《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ゴマ

鴻鵠の志

Jan. 23, 2005
2005年1月23日 日曜日

電話と来客が相次ぎ、良く喋った一日だった。

一日誰とも喋らない日と比べたら(そんな日があるのかは兎も角として)、エネルギーは余分に消費するような気がする。

この一週間、アドレナリンが放出されっ放しでハイなのだが、同時に抜け殻として身体が少し沈んだ場所に存在しているような感覚もある。喋り続けているのは、私の魂が身体から離脱したものなのか?



しかしエネルギーは消費しても、カロリーを消費する訳ではないらしい。

むしろ使いたくない頭を使うと甘いものが食べたくなり、お腹が張っているのに同時に空腹感を覚えては食べる。

これでは糖尿が心配だ。

私は美容には殆ど関心が無いけれど、生活習慣病は人並みにちょっと恐い。猫たちの為にも、そして遅く出会った最愛のこうちゃんとの生活を長く楽しむ為にも、早死にしたくない。



父方の叔母は、便秘から直腸がんになり60歳で亡くなっているし、父方の祖母と別の叔母は高血圧で糖尿だった。いずれも食べる事が好きで料理上手であった。



しかし煙草も吸わず酒も飲まず、早寝早起き、正直で厳しかった母方の祖父は、風呂で転んたのが契機で弱り、意外と早死にしている。

計算し尽くされたような「丁寧で贅沢な粗食」を続け、比較的痩せており、周囲にストレスを与える事はあっても自分ではストレスなどないかに見えた母方の一番下の叔母は、ガンでやはり60歳になった翌日に亡くなった。



煙草が好きで晩酌好き、季節の美味しいものを食べるのが何より楽しみだった父方の祖父は、どこも病む事なく90歳で老衰で静かに逝った。

血縁者ではないが、舅だって酒だけ飲んで92歳まで生きた。



なんだ、自分に適さない生活を無理して心掛けずとも、思うようにやれば良いんじゃないか?

運が良ければ、舅の享年92歳を超えられるかも知れないし、悪ければ50代が山だろう。

夜の客は「ダミアン・イノウ」であった。

ラボに野良用のフードを届けて貰う為に、赤帽STiにてお越し願ったのだ。



今日も締め切った家の中に居ても、エンジン音で「来た、来た」と判った。



ダミアンは最近床屋に行ったのかこざっぱりしたヘアスタイルだったが、しかし私の前では前髪に悪魔の特徴が現れてしまうのは隠せなかった。

私はエクソシストか。いや、悪魔は私か。(注1)



阪神淡路大震災から10年という事で、神戸では色々なイベントがあり、イノウさんは今週殆ど神戸に居たらしい。

戻ったばかりでお疲れのところを、赤帽扱いして申し訳なかった。

でもまた来月お願いしたい。

次はパスタじやなくて、オムライスをご馳走するから。

アインの調子が落ちている。

涙目が酷くなり、夜中からちょっとぐったりしている。シルバーのハイポテンシャルを1滴水で薄めて飲ませ、片側の目の下から頬にかけてびっしょりなのをアイオニックを染み込ませたコットンで拭いてやる。

横浜でも夕方少し雪が降ったのだが、そういう気候条件も影響があるのか。

部屋は一日中暖かくしているものの、気圧の変化までは対応出来ない。



ゴマがベッドの足元の枕(注2)でオシッコをする事を再開した。

最近、やけに甘えるし自己主張が強くなっているとは思っていたのだが、究極の主張方法がこれだ。

トイレ以外の場所でオシッコする子がバカなのではない事は良く解かっている。むしろ逆だ。理解され難い、何か深遠な想いがあるように感じる。



実際、ゴマは私達の言葉を良く理解し、じっと観察しながら何かを考えている。

ゴマの言いたい事がちゃんと解からない私達人間がバカなのだ。

いや、本当は理解しているのに、応えてやれていない事に内心忸怩たる思いがあるのも事実なのだが。



のんびりとした雰囲気の中で、ずっと傍にいて抱いていて欲しいのは解かっている。でもなかなか出来ないのだ。

思えば、ゴマには謝り続けているね。



ミュウにもそうだった。

賢くて面倒見が良く、感受性が豊かなのに我慢強い子は、日々相当のストレスを溜め込んでいるのだろう。

PCを捨て、家に居られる時間は猫の相手をする・・・そういう選択をしたミヨコこそが、本当の猫好きなのだ。



特別の存在として最も愛されていたはずのミュウも、そんな「特別で一番愛している」などという言い草は観念的なものであって、現実には問題がないだけに後回しにされており、理解されない想いを抱えたまま逝ってしまったような気がしている。



最期は声を出さずにひとつだけ鳴いて、苦しい中居ずまいを正して私に訴えたミュウ。

その時の想いは、私の心に直接届いた。

私は手を伸ばして重たいミュウを抱き寄せ、私に抱き抱えられた直後にミュウは逝った。過去数年で、一番濃密な瞬間だったろう。



多分一生後悔し続けるのだ。

ミュウの想いを犠牲にして、赤の他人の甘ったれた相談に応じていた年月を。



今夜は枕だけで済んだが、明日はどうなるか解からない。

しかし明日の事は明日考えよう。

ゴマはまだ生きている。その想いを受け止めてやれるよう、出来るだけの努力をするしかない。それでは決して満たされきる事がないのは解かっているのだが、どこかで折り合いをつけて貰うしかない。

その後の事は、また甘んじて受け入れるしかないのだ。

マルコ

じゃあボクは燕雀?


Jan. 23, 2005

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注1:
「貴女は悪魔のような人だから」と言って、わざわざ丑三つ時に電話してきて罵声を浴びせた人がいたっけな。15匹のSOSの時だから、もう随分前の事だけど良く覚えている。






注2:足元の枕というのは、枕として使う訳ではなくて、猫の居場所のひとつだ。

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