テト

真正面を向く

Dec. 29, 2004

2004年12月29日 水曜日

朝になっても暗いと思ったら、雨の音が聞こえる。そのままカーテンも開けずに、雨が降っているのだとばかり思いながらご飯の支度をしたり、更新したりしてた。午前8時過ぎに初めて外を見ると、雪だった。大粒のぼたん雪が凄い勢いで落ちてきている。既に我が家の屋根は真っ白だ。あまり寒くは感じない夜明けだったのに、雪になるなんて。

雪は大嫌いだ。厭な思い出が次々と脳裏に甦る。ここ横浜日吉でも、我が家は豪雪地帯なので(大袈裟ではない)随分と雪かきもした。ずっと勤め人をしていたので朝は早いけれど、そこに雪かきが加わったらえらい事だ。本当は雪が止んでから雪かきはするものなのだろうが、仕事を休んで雪かきする訳にもいかないので、朝の5時6時に頭に雪を積もらせながら雪かきをしていた。

雪かきを「嫁」が一人でしないと気が済まない舅・姑だったから、私もムキになってしていた。ある日曜日など、さっさと雪かきを済ませてからもう一度布団にもぐり込んだ。そうしたら電話が掛かって来た。1階の舅からだった。「年寄りに雪かきさせておいて平気なのか!」と怒鳴られた。どうやら姑が、私の雪かきし残した部分の雪をかいていたらしい。

我が家は角地なので、一面では済まない。大変長い距離を雪かきしなければいけない。しかしガレージから車が出せて、人が歩けるだけのスペースを作れば良いのだ。それは時間をかけてちゃんとやり終えていたのだが、後から起きて姑がもう少し手を入れたのだ。

後でこうちゃんが「なんで余計な事をするんだよ」と姑に言ってくれた。すると姑は「あら、私だって雪かきは好きなのよ」と言った。好きでやっているなら、舅にもそう言って欲しい。しかし舅は頭がおかしいから、話など通じないし直ぐに忘れる。嫁は何もせずにぐうたら寝てばかりいると思ったらしい。そしてお定まりの「出て行け!」か始まった。

何かと言えば、錦の御旗のように「出て行け」を連発する卑怯者だった。晩年、誰にオムツを替えて貰ったんだ?誰に24時間付き添いして貰ったんだ?え?くそじじい、思い出したらまた腹が立ってきたぞ。

実家の母に「出て行けって言うんだよ」と言うと「ふ〜ん、ろくでなしだわね」と冷静に言っていた。私はいまどきの嫁にしては献身的だったと思う。他人にだって親切なのだから、こうちゃんの親と同居するにあたっては(自発的に同居した事だし)、親孝行するつもりで一緒に暮らし始めたのだ。喜ばせたかったし、仲良くやりたかった。こちらから歩み寄って、色々と話し掛け、一緒に行動する事を提案していたけれど、姑が我が儘で気が強い人だったので、「こっちはこっちで勝手にするからいいのよ」と鼻白むようなことばかり言われ、場がもたずに引き上げる事が多くあった。

やがては戦争になったので、もはやこうちゃんと二人きりになれる日を心待ちにしていたのが事実なのだが、それにしても雪が降る度に、雪にまつわるろくでもない出来事を思い出して不愉快になる。執念深いのだ、私は。
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アスファルトは地熱のお陰か、積もっていないようだ。しかし屋根の上には、見る見る積もった。こうちゃんが心配しているし、これでは明日の埼玉行きは無理かと思い、運転手を務めてくれる鈴木さんに電話してみた。「大丈夫ですよ」「明日には溶けちゃってますよ」と頼もしいお言葉。この鈴木さんのバイタリティと楽観的な明るさは、次々と行動しているからこそ培われたものだろうと思えるから、ここはもはや判断をお任せしよう。人に判断して貰うって、こんなに楽なんだな・・・。

明日行く予定の私の遠い親戚は、鈴木さんの保護猫の里親でもある。猫たちの為に家を新築までした。その家を見るのも楽しみだし、猫たちを見るのも楽しみ。そして彼女本人とも、やっと会える機会が持てる事になった。この機会を逃がしたら、今度はいつお互いのスケジュールが合うか解からない。やはり何としてでも行って来たい。
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今年は最後に近づいてから色々と新しい事を始め、その一番の産物として新しい出会いがたくさんあった。今まで知り得なかった人たちが、それぞれの足元を見つめ、助けを求めている小さな命に手を差し伸べていた事、或いは病気やトラブルを抱えた動物の為に様々な努力や試行錯誤をしていた事、そしてより良いケアを求めて更に心を砕いている事・・・それを新たに知る事が出来た。

人との出会いも財産だと思うし、そういったケースをたくさん知る事も財産だと思う。経験から学んで来たつもりではあるが、私一人で経験出来る事には限りがある。卑しくも様々なご相談を承っているからには、更なる勉強をする事も責任の範疇だと思っていた。それが取り次ぎショップをする事で、自然な形で学べるであろう事に感謝したい。

里親募集も避妊のご相談もショップの取り次ぎに伴なうご相談も、切り口は違えど向かう目的は同じだと思っている。改めて自分の志を確認し、初心に返って誠実に対応したい。

しかし私のキャラクターまでは変えるつもりはない。メールの返信の「文体」が気に入らないと言われても、一日にお相手する数が半端ではないので、こちらの真意を汲み取って戴けない相手までを、そうそう特別扱いは出来ない。相性が悪いと思って戴き、どうか忘れ去って戴きたい。私とて相手の鏡なのだと思って戴きたい。こんな言い方では到底通じないだろうが。

さて、新しい出会いの中から親しくやりとりさせて戴いている方の、大切な2匹を今日は勝手に「永久保存」させて戴いた。1匹は既に天に召された「ちょろ」ちゃん。そしてもう1匹は、奇しくも私がかつて住んでいた懐かしの西新宿で保護された強運の持ち主「小夏」ちゃん。飼い主の視線が感じられる素敵な写真でしょう?

「勝手に永久保存版」
ちょろちゃん(♀)と
小夏ちゃん(♀)

撮影:アベさん



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