《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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イオ

こんアタシも

Jul. 27, 2008
イオ

2008年7月27日 日曜日

小さな小さな命がふたつ・・・いや、みっつかな・・・天に召されてしまった。



発端は、ある方(以後、Mさんと呼ぶ)が25日の金曜日、お勤め先の近くの店にお昼を食べに行った時、その店の奥さんから相談された話だった。

奥さんには娘がいて、その娘さんが職場でへその緒付きの赤ちゃん猫を2匹拾ったらしい。

勤め人のお嬢さんでは乳飲み子はとても育てられないし、当日も帰りは深夜になる予定。だけど、とりあえず連れ帰るという事で、お母さんはとても悩んだのだろう。それでMさんに相談したのだと思う。



Mさんはかなりの多頭飼いで、里親さんを募集している保護猫もいる。フルタイムの勤め人で、一昨年も昨年も、かなりの頭数の野良猫をコツコツと捕獲し、不妊去勢して来た。

その店の自宅には2匹の猫がいて、その猫の保護の際にもMさんが相談に乗っていたのだった。



だけど勤め人のMさんでは、そんな小さな猫に授乳は不可能だ。それで大阪のMさんから、私に電話を戴いたのだった。



今年もこういうケースが出てしまったか・・・横浜まで連れて来られる月齢ではない。京阪神地区で授乳ボランティアを求めるしかない。

そのボランティアを探す約束をしたものの、先ずは仔猫たちがどうケアされているのかが一番気掛かりだった。



ただ保護しているだけでは、干からびてしまう。直接、娘と話している訳ではないので、今の状態がとどうなのか、既にミルクを与えているのか、そんな事すら解らない。

一刻も早く動物病院に連れて行って貰うのが一番安心だが、そのお嬢さんにはお母さんからも連絡がとれないらしい。職場には電話をしてくれるなと言われているとか、携帯に掛けても出ないとか・・・



そんな馬鹿な。他人にまで迷惑を掛けようという問題があって、どうして電話出来ない事がある。私が母親だったら、非常事態として職場に電話するだろう。

当事者が「その気」にならなければ、聞かされた大勢がただ気を揉んで待つしかないなんて。



何度めかのお電話で、Mさんは「今から迎えに行って来ます」と言った。「考えていても埒が明かんから」



大阪市内から宝塚まで、この暑い中・・・しかしMさんの会社の専務が車を出してくれる事になったと言う。



それがどういう事なのか、勤め人を経験した人であれば解ると思う。

仕事を抜けて、隣の県まで仔猫を引き取りに行く・・・しかも専務が車を運転して行ってくれると言うのだ。

Mさんが日頃、職場でどれだけ真面目に誠実に仕事をこなしているか、そしてどれだけ人望があるか、仲間として愛されているか・・・そして今回の件で、Mさんがどれだけ真剣であるか、その事を職場でも伝え切れているか・・・

そういう目に見えない信頼の積み重ねや心意気なしには、あり得ない話だという事を想像出来ない人がいたら、そういう人のご相談には預かれないな・・・と思う。



Mさんは人に迷惑を掛ける事が平気な人ではない。

それはMさんとの出会いとなったシャムミックスの里親募集の時から、やがて年月を経て少しずつ保護したうちの子にした猫が増えて行き、そして遂にはマイ捕獲器を持って通勤経路の野良猫たちを捕獲して避妊し始めた時にも、常に感じた。

そのMさんの一大事(と言ってもご本人の保護猫ではないのだが)なのだ。知らん振りは出来ない。



預って授乳してくれるような人を探すのは、容易い事ではない。これまでにも何件か、同様のご相談があって、その都度、有り難い事に協力者を得て来た。

今までのご相談は、見ず知らずの他人様からばかりだった。

頼む時だけは熱心でも、みんな事が片付けばそれっきりのご縁だ。そういうものに対処して来たくせに、信頼するMさんの為に一肌脱げないないなんてあり得ない。





私が預れないのが申し訳ないが、生後3日目と診断されたような新生児を、横浜まで移動させる事は出来ない。

奥の手を出した。





とても忙しく、大変な人に助けを求めた。

その人を、仮に「Tちゃん」と呼ぶ。Tちゃんは、そこから先の全てのアレンジを引き受けてくれた。

それはMさんの心意気を真正面から感じて受け止めてくれたからでもあり、勿論、純粋に猫たちの命を救いたいと思ってくれたからでもあり、そして私を助けてくれたのだ。

更には、TちゃんはMさんと偶然にも以前にちょっとしたご縁があった事も思い出した。






実際、仔猫2匹は危ういところだった。

1匹は低体温に陥っていたようだ。手の中で温め、授乳しながら連れ帰り、直ぐに動物病院に連れて行って貰えた。

しかし新生児は預れないと入院は断られてしまい、Mさんは週末という事も幸いして、とりあえず家に連れ帰ってくれた。





Mさんは、また月曜日には仕事で家を空ける。日曜日の晩までには、別の善意の手に委ねなければならないのだ。

これまた偶然にも、日曜の晩にはTちゃんはMさんの住む町にあるご主人の実家に行く予定になっていた。





Mさんは金曜の夜は寝ずの授乳を頑張った。

そして予定より一日早く、土曜日の晩にはTちゃんと、Tちゃんが頭を下げて預かりをお願いしてくれ、それを快諾して下さったNさんが、揃ってお迎えに行ってくれて順調にバトンタッチが出来た。

TちゃんもMさんも、最悪の場合は日中は動物病院に預け、夜間は自分で授乳する覚悟でいたのだが、Nさんという心強い味方を得られた事は、何と言う幸運。






まだ目も開かない仔猫たちには、それぞれ「空」と「海」という名前がつけられた。併せて「空海」・・・お大師さんのご加護があるに違いない。

三毛の姉妹で、きっと気の強い美人に育つだろう。

MさんとTちゃんとMさんの善意のリレーが、赤ちゃん姉妹猫の命を繋いでくれた。





でも、小さな命の儚さは、悲しい結末を迎えた。今日、相次いで天国へと旅立ってしまったのだ。



元の保護主からの情報では、保護した前日から鳴き声が聞こえていたと言う。1匹は既に亡くなっていて、生き残っていた2匹を保護したらしい。

新生児を保護するならば、「待ったなし」だ。数時間の迷いが、明暗を分ける。



この3日間、Mさんの行動力と自己犠牲と心労は、如何ばかりだっただろう。途中をアレンジしただけの私ですら、今、呆然としてしまっている。

Tちゃん、後で電話します。Nさん、後ほどメールさせて戴きます。有り難うございました。




Mさんの近くには、同じく前向きにひたむきにひっそりと頑張っているSさんも、Aさんもいる。彼女達と接する度、私は居住まいを正さずにはいられない。

頑張らなければ・・・と改めて思う。











夜、カワムラさん通院。

3.25キロ。下降気味ですね・・・と穏やかな口調で院長が言う。奥さん先生も忙しい中、足を止めてカワムラさんを優しい眼差しで見つめてくれた。



カワムラさんも、生まれて直ぐに天に召された空・海も、みんな幸せだと言い切れる。異論がある人間がいたとしても、多分その人は不幸なのだ。

他人の幸せに水を指す前に、自分が幸せになるよう努めなさい・・・と言いたい。

イオ

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