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冬の朝の窓辺
Dec. 7, 2008 |
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2008年12月7日 日曜日
寒い朝。真冬のようだ。
他の新聞はどうなのか知らないが、現在、読売新聞のテレビ欄では当日放映する映画の紹介は全く載せなくなってしまった。
どうせ紹介されるとしても、ゴールデンタイムに放映される映画だろう。その時間では観られないし、その枠で放映する映画にはあまり興味が持てないからこのままでも良いのだが。
そして突然と言うか、深夜に偶然、意外な名作を観るハメになる。
昨夜も【アグリー・ベティ】を観てから、ふとチャンネルを替えたところ、字幕で面倒臭そうな映画が放映されていた。
どうしようかな・・・と思いながら観始めてしまったら、どんどん引き込まれてしまい、遂に寝そびれた。
【あなたになら言える秘密のこと】
LA VIDA SECRETA DE LASPALABRAS
英題:The Secret Life of Words
監督:イザベル・コイシェ
製作総指揮:ペドロ・アルモドバル
主演:サラ・ポーリー,ティム・ロビンス
2005年スペイン映画 |
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物語の舞台は、海の上にポツンと建つ北海油田の掘削基地。そこで大怪我をした男の看護の為に雇われてやって来た女。
その油田は間もなく閉鎖される事が決まっているので、そこに残るスタッフは数少ないのだが、皆それぞれに何かしらの事情を抱えているらしい。
女は殆ど言葉を発する事無く、無表情で看護をする。男は容態が良くないながらも、ユーモア交じりに女の言葉を色々と引き出そうとする。
名前も出身地も髪の色も教えない女。
男は事故の影響で、一時的に視力を失っていた。
寒々しく重苦しい、北の海と空の色。
閉鎖を待つだけの、本来の仕事のないスタッフたち。
そのスタッフたちとの僅かなやりとりの中で、少しだけ笑顔を見せるようになった女。
介護される男が語る少年時代の秘密の出来事や、怪我をした本当の理由、そして人間にはしてはいけない事があるのだと語る男。
やがて女の重い口から明かされる、想像を遥かに越えた衝撃的で過酷な過去。
ラストに温かい救いは用意されているものの、それは言葉にし難いほどにショッキングだ。
しかし見事なのは、ショッキングなシーンは一つも見せる事なく、全ては閉ざされた空間に於ける登場人物の数少ない科白でのみ再現される。
サラ・ポーリーの、表情すら殆ど変えないで見せる演技は見事だ。
このサラ・ポーリー、どこかで見覚えがあると思ったら、カナダのテレビドラマ【アボンリーへの道】の主人公セーラ役を演っていたのだ。
ドラマのシリーズの途中から全く出て来なくなってしまったけれど、彼女が極端な政治活動にのめりこんで行った為、主役だと言うのに降板を余儀なくされたというのが事実らしい。
尤も、主役とは言ってもこのシリーズは、脇を固める登場人物がそれぞれに魅力的に描かれており、役者陣も皆達者だから、その回のストーリーによっては「セーラの不在」に全く違和感は無いのだが・・・。
あのセーラだったのか・・・とエンドロールで気付いた。上の画像は、セーラの時のサラ・ポーリー。
この頃と全然変わっていないのが解る。
さて、こちらのドラマは静かに重く暗く、そしてゆっくり過ぎるほどに進行して行き、最後で一気に加速する。
「アダージオ→アジージオ→アダージオ→プレスト」という感じか。
これを傷ついた男と女の癒しの恋愛映画と見るか、社会派の反戦映画と見るか・・・
単純なハッピー・エンドとは違う、傷は傷として抱えたままでも、人は幸せになる権利も責任もあるのだと最後に感じさせられ、それはそれでしんどい現実だ。
それでも人は人を拒み、愛する事なしでは幸せにはなれない・・・それもまた事実なのだ。
現実から逃げて死を選ぶのは簡単だ。
しかし生きてこそ、ほんの一瞬でも存在価値があるのだ。
それがどれだけ苦しい事であろうとも。
その事を改めて考えさせられた。
怪我をした中年男を演ずるのは、ティム・ロビンス。
【ショーシャンクの空に】の主演や【デッドマン・ウォーキング】の監督として有名だが、私が印象に残っているのは、ロバート・アルトマン監督の名作【ショート・カッツ】での警官役だ。
この映画も凄く好きな作品で、当時の作品としては【シェルタリング・スカイ】と並んで何回も観た。
この作品ではベッドに横たわったまま殆ど表情だけで演技するティム・ロビンス。しみじみ上手い。
世の中の流れに疎くて、こんな映画があった事すら知らなかった。DVDを買ってでも、もう一度観たい作品のトップクラスに入るかも知れない。
無条件でお勧めの素晴らしい映画です。
DVD買って是非ご覧あれ。必ずやモトが取れます!
さて、本日はお客様が二人あり。
兵庫県から埼玉県まで遥々と「はーちゃん」こと「原田さん改め牛太郎さん」をお届けした帰りに、赤ツナギさんが会いに来て下さった。
そしてカイルの恩人たまきさんにもお越し戴き、4人で新横浜でヒジョーに遅いランチを共にする。
私の我が儘で野菜料理中心のバイキングの店にしたのだが、念願のバイキングだと言うのに、もはや思うようには量が食べられない。
それでも4人の中では一番食い意地が張っていたような気がするが、もうダメ、歳をとった事をこんなところでも思い知る。
赤ツナギさんやたまきさん、そしてまだお会い出来ていないけれどみちねぇの野良猫に対する想いや継続的な行動、損得勘定も気負いも感じさせない淡々とした自己犠牲にはいっつも励まされ、私も元気にもっと頑張ろうと思わせてくれる。
みんなも私も少しずつ進化してきた。
いつまでもサルじゃない。やっと北京原人くらいまでには進化したかな。あと少しは進化するかも知れない。
でも、人間だけがこの世の覇者だと思っているような現代人にまで進化する必要は無い。
もし人類が本当に地球の覇者なのだとしたら、だからこそ救いを求めているものに対して発揮出来る力があるはずだ。
優しくありたい。少しだけ自分を犠牲にしてこそ出来る、何かマシな事をしたい。当たり前に生き延びている自分の心のうしろ暗さを減らす為にも。
赤ツナギさん、またお会いしましょう。
今度はうちのこうちゃんと同じ位優しい、素敵なご主人と一緒に。
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