《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ジャム

自力抜糸しちゃって

Feb. 18, 2007
ジャム

2007年2月18日 日曜日

ジャムが遣り残した仕事>>16日の夢の話題)とは、私達が遣り残している仕事をさせない事だという事が解かった。



夕方近く、ジャムが寝ていた場所で不思議なものを発見した。

何かと思って手にとって見ると、手術の縫合用の糸だった。

何とまあ、ジャム・・・今回は3日目にして自力抜糸してしまったのだ。

切られているのではなくて、結び目を解いて引き抜いてある。

一体どうやったのだろう?





それは小さい方の傷の、端から2番目の縫い糸だった。

3番目も4番目も、既に結び目が緩んでいる。

しかし、決していい加減な結び方をしている訳では無い。ちょっと位引っ張ってもビクともしない。それ故、抜糸のにはハサミで切らなければならないのだから。





急いで病院に電話をした。

結び目の部分を噛んでいると、糸が堅固なだけに切れず、緩む事があるらしい。カラーを再度着ける以外に、「糸切り名人」のジャムが自主抜糸をするのを防ぐ方法は無いようだ。



そう、ジャムは糸を切るのが天才的に上手い。

紐や糸、布地フェチの異物食いとも言う。

だから決して包帯など巻けないし、洋服も着せられない。

そんなもの、ジャムの前には屁の突っ張りにもならないどころか、好物としてあっと言う間に食ってしまう。





しかし情けない飼い主だけれど、ジャムにカラーを着けさせては、直ぐに根負けして外してしまっていた。

カラーを着けた途端にロデオの暴れ馬のように跳ね、身体をよじって暴れるので、傷に負荷が掛かっては大変だしストレスだろうと思うと、やむなく外してやってしまうのだ。

だから昨日の「前言撤回」しなければならない。傷口を舐めたりしない子だから・・・と言ったのは、結果的には嘘になってしまった。今回、どうした訳か矢鱈と舐めようとする。そして早々と自力抜糸してしまったという訳だ。





兎に角、緩んだ糸を縛り直そうとしたけれど、糸の先端にちょっとでも触れると、電気が走ったかのように飛び上がる。

きっとそれだけ痛いのだろう。

何度か頑張ってはみたけれど、とても無理だ。



再度、病院に電話をし、午後10時も大分過ぎていたにも拘わらず、直ぐに連れて来て戴ければ・・・と言って戴ける。

勿論、直ぐに家を飛び出す。





泣き喚くジャムを連れて行くと、奥さん先生が保定して、院長が鉗子のような器具(コッヘルだかペアンだか・・・)を2つ使って、きっちりと締めてくれた。

その間、ジャムはじっとおとなしくしている。



どうしたのだ、ジャム。

家に居る時とはうって変わっていい子じゃないか。

家ではちゃんと管理出来ないと思われてしまうような事が続くと、やっぱりこんなに早く退院させるのは無理だったと思われてしまうよ。



一応、「ジャムはそんなにいい子にしていられるなら、病院の子にして貰いなさい」と言っておく。

勿論、聞いちゃいない。だから追い討ちを掛けるようにして「ジャムはトニーのお嫁さんにして貰うかい?」とも言ってみる。



トニーとは茶トラの病院猫で、とても大きくて太っている。

ジャムの処置をして戴いている間も、私達の足元で寛いでいた。

トニーはジャムに負けていない立派な体格だが、カワムラさんのように飄々ととぼけていて、且つぶーちゃんのように臆病だ。





トニーにお別れを言い、先生たちに何度もお礼を言って、ジャムを家に連れ帰る。

そこからが長い長い闘いと試行錯誤となった。

もう、いちいち書きたくも無い位、泣きたいような時間がゆっくりと過ぎた。






結果としては、今はカラーを着けたまま眠っている。

食餌と水を飲ませる時だけは外し、あとは抜糸までカラーを着けさせる事にした。

その為には、私かこうちゃんのどちらかが、ジャムが落ち着いて眠るまで胸の上に乗せて共に寝てやらなければならない事も解かって来た。





大体2時間位、カラーの縁を私の顎の下・首の中ほどに差し入れ・押し付け・・・つまりカラーの内側にはジャムと私の顔の両方が入り込んだ状態で、ジャムの口元が私の顎に乗っかるような格好で過ごす。

この体勢ならば何とか安心出来るらしい。

但し、肋骨に重たいジャムの体重が掛かり、首にはカラーの縁が容赦なく食い込む。

でもジャムはそれでやっと暴れるのを止めてくれるのだから、私達は我慢しなければいけないだろう。

ジャムに、元気になってくれるのだったら何でもしてあげるよ・・・と言った手前、この程度の事は辛抱しなければならないだろう。





念の為に申し上げておくが、人が対処として考えつくような事は全てやってみた結果だという事・・・

カラーを着けない状態で何時間も撫でてやり、傷口を舐めたり糸を引っ張ったりする事から気を逸らす事も試してみた。

でも24時間、そうしていられるはずがない。



ケージにも入れてみた。

マルコを解放し(出たくないとケージにしがみつくマルコを、出窓の別荘に押し込める)、入り変わりにジャムを入れてみる。

程なく、暴れて暴れて・・・暫くすれば諦めるだろうと思ったら大間違いで、どんどんエスカレートして行った。

それでまたカラーを外してやり、堂々巡り。





しかし私がベッドに仰向けに横たわり、胸に乗せて撫でていると、やっと落ち着いてくれたのだ。

暫くそうして、ジャムが転げ落ちないように支え続けた私の手がすっかり痺れた頃、こうちゃんがそのままの体勢で食餌をさせる。

ドライフードを少し食べてくれたので、ホッと一安心。



ハイポ水も飲ませようと、テーブルの上に連れて行く。

カラーが気になって飲めないようなので、その時だけ外してやると、少し躊躇った挙げ句、やっとペロペロし始めたかと思ったら、いつまでも飲んでいた。

興奮したし、熱も出ていたようなので、さぞかし喉が渇いた事だろう。

シリンジやスポイトを受け付けてくれないので、自発的に飲んでくれないと脱水させてしまう。

どんな場合でも脱水が一番怖いから、飲んでくれて本当に良かった。





選手交代して、こうちゃんが胸に乗せて一緒に寝てくれている間に、私は料理をする。深夜の料理。まとめて作らないと、明日からも思いやられる。



ジャムは手を掛けて、時間を掛けて、自分だけを構って欲しかったのだろう。



同じ腫瘍の手術をしたモアは、カラーを着けたままでおとなしくしていられたので、食餌の時だけ介助してやれば済む。

但し、口の中が痛い事は確かなので、物凄く時間が掛かる。

毎食1時間はつききりで撫で続けて、やっとたべさせている日々。





モアにはこの2年近く、集中的に時間と手とお金を掛けている事を思えば、ジャムは健康で今まで殆ど手が掛からなかった。

健康な子は、つい後回しになってしまう。

それでもジャムとゴマ、マルコは私達と同じ部屋で一日中一緒だ。

仕事をしている間、食事の間、眠る間は一緒なのだから密着度は高い。

だからそれだけで充分だろうと思っていたけれど、そうではなかったのかも知れない。

もっと自分の為に色々して欲しかったのだろう。

モアにしてやっている事がジャムに見えている訳ではないのに、ちゃんと解かっているのかも知れない。






それで思い出した。

妹が生まれた時、私は祖母に連れられて母と妹がいる病院に見舞いに行った。それは桜が満開の頃で、既にかなり暖かい季節だった。

なのに私は、七五三の「おべべ」を着て行くのだと駄々をこねたらしい。

病室では、生まれたての妹が母親のお乳を入れた哺乳瓶を、寝たまま飲んでいた。それを見た3歳の私は、私も哺乳瓶で飲む、しかも寝て飲むのだと言い張ったそうだ。

しかし赤ん坊と違って口の力も強い3歳児は、哺乳瓶の乳首を毟り取ってしまい、顔といい七五三の着物晴れ着といい、ミルクまみれになった。

その時の情けない気分と、だから言ったじゃないか・・・と叱る祖母の口調は、朧気ながら覚えている。桜の木の下のバス停で、怒られてバツの悪い気分で祖母に連れられてバスを待っていた時の風景も思い出す。



あの時、私は乳児の妹に嫉妬していたのだ。

妹がしてもらう事は、私も全てして欲しかった。

自分が赤ん坊の頃に同じようにして貰っていた事など覚えているはずもなく、今この時、妹と同じように大事に可愛がられたかったのだろう。





ジャムの気持ちが、少し解かるような気がする。

大事に可愛がっていたのは確かだけれど、私達がモアやカワムラさん、シャインやジニー、トム、カイル・・・と具合の悪い子たちの事で一生懸命になっている様子は、きっとその時々で察していたのだろう。

だからジャムは大天使ガブリエルが来ると、耳の中に口元を突っ込んで内緒話をするのだ。きっと聞いて欲しい事が一杯あったのだろう・・・





忙しさにかまけて「はいはい、後でね・・・」と言い続けている間に、私はミュウを突然失った。

同じ過ちをしでかすところだった。

それでも夫婦共に在宅の仕事だから在宅時間はメチャクチャ長いし、寝る時間を限界まで削ってでも猫たちに奉仕する事を残りの人生の最大の目標にしているから、普通で考えるよりもずっと猫と過ごす時間を大事にしているはずだ。





だけど、それじゃ何かが足りないのだ。

猫に対してだけは、ルーティーンになってしまっては駄目なのだ。



ジャムの言いたい事を、それがどんな我が儘であれ最後まで聞いてやろう。

ジャムが「もういい、もう寝る」というまで、何時間でも付き合ってやろう。

それには仕事も後回しにして、兎に角一緒に寝る事だ。

ジャムが眠ってしまえば、こうしてPCにも向かえるし、仕事も少しは出来るのだから。





仕事を減らそう。

ジャムともっと楽しんで過ごそう。



勿論大事なのはジャムだけじゃない。

だから他の子たちにも心から尽くすし、共に過ごせる事を心から幸せに感じている。



でも、我が儘でナイーブで、一番感受性が豊かで心に傷を負いやすい子は、何と言ってもジャムなのだ。





小手先で猫の気持ちを誤魔化そうとしてはいけない。

求めてくれいる子に与えられるものがあるという事は、私にとってはとても幸せで恵まれた事なのだと、今、改めて感じる。
ジャムへの花その1

Feb. 18, 2007
お花その1
ジャムへの花その2

Feb. 18, 2007
お花その2
ジャム

カラーつけられた〜

Feb. 18, 2007
ジャム


覚え書きとして:

朝は納豆ご飯と豚汁の残り(これでおしまい)


昼はニンニクと唐辛子を利かせたトマトソースのスパゲッティ。


おやつにパウンドケーキとジャスミン茶。


夜はハンバーグ(明日の朝用に作ったキャベツとミニハンバーグとトマトの煮込み用の残り)とご飯、豚肉生姜焼きライスバーガー(冷凍品:OKストアで1個110円)、冷酒を少し。

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