恥ずかしいし、危険人物と見なされても困る。早く投げたいのに・・・。




新潟の大地震の被災地をテレビ局のレポーターが次々と押しかけているが、不適切な言葉が耳障りに感じる事が多い。家をなくして茫然自失の人に向かって「どんなお気持ちですか?」などと聞いてどうするのだ。また、ある記者(新人アナウンサーだろうか)は、トンネルの中が崩れている現場で「中では落下物があるのが見てとれます」と表現したが、この場合「見えます」が正しいだろう。

「見てとれる」と言うからには、見た上でその裏(奥)に潜む観念的な何かが窺えるという意味で使うべきだろう。「トンネル内には落下物が見えていますが、その事からも地震の大きさが見てとれます」という具合に。聞きかじりの誤った言い回しがポロリと出てしまうのは、言葉を司る仕事をしていながら日頃の言葉の訓練が足りないせいだ。非常時だからと甘えてはいけない。普段いいかげんな言葉で会話をしているから、いざという時に切り替えたつもりでも緊張や焦りから素顔を見せてしまうのだ。

敬語の正しい使い方に関しても同様だが、どんな局面であれきちんと正しい表現が出来る自信がないならば、日常会話から徹底して意識して最上級の言葉を使うべきだ。そうでないとふとした拍子に「地金」が見えてしまう。プロとして、それは恥ずかしい事だ。私はそういう風に、かつて上司だったこうちゃんに教えられた。でも私は切り替えがかなり見事に出来るけどね。へへ。本当は口先の仕事がしたい位だ。


テレビで思い出した。明日の夜のテレビ朝日の番組『たけしの本当は恐い家庭の医学』で、『本当は怖い食欲不振〜悪夢の来訪者〜』というのを放映するらしい。テレ朝のサイトを見ると、仔猫を保護した母と娘が仔猫の死後に恐い病気になる・・・・・という予告が出ている。

この番組はこれまでにも大袈裟にキャッチーなコピーで脅かしておき、その実そうそう起きる事ではないレアケースを再現ドラマでおどろおどろしく見せる事が多かったので、仔猫なんか保護しないようにしましょう・・・という内容ではないだろうとは予測(期待)しているが、世の中の全ての人たちがきちんとした理解力を持つ訳ではない上、テレビ番組の持つ影響力の大きさを思うと、アレルギーの人がますます猫を処分しようとしてり、猫嫌いがこういう事を利用して「そら見た事か、猫は害獣だ」と主張する為の格好の論拠にされなければ良いのだが・・・という危惧はある。

しかしどんな内容の番組であったとしても、大袈裟にヒステリックにテレビ局に抗議などしないで欲しい。ただでさえ「動物愛護」を叫ぶ人間は、全てヒステリーでキチガイだと思われがちなのだ。テレビ局やマスコミを敵に回しても、少しも良い事はない。世論を味方につけるには、動物を愛する人間が冷静でバランスのとれた言動をみせなければいけない。抗議行動というのは、闇雲にしゃかりきにやれば良いというものではないのだ。

しかし内容次第では、効果的で建設的な意見を心掛けた上で然るべきところに送ろうとは思う。それは明日、改めてまた考えよう。

みーちゃん

あたしだって恐いのよ

Oct. 25, 2004

アインが毎日吐く。ジーコもステロイドの注射をやめた途端に吐いた。吐き方が余りにも激しいので、見ていて辛い。ジーコは明日の朝、病院に連れて行く予定になっている。うちの猫も心配だが、緊急入院してしまった「じぇりちゃん」の事も気掛かりだ。先日ご主人と電話でお話出来たので少しは様子が解かったのだが、いつも帰宅が夜中になるような忙しいお勤め人のご主人が猫たちのお世話をしているかと思うと、6匹とはいえ大変だろうとお察しする。

じぇりちゃんと同じ病気の暢子さんの手術入院の時は猫11匹、私が入院なんかしたら18匹のケアだけでは済まない、24時間態勢の強制給餌と1日おき(いよいよの時は毎日、あるいは日に2回)の通院もある。私なんかこれ以上良くならなくても良いから、どうかひとつ入院だけはご容赦戴きたい。煙草も吸えない、PCも猫もいない病院でしかも「痛い思い」をするなんて四重苦を、この欲望を抑えるには我慢強くない私が受け入れられるはずがない。『本当は恐くない膠原病』というのを証明してやりたいね、私が。

こうちゃんは「70分だけ寝る」と言って、あっと言う間に眠ってしまった。起きているのは私とジャムだけだ。ジャムも寝なさい。出窓で寝ているマルコは放っておいてやりなさい。

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