ガラ
ゴージャスおけつ
Jun. 3, 2008
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2008年6月3日 火曜日
ゴマは9歳になった。そんなに変化は無いような気がしていたけれど、やはり衰えているのだろう。
ジャムが近づいただけで、最近「シャー」と威嚇する。自分から近づく分には構わないらしいが、気が向かない時に近寄られるのはとても嫌らしい。
仔猫だったジャムを、あれ程、我が子のように可愛がったゴマだったけれど、とっくにジャムは倍以上大きくなってしまった。
それでも圧倒的にゴマの方が強かった。
寝そべっているジャムの周りを、グルグルと回ってガンを飛ばしていたゴマ。それだけでジャムは泣いて降参してしまっていた位、ゴマの貫禄は充分だった。
「もう許してやってよ」と助太刀に入る私達。まるで与太者だねゴマは・・・と笑っていたのは去年まで。
今年あたりから、急激に年をとったと感じるようになった。
あれだけ誰でも受け入れる事の出来たゴマが、猫を疎むのだ。慣れ親しんでいるはずのジャムを、殆ど寄せ付けないようになった。
きっと自分でも、力の衰えを自覚しているのだろう。みーちゃんの猫嫌いと似ている。
ジャムは確かにちょっと動きが乱暴だけど、それはあの巨体を瞬発的に動かすとどうしたって勢いが物凄くなってしまうだけで、本人は無邪気に楽しく遊びたいだけなのだ。
ナイーブでデリケートな幼い精神が、巨大なバッファローの身体を纏ったみたいな猫だ。
それにちょっと悪い癖があって、相手の毛を毟るのだ。
ジーコもゴマも、そしてすばしっこいアンダでも、たまに毟られている。ハゲが出来る程ではなくて、表面をほんの少しだけなのだが・・・
ジャムの弁護をすると、それは決して苛めている訳じゃない。甘えの表現が間違っているだけなのだ。
ジャムは母猫を知らない。一度も母猫のおっぱいをくわえた事が無い。
そのせいか、大きくなってからもムートンの毛束をくわえてチュウチュウと吸い、前足で踏み踏みしながら眠ったりしていた。
これだけの頭数がいても、うちでそういう事をするのはジャムだけだ。
私達がママとパパだと思ってくれているのは間違いないと思えるのだが、本能的には猫の母親を求めているようで、不憫で切ない。
だから他の猫の毛を毟るその瞬間には叱って止めるものの、ジャムを悪い子だとは思えない。
ジャムを贔屓しているのではなくて、ジャムをそうさせるのは理由があると思うし、私達の至らなさも一因だと思うから。
そもそも悪い猫なんていない。
オシッコをトイレでしないゴマだって、決して頭が悪い訳じゃない。家に入れた時は、教えないでもちゃんとトイレでオシッコもウンチも出来ていたのだ。
それを仔猫を全て里子に出してしまった後にアメショーの一家と一緒にしたときからマーキングが始まっただけで、それがどんな心の動きで起きている事態なのか、いつもいつも自分に問いかけ、猫に問いかけ、その原因のあらゆる可能性は把握しているのだ。
だからゴマは悪くない。
むしろいつも清潔なカバーの上でオシッコしたいというこだわりが、ゴマがここで暮らす上では必須条件なのだろう。それもひとつのスタイルとして、私たちはとっくに上手く受け入れているからノー・プロブレム。
問題があるとすれば、猫同士で気持ちのすれ違いがある時だけだ。
だけど、この頭数がいる割には、我が家は平和そのものだろうと思う。仲が悪いゆえのストレスが、猫同士に見られない。
部屋を分けている甲斐があったと思えるのは、その点かな。
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