《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ルス

目を細める

Apr. 14, 2005
2005年4月14日 木曜日

やっと晴れた。

暖かくなったけれど、風も強い。裏の公園の桜はどんどん散っているけれど、まだ充分に景色がピンクだ。

午後、銀行と郵便局に出掛けたら、どこの道を走っても桜の花びらが舞っていた。

そして花粉もね。







折角出掛けたので、米とお茶を買い、ビデオを5本借りて来た。

数日は仕事がオフだし、7泊8日だから楽勝で観られるだろう。事実、今夜夕飯前に1本観て、その後色々と用事を済ませた午前1時からもう1本観た。





先に観たのは【ボーイズ・ドント・クライ〜Boys Don't Cry〜】

主演のヒラリー・スワンクは、先に『インソムニア』で女性刑事を演じていた時に印象にあったのだが、性同一性障害という問題を抱えながらも自分の望む生き方をするには、何故まともに人生の基盤を作らなかったのか、ケチな犯罪を繰り返して住む家も持たないまま面白おかしく過ごしていたのか・・・そういうところが気になって全く感情移入出来ず終いだった。



そもそも、何か鬱積したものを抱えているにせよ、自分の生かし方が解からないにせよ、夜な夜な騒ぎまくっているだけの日々を送る若者には全然共感出来ないのだから仕方ない。

そう言えば、『エデンの東』や『理由なき反抗』も好きじゃなかった。

世を拗ねている感じは昔から嫌いなのだろう。



しかし、いかに主演女優がナイーブな良い演技をしていたにしても、後味は悪く、そんな結末をも予想出来るような破滅的な生活を続けていては、衝撃的な悲劇の結末・・・とは言い難い。

途中からいつ破滅が訪れるか、気の小さい私には見ていられない感じがした。

これは映画の物語(実話らしいが)に限らない。全てに言える事だ。刹那的に楽しくても、その場限りの欲望に従っていても、少しも楽しめない。貧乏性だもの。



但し、ひとつだけ救いがあった。

女である事がバレた後も、恋仲になっていた相手の少女は「私も完璧じゃない・・・」と言って、彼(彼女?)に変わらない愛情を注ぐ。

それは「女」というものの極めて本質的な包容力の大きさに見えた。この少女の中に、どうしようもない男たちはそれぞれ救いを見出していたのだし。










2本目は気分を変えて、ラブコメディにした。

【恋愛小説家〜As Good As It Gets〜】

ジャック・ニコルソン演ずる売れっ子恋愛小説家は、マンハッタンの高級アパートに住む潔癖症で強迫神経症、人嫌いで毒舌で嫌われ者の独身中年男。

あらゆる相手に憎まれ口を聞き、誰にも邪魔されずに規則正しい生活を送る事だけを望み、女心を最高に理解していると世間では評価が高いけれど、それは想像の世界(小説の中)だけの事。

現実の世界では、心惹かれるカフェのウェイトレス(ヘレン・ハント)に対しても、心ならずも怒らせる事ばかり言ってしまう。



だけど時折見せる心根の優しさや純情で無防備な表情が、あのジャック・ニコルソンだけに堪らなく可愛い。

ジャック・ニコルソンと言えば、私にとっては何たって『シャイニング』であり『カッコーの巣の上で』であった。

あらゆる意味で異様であり、こんなに恐い顔をした俳優が他に居るだろうか?と思う位に強烈に個性的だった。

しかしこの作品では、その個性的な彼を知っている程、可笑しいと感じられるだろう。

犬ですら犬嫌いの彼になつき、隣人のオカマの画家もウェイトレスも、やがて彼の毒舌の陰に隠れた善良さと親切の恩恵に浴し、彼を好きになって行く。

それは観ている私達も同じだ。犬が実に可愛い演技をしている。


ジャック・ニコルソンもウェイトレス役のヘレン・ハントも、この映画で1997年、第70回アカデミー主演男優賞・主演女優賞を獲得している。

既に中年の大人たちが、迷い、時に心を病みかけ、自分も他人も傷つけてしまいながらも、踏ん張って自力で立ち直って行く様は、観ていて希望が持てる。

誰だってみんな孤独だ。だけど他人の心の中にある種の善良さを見つけると、救われるものなのだ。









その後、午前3時からは、このところ連日NHKで放映されている【アクターズ・スタジオ・インタビュー】を観る。今までにも時折観て来たのだが、アクターズ・スタジオの副学長ジェームズ・リプトン氏の豊富な予備知識と優れたインタビュアーぶりによって引き出される、映画俳優・女優・監督らの素顔が面白い。

どの回も「**(その日のゲストの名前)自らを語る」というタイトルとなっている。昨夜は「ジュリアン・ム−ア自らを語る」であり、今夜は、「エドワード・ノートン自らを語る」であった。ジュリアン・ムーアは『ハンニバル』でクラリス役を演じた、あの女優だ。




話題は彼の祖父がどういう人物であったのかから始まり、当然の如く映画デビュー作であった『真実の行方』に移行する。2100人もの役者が、あのアーロン役のオーディションを受けたとリプトン氏は伝える。

ノートンは真面目で理論が好きと見える。頭が良く、言葉を知っている。全ての質問に、即座に真剣な答を用意出来る。だけどあまり面白くない。大物ではないと感じるのだ。ジャック・ニコルソンの演技を観た後だからか?そう言えばジャック・ニコルソンも、アクターズ・スタジオで学んだ代表的な俳優だったのを思い出した。




アクターズ・スタジオとは、演出家リー・ストラスバーグやエリア・カザンらで作った難関の俳優養成学校の事だ。

マーロン・ブランドやアル・バチーノ、ポール・ニューマン、ロバート・デ・ニーロなど数多くの名優を送り出している。ノートンも2度受験して落ちていると語っていてたが、リブトン氏は「もっと何度も受けて」と笑っていた。

長い事このスタジオの主宰者であったリー・ストラスバーグの娘は、女優スーザン・ストラスバーグだが、パッとしないで終わっている。

私が彼女を主演で観たのは、『マニトウ』くらいのものだ。バカバカしいような映画だったけれど、今でも時々「背中から悪魔が生まれるぞ」などと冗談で言ったり、「タイプライターのマニトウ」なんて言葉を思い出したりしているのだから、印象は強かったのかも知れない。




明日の放映では「ジャンヌ・モロー」がゲストらしい。もっと早い時間帯にやってくれれば良いのだが、観終わると朝になってしまう。それから少しは寝るけれど、すっかり寝不足になってしまう。

ならば録画しておけば良いとお思いだろうが、ビデオレコーダーが古くて録画機能が途中で必ず止まってしまうのだ。今日、「ベスト電器」でもビデオ録画とDVD再生のコンポを買おうと思ったのだが、一度に色々な用事を済ませる気力がなくて、また出直そうという事になった。

ま、あと数日は仕事がオフなので、遊びで夜更かししても構わないかな。明日は出掛ける予定があるけれど、夜はまた映画を2本は観たい。

次の作品は・・・さて何でしょう。

ルス

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Apr. 14, 2005


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